動画を活用したマーケティングが注目される理由とは<Part.2>

麓 俊介 [記事一覧]

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1989年兵庫県出身。中学1年からプログラミングを始め、ホームページ制作やアフィリエイト、ネットゲームなどを個人で開発。2009年に新卒でECサイト開発・運営会社に入社。2010年からは株式会社ポケラボにて、ゲーム開発に従事。プログラマー、ディレクター、プロデューサーを経験。株式会社セガと協業で作った『運命のクランバトル』は年商20億円規模のヒットとなった。2016年5月に株式会社トピカ設立。

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こんにちは。株式会社トピカの代表をしています、麓 俊介(ふもと しゅんすけ)です。
前回は動画マーケティングの立ち位置から、どのような領域に対して効果的かについて記事を書かせていただきました。
今回のコラムでは『動画を活用したマーケティングが注目される理由とは。Part.2』として、前回の内容を踏まえて、そもそもなぜ動画が良いのか、なぜ動画が普及しているのかについてデータも交えながら書いていきます。

 

動画マーケティングに関するデータ

まずは、動画マーケティングを取り巻く市場環境についてです。

 

 

2018年の動画広告市場は、1,845億円に達する見通しです。
この背景として大きいのは、動画広告が配信できる媒体やフォーマットが増えたことで選択肢が広がったことです。
企業によっては、媒体やフォーマットに合わせた動画クリエイティブを制作し配信するなど、積極的な活用も進みつつあります。

 

また、スマートフォン向けを想定した動画広告商品の開発・提供が進み、アプリプロモーションに対する需要が増加していることから、動画広告市場全体に占めるスマートフォン比率は年々拡大を続けています。

 

この他にもユーザ側の変化として、通信キャリアによる大容量データ通信プランの供給提供や無料Wifiスポットの増加、可処分時間の分散などが動画を閲覧する環境に大きく影響を及ぼしています。そのため、2017年のスマートフォン動画広告需要は、前年対比190%の成長を遂げ、1,096億円に拡大し、動画広告市場全体の約8割を占めると予測されていました。

 

ただ、動画広告の市場データであり、動画に関するコンテンツ制作、メディア制作、MA、BI領域などは含まれておりませんので、動画マーケティングの市場規模はこれよりも大きいと考えられますし、前述の領域の一部を動画が置き換えていくといった変化も起きてくると考えられます。
個人的には今後は動画広告だけではなく近しい領域への動画活用の広がりに注目していきたいと考えています。

 

最も好まれているコンテンツの種類は「動画」

HubSpotのコンテンツ消費トレンドに関する調査によると、人々が最もじっくり視聴・閲覧するコンテンツとして、動画が1位に挙げられました。
SNS投稿、ニュース記事がそれに続いています。
日々、大量のコンテンツが消費される今の時代、人々の注意を引き付けることが年々難しくなっていますが、動画にはその点においても優位性があると捉えることができます。

 

 

 

動画はエンゲージメントを高める手段として有効

NewsWhip社がFacebook上に投稿されているニュース系・情報系メディアからのコンテンツについて分析しています。
その結果、Webページ上の記事へと誘導するリンク投稿型のコンテンツに対するエンゲージメント(いいね、シェア、コメント等)が減少する一方で、動画コンテンツに対するエンゲージメント獲得数は増加傾向にあることが明らかになりました。

 

 

コンテンツの拡充、滞在時間の増加をメリットと考えるプラットフォーマーは、動画のパブリッシャーが配信しやすくなるような仕様変更を行い、制作・配信を行うプレイヤーを増やすことによって、ユーザが動画へ接触する回数が増えていく傾向が生まれており、通常のテキスト+画像の投稿よりもリーチやクリック率などの数値が高く出る傾向にあることも当社実績として確認ができています。

 

一方で、ただ動画を配信するだけではなく、ユーザのためになる、ユーザごと化した動画を配信することが今後は重要になってくるとも考えております。こちらについては今後のコラムでお話ししたいと思います。

 

動画単体の価値

なぜ、現在マーケティングにおいて動画が高い注目を得ているのか。テキストや画像データにはない、動画ならではの性質を解説します。

 

・情報を整理して正確に伝えることができる

動画は、伝えたいメッセージを効率よく伝えることができます。一説によると、1分間の動画には180万単語と同等の情報量があるそうです。
また、人間は動きだけでなくビジュアルにも素早く反応する性質を持ち、およそ0.1秒で画像の内容を認識できます。これらの効果により、複雑な内容でも短時間でわかりやすく伝達することが可能になり、視聴者とスムーズにコミュニケーションを行うことが可能です。

 

・感情に訴求することができる

人間には、他人の行動をあたかも自分の行動かのように認識し、その行動に伴う感情を自分の脳内でシミュレーションするという性質があります。この性質を利用し、動画を介して脳内でシミュレーションさせることで、視聴者とブランドの間に感情的なつながりを生み出すことが可能です。
感情は人間の選択や行動に大きな影響を与えるため、動画はマーケティングにおいて絶大な効果を発揮します。

 

・記憶に残すことができる

文字による記憶の定着率が10%であるのに対し、動画を通して記憶することで定着率は倍の20%にまで高まります。これは、動画の内容とその時の感情を一緒に記憶するためであり、それによって記憶の変容が起こりにくく、長期的に定着しやすいからです。

 

このように、動画を取り巻く環境は日々成長・変化をしています。動画そのものの良さを十分に理解しつつ、動画マーケティングを実施していく必要があると考えています。

 

次回は、ユーザ行動の変化、トリプルメディア理論の変化について書いていきたいと思います。

 

【マーケターの企みアーカイブ】
Vol.49 麓 俊介さん|「プロダクトアウトではなく、マーケットイン」

 

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