女性抑圧の歴史から女性活躍の未来へ… 女性の社会的立場の“メタファー感”が胸アツな生理用品CSR

笹山 真琴

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PRプランナー、コンテンツプランナー、プロダクトプランナー、イベントプランナー、コピーライター、コラムニスト。美容製品、食品、消費財を中心としたマーケティングプランニングやベンチャービジネスコンサルテーションに従事。

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女性抑圧の歴史から女性活躍の未来へ…
女性の社会的立場の“メタファー感”が胸アツな生理用品CSR

 

どうも、お久しぶりです!笹山です。

本業のいろいろな広報企画に追われていたら、だいぶお日にちがあいてしまいました。

今日は、最近久々にマーケターとして「おっ♡ここ気になる!」と思った、生理用品CSRのお話しでございます。

 

生理用・排泄用紙製品の世界的ブランドのPRをお手伝いした経験もあり、海外のドラッグストアでは必ずといっていいほど、おむつやナプキンをまじまじとチェックしてしまいます。先日赴いたマレーシアでは、ほんとうにおむつスタイルの!でも乙女用のフルパンツ型のナプキン(デカすぎて1箱に2個とかしか入ってない)を見つけて「こりゃいい!しかし、逆にがばがばしすぎてモレるのか!?」と試用したくなり即購入。安心してください、快適でした。

 

ただ本当に就寝時限定ですね。こういう合理的(!?なのか?)かつ傍目を気にしない思い切りのよいプロダクト、ぜひ日本でもリピ購入したいですが、こういう突き抜けた合理的製品が意外とウケないのが日本市場だよな~、なんて思ったりしてました。(また行ったらまとめ買いしよーっと)

 

生理用ナプキンて、性能とか、通気性とか、触れ心地とか、「ビニールっぽいのが好き」、「脱脂綿っぽいのが好き」、とかいろいろ個人的な嗜好があるっちゃある商品だと思います。とはいえ、かなり“コモディティ化した”商品分野ともいえて。(だってどれもこれも既にまぁまぁ高機能ですし)

 

それはもう、“痔の悩みのない人のトイレットペーパー選び”みたいな感じで手に取るわけですよ、安くて遜色ないほう、みたいな。

 

しかし最近、仲良しの女性起業家から、生理用品のサブスクリプションサービス『Cora』の話を聞いて、「WOW!」と思ったわけです。

 

出典:Cora公式サイト https://cora.life/

 

なにこのオシャンなデザイン…
モノトーン×GOLDって、

 

「M・O・D・E!」みたいな。

 

『Cora』は米国のフォーブスの2017年「30 アンダー30」(30歳未満の重要人物)の小売・Eコマース部門に選出されたモリー・ヘイワード氏が2015年に共同創業した企業。

 

生理用タンポンのサブスクリプションモデル、いわゆる毎月毎月送られてくる、昭和の頃からの千趣会さんみたいなビジネスモデルですね。女性用品や月経トラッキングアプリに代表されるようなサービスをネットを介して提供していく「フェムテック」分野の牽引企業ですね。

 

余談ですが、「フェムテック分野に投資が集まりにくい。ぜなら、投資家の9割が男性だから」という記事を非常によく目にしました。生理の煩わしさや体調の不安定に男性は共感できないからですかね~、ちゃんちゃん。な、かんじでまとめられてますけど、消費行動の決断の多くを握る女性消費者への共感ができない、想像してみたりもしない、って、それまずもってビジネスマンとして終わってねーか?とか思ったりますが。お家で三国志でも読んでて欲しいですね。

 

『Cora』にお話を戻しますと、生理って、そういや!
「月のモノ”だわ、毎月買うわ! なんなら買い忘れて「アチャー」と思って、帰って服着替えちゃったのに改めてジャージに着替えて夜中にコンビニ行くわ」という、サブスクモデルがまさに「Fit!!」なプロダクトだったわけですね。定期的に購入される消費財とサブスクリプションビジネスは好相性なワケです。そこに気づくのがやはり才女起業家ですねってことですね。

 

『Cora』のサービスは、月額8〜16ドルでタンポンの入ったボックスが毎月届き、料金は生理の期間や、出血量によって異なるそうです。
タンポンは装着用のアプリケーター付きとアプリケーターなしの2種類から選ぶことができ、ライナーや体拭きシートなどのオプショングッズも。もちろん原材料にはフェアトレード取引のオーガニックコットンのみ使用だというから、意識の高い女性たちにはグッときますね♡

 

またMODEなブラックアンドホワイトのデザインも「なんで生理用品だからって全部可愛く薄ピンクにせなあかんのじゃワレッ!」ということであえてシックでファッショナブルにしたそう。ここにも、「生理」という女性を不自由に縛る事象を“恥じる”心理を払拭したいという想いが込められているということ。

 

確かに。こんなエストネーションとかで売ってそうなデザインだったら素手でトイレまで堂々と持ち歩けそうですね!?

 

生理用品ビジネスで女性をエンパワーメントしたいという思想は、ビジネスモデルにも強く反映されており、同社はケニアやインドの女性支援団体と連携し、ボックスが一つ購入される度に金銭的支援や生理用品の寄付を各所へ行なっているといいます。

 

それ以外にも、米国内の女性支援NPOと連携、DV被害女性や性被害を受けた女性、低所得者層の女性を積極的に雇用し、職業トレーニングも実施しているといいます。
なんと、商品購入者の消費税も負担してあげているというので、全方位的に生理に煩わされる女性救済のために、まさに“やれること全部やる”式で潔し。

 

そしてそんな活動に賛同してるよ!っていうスタンスを表現できる、ゴールドキラッキラ☆のタンポンケースネックレスなんかも販売。

 

『Cora』のタンポンケースネックレス。出典:Cora 公式サイト https://cora.life/

 

生理用品×テクノロジーと、ファッションと…

 

生理用品が“ピンクで可愛いく恥じらう日陰者”から一転、テクノロジーという知性と、BLING BLINGでBLACK&GOLDなファッション性を兼ね備えたプロダクトとして生まれ変わったというこの過程こそが、まさに女性の地位と生活レベルの向上の過程のメタファーになっているんですね♡

 

残念ながら日本ではまだ『Cora』のプロダクトを購入できないですが、日本の女性にもこの生理用品メタファーは響くな、と実感する事例が。

 

今年の10月に大王製紙の生理用ナプキン「エリス コンパクトガード」のCSRがすごくバズりました。

 

SNSに「#ハートサポート2018」とタグ付けして投稿するか、ないしは、その投稿に「いいね!」するかで、購入条件なく参加できるキャンペーンで、「いいね!」の数だけ、アフリカ、ケニアにある東アフリカ最大のスラム街といわれるキベラ地方の女の子たちに生理用ナプキンを送るという活動です。

 

ハートサポート2018 キャンペーンページより
出典:大王製紙 コンパクトガード ハートサポート2018 https://www.elleair.jp/hs/

 

キベラの女の子たちは、生理用ナプキンの代わりに古い布や、泥なんかを使うような子もいるらしく、当たり前ですが不衛生なために感染症や炎症の脅威もあるわけです。
また、固定できない布を下着に挟むわけですから、まともに歩くこともできず、授業中に経血が漏れてしまっていじめられたという子もいるそうで…想像するだけで涙が出ますね。
生理期間中は学校にも行けず、教育機会を奪われてしまう子も少なくないわけです。

 

そんな状況なのに!「生理用ナプキンがあればお母さんの手伝いもできる」(大王製紙ハードサポート公式ページのコメントより)とか言うんですよっ!?号泣です。

 

こういった現状を、ジャーナリズムを通して知ることもできますが、一企業がCSR活動のテーマとして告知して、広く拡散を呼び掛けることも、非常に大きな全世界・全人類の最適化に寄与するアクションだと思うわけです、大袈裟でなく。

 

100万枚目標(獲得「いいね!」100万回、っていうことですね)で開始したそうですが、瞬く間に突破しちゃったものだから急遽200万枚まで目標を変更して、それも2週間足らずで到達してしまったというから、日本女子たちも「愛」がありますね♡

 

ちょっとした知性を感じる女性支援感と、「♡♡♡」(!?)な“なんか可愛い”世界観は、SNSでも拡散力を持ついわゆるリア充女子にも親和性が高かったようで、ラブリさんや大屋夏南さんといったすごいクラスの人気モデルさんも「♡」をモチーフにした可愛い投稿をしていて、より大きなムーブメントになっていましたね。

 

ハートモチーフというお題がいわゆる“映え”との相性がよかったというのも勝因かな、と。

 

前述のように“コモディティ化”した製品にこそ、CSRって非常に有効ですよね!を見せつけられる事例でもありました。「どうせ買うならあのハートのやつ」って思いますし。

 

加えてお見事だったのが、きちんと象徴的な「♡」デザインをあしらったパッケージへのリニューアルにあてて、この施策を実施できていることですね。

 

女子が一番好きなモチーフ、めっぽう覚えやすい、古代文字から存在したといわれるアイコン「♡」で、きちんとキャンペーンとプロダクトを首尾一貫してつないでいたのが、ブラボーと思いました。
壮大なCSRをすればするほど意外と皆さんチグハグになっちゃってやりきれないところと思います。

 

あのハートのキャンペーンのやつ、って思ってもらえますでしょ?

 

出典:大王製紙 コンパクトガード ハートサポート2018 https://www.elleair.jp/hs/

 

ぼんやりCSRやるだけじゃダメなんです。

「あのキャンペーンってなんの商品のキャンペーンか忘れたな」ってなった瞬間、CSRはブランド力向上や売上に寄与しないままで終わります。(結構ありますよね…)

 

論理性と、「やっぱ女子は♡っしょ、可愛いし。Think simple」という、マーケターさんの霊的なセンスと消費者女性の愛のケミストリーを感じる、よきキャンペーンだったと思います。

 

と、いうことで、コモディティ化プロダクトにこそ、愛と潔さを!

 

そして、これからも生理用品を“目を♡”にしてウォッチし続けたいと思います♡

 

以上、またお日にちあけずにお会いしましょう♡

 

 

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