インフルエンサーマーケティングの本質に立ち返る

三木 佑太

三木 佑太 [記事一覧]

株式会社サイバー・バズ広告メディア事業部 執行役員。 1987年、大阪府出身。2010年サイバーエージェント入社後、 サイバー・バズへ出向。2014年局長に就任し、サイバー・バズで 受注した案件のプランニングの約8割以上を手がけている。2016年広告メディア事業部 執行役員に就任。LINEやAntennaとの 定期的な合同セミナーや総合広告代理店と共同で大型案件にも携わる。共著「クチコミデザイン」を2014年に出版。

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「クチコミデザインで変わるコミュニケーション2」

Vol.11 インフルエンサーマーケティングの本質に立ち返る

 

こんにちは。三木です。
今回は近年ますます市場規模が拡大しているインフルエンサーマーケティングの中での、「インフルエンサーの役割」について考察していきます。

 

ここ数年YouTube、Instagramを中心としたインフルエンサー市場は拡大しています。ただ、流行りのように「インフルエンサーマーケティング」という言葉が使われ始める中で、プロモーション全体の中の一施策であるという点や、期待できる効果など、考え方として本質からズレないようすべきです。過度な期待も多くありますので、改めて整理をしてみます。
※参考:国内YouTuber市場規模推計・予測/ https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=21279

 

1. インフルエンサーマーケティングへの期待

 

上記記載の通り、インフルエンサー市場は拡大しています。発信するメディアはYouTube、InstagramはもちろんTwitterやTikTokなど多岐にわたっています。
ファンを持っているインフルエンサーから情報発信してもらうことで、フォロワー(ファン)にリーチしたり、企業からの発信ではなかなか伝わらないことを伝えることができるなど、効果的なアプローチが可能である一方で、最近効果に対して誤解されている印象もあります。

 

注意したいのは、あくまでインフルエンサー起用は施策の一つなので、起用するだけで急激に商品が売れたり、クチコミ数が急増することばかりではありません。時としてそのような事例もありますが、当たり前ですが、すべての商品・サービスに当てはまるわけではありません。

 

よくある認識相違としてあるのが、リーチに関する誤りです。
例えば「20代女性」に情報を届けたいと考え、5人~10人くらいのインフルエンサーの起用した施策のみで、全てのターゲット層にリーチしようと考えている場合です。20代女性は日本国内で608万人(総務省統計局人口推移参照)います。それに対してフォロワー数10万人のインフルエンサーを5名起用すると、単純計算して50万フォロワーに対するリーチになります。

 

さらにはフォロワーのかぶりや、表示をスルーする人など諸々の条件を考えると50万人以下へのリーチになります。はたして608万人の20代女性に届けるために、上記施策で役割を果たせているでしょうか?
答えはNOです。影響力の高いインフルエンサーのリーチとはいえ、50万人へのリーチが自然と608万人に届いていくわけではありません。

 

大切なのは、届けたい相手をさらに絞り込み、的確な届けたい相手を決めることです。または、起用するインフルエンサーを増やすことを検討する、またはリーチ力のあるインフルエンサーを起用する、判断をする必要があります。

 

またもう1歩踏み込んで考えると、1回の接点でのリーチはあくまで接触になるので、商品の理解や購買促進という観点では、それだけでは不十分になることが多いです。
テレビやネット広告では当たり前に考えられているフリークエンシーの設計は、インフルエンサー施策においてももちろん必要です。他のプロモーション施策との組み合わせで、リーチの役割分担や補完をすることもあるので、一概に上記が当てはまるわけではないですが、一度本質に立ち返り再考してみると気づきがあるのではないでしょうか。

 

 

2. 企業とインフルエンサーで共に「コンテンツ」を創り出す

 

最近、クライアントからインフルエンサー施策を実施する際、求められることが増えているのは良い「コンテンツ」です。
単純にリーチの高いインフルエンサーに情報を届けて、効率よく消費者に届けるだけではなく、インフルエンサーならではのテキスト・画像・動画を駆使することでのコンテンツ化を要望する声が増えています。

 

インフルエンサーは、日々の投稿やフォロワーとのコミュニケーションを積み重ねた結果、「この人がおすすめしているから」「この人の体験だから」というようにフォロワー(ファン)からの信頼を得ることができており、深いつながりがつくられ支持されています。その中で、企業が伝えたいことをただ代弁するだけでは、質の高いコンテンツになることは少なく、フォロワーは満足しません。
フォロワーはあくまで、そのインフルエンサーへの「らしさ」を期待しているので、そこに企業色をいれすぎると、ただの媒体となってしまいます。

 

質の高いコンテンツを創るには、企業とインフルエンサーが「一緒にコンテンツを創る」という意識を持つ必要があります。そうなると短期(スポット)施策でできることは限られており、企業とインフルエンサーの接点も短く、深い理解のないままの発信だけになってしまうことが多いです。

 

一緒にコンテンツを創るには、より長期的に、商品やサービスはもちろん、ブランドの成り立ちや大切にしてきたメッセージなどをインフルエンサーに知っていただく必要があります。またインフルエンサーが自然と多くの人に伝えたくなるようなコンセプトやキーワードの開発なども、企業側は考える必要があるかもしれません。

 

そうすることによりインフルエンサーらしい質の高い発信につながり、最終的には企業側の意図と合致した良質なコンテンツとなります。フォロワー(ファン)へも伝わりやすいコンテンツとなっていくわけです。

 

インフルエンサーマーケティングにおいては、この過程を飛ばし、良いところだけを実現するのは難しいです。
ソーシャルメディアの多様化やユーザー数の伸びからも、さらにインフルエンサー施策を検討する企業は多くなってくることが予想されますが、単に「流行りに乗る」という感覚ではなく、本質をとらえ、しっかりインフルエンサーと向き合って取り組むことが重要です。

 

 

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