MA(マーケティングオートメーション)ができること

塚本 あぐり

塚本 あぐり [記事一覧]

バリューコマース株式会社 D&Tソリューション本部 コンサルティングプランナー 首都大学東京卒。アカウントプランナーとしてアパレル、メーカー、 小売・流通など様々な業種のクライアントをコレまでに50社以上担当。マーケティングオートメーションツールR∞(アール・エイト)の機能開発ディレクションにも携わる。R∞を通じた支援において、導入後わずか半年で売上全体で152%押し上げた実績をもつ。 現在はWeb広告の集客の領域からCRM領域までを含めて、年商1000万円から数10億円規模など幅広い規模のEC事業者を対象に顧客・購買データを活用したコミュニケーショ ン施策の企画・設計・提案を通じたクライアントの売上貢献に力を注いでいる。(2016年7月より、アール・エイトはバリューコマースが提供しております)


Vol.2
「オートメーションなのに人が重要!?~MA(マーケティングオートメーション)選びのポイントとは~」

 

~「全て」自動化は大間違い!~

 

前回のコラムでは、「MAとは何か」について解説しました。

マーケターの間で、MAの導入が話題に上がりやすい昨今、皆さんは、MAの“真の効果”について、本当の意味で理解されていますでしょうか。第二回目の今回は、「MAは何ができるのか?何を自動化してくれるのか?」について解説していきます。MAがもたらす効果を正しく理解していただき、その上でMAを選ぶ際のポイントをご紹介していきます。

 

 

■MA≠魔法のツール

「MAを導入すれば、全て自動化してくれるよね?」

実際に提案している中で、お客様からよくこの質問をうけます。「オートメーション」という言葉のせいか、「MAとは、マーケティング活動の全ての工程を自動化でき、MAを導入すれば、ツールが自動的にキャンペーンを企画・設計・実行、効果検証まで行い、PDCAを回してくれる。その結果、自動的に売上が伸びる」と、MAを“魔法のツール”のように思っていらっしゃる方も少なくありません。MAにより、どの範囲まではツールの機能で対応できて、どの部分は人が介入しなければならないのか、自動化の範囲について明確に定義づけられていないので、確かにわかりづらいですね。

大前提として、「MA=マーケティング活動の全自動化」ではありません。MAが自動化してくれるのは、マーケティング活動の一部分にすぎません。

 

 

■MAによる自動化とその効果

では、MAはマーケティング活動のどの部分を自動化し、それによってどのような効果をもたらすのでしょうか。大きくBtoBとBtoCにわけて、マーケティングのフローを見ていきましょう。

≪BtoBの場合≫
BtoBの場合、顧客の対象が個人ではなく企業ですよね。
マーケティング施策を行う目的のひとつに、「獲得した見込み顧客の中からホットな顧客を抽出し、営業にパス、そして受注までの期間を短くしたり、受注確率を上げること」があります。

 

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対象が企業である以上、受注の意思決定に複数の人がかかわります。検討できるタイミングも決算期によって異なるでしょう。そのため、企業のニーズが顕在化したタイミングを見逃さず、適切なタイミングで最適なコミュニケーションをとることが重要になります。

 

≪BtoCの場合≫
これに対しBtoCは、まず顧客は一個人で、自社の商品・サービスを認知してもらうことから始まり、実際に購入してもらい、適切なコミュニケーションをとりながら優良顧客に育成(ロイヤル化)していくために施策を行います。BtoBと比較すると、購入の意思決定をする個人に直接コミュニケーションができ、かつ購入意思が流動的であることが大きな違いとなります。接触するタイミングもチャネルも豊富です。
今まではメールや広告、DMが主流でしたが、最近はスマホユーザーが増えたこともあり、アプリへのプッシュ通知やLINEなどのSNSを通じたコミュニケーションも活発になってきていますね。

 

 

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BtoB、BtoCの違いはあれど、マーケターは、施策を行う際の「誰に・どのタイミングで・どんな施策をするのか」といった企画から、対象となる顧客のリスト作成(条件による対象者の抽出)、施策実行、効果検証、施策自体の評価まで行わなければなりません。この一連のフローを、顧客ごとに設計して実行していければ最も効果に繋がりやすいのですが、運用と同時にそれを実行しようと思うと、現実的にかなり難しいです。

MAは先述した一連のマーケティングフローのうち、「手間がかかっている作業部分」を、ツールの機能で自動化してくれるものです。具体的には、リスト抽出・施策実行・効果検証の部分です。今まで、これらの作業に大幅に時間をとられていたマーケターにとっては、これだけでも大きなメリットに感じるでしょう。

また、「作業」を効率化することによって、マーケターはより「考える」、つまり企画(誰に・どのタイミングで・どんな施策をするのか)に時間を割くことができます。マーケティングは常に企画・施策実行・効果検証・評価というPDCAを回し続けることが大事ですから、ツールを利用することによって、このPDCAのサイクルを回すスピードを加速させ、施策の精度や成果を高めていくことができます。私はMAを利用する最大の効果は、この点だと考えています。

 

 

■MA選定のポイント①

~「MAで何を実現したいのか?」を考える~
逆に、MAが自動化できないのは、この“考える”部分になります。企画部分(戦略)には、必ず「人」が介在する必要があります。実は、MA選定の時、多くのマーケターが陥ってしまう落とし穴はココにあります。

MAを導入し、正しく運用フェーズに乗せるためには、「MAは、マーケティング活動の作業部分を自動化してくれるツールである」というMAの役割を正しく理解することが重要です。そうすることで、マーケターは作業者ではなく戦略家として、MAで何を実現したいのか、具体的には「誰に、どんな施策を行っていきたいのか」、という部分に注力していくことが出来るのです。
つまり自動化する部分と、「人」が介在しなければいけない重要な部分をよく理解することが重要です。

「MAを導入したい」というマーケターの方々の中には、この「人を介在させる」必要について、正しく認識されていないことが多いです。「MAを利用して何がしたいか」ではなく、「MAというツールを導入すること」自体が目的になってしまっているケースですね。そのため、導入した後に「何を運用すべきなのかわからない」「ツールの機能は豊富なのに、活用しきれない」といった事態に陥ってしまうのです。

中には、「MAを活用して何がしたいのか?」と聞かれてもすぐには答えが出てこない人もいるでしょう。その場合は、いま困っていること、解決したいことを考えてみてください。例えば、BtoBの企業の方であれば、「展示会等で一度接触した企業の潜在的だったニーズが顕在化したタイミングが分からない」、BtoCの企業の方であれば、「1回購入したユーザーがその後リピート購入してくれない」といった課題です。こういった課題を洗い出した後で、どうすればその課題が解決できるのか、を考えます。

一度接触した企業の潜在的だったニーズが顕在化したタイミングが分からないのであれば、接触した企業の名刺データとサイト内行動を紐づけて、例えば自社サイトの訪問回数把握したり、メールを送ってその反応率をみてニーズの顕在化を仮説立てできればいいはずです。
1回購入したユーザーがその後リピート購入してくれないのであれば、1回購入して、リピート購入していないユーザーのみを抽出して、購入を促すような販促活動(メール配信やDM送付)を行えるようになれば、購入までの距離が縮まりますよね。

解決策まで考えられれば、まずはその解決策を実行できる、つまり解決するための作業を自動化できるツールを選べば良いのです。先述の例でいえば、一度接触した顧客のリスト化や検討状況の管理、ユーザーの購入履歴の蓄積や履歴に応じた条件抽出ができることがツールの選定条件の一つになります。
MAを選定する際のポイントについては、次回でより詳しく解説していきます。

 

 

ポイント①MAで実現したいこと=解決したい課題を明確にする

まずは先述のポイントを軸に考えてください。

次回のコラムでは、MAの選定ポイントとして、今の課題を解決すること“だけ”でいいのか?について解説していきます。課題を解決して、その後施策をさらに展開させていくためには、ツールの拡張性も必要になります。「拡張性=単に機能が多いツール」を選べばいいのでしょうか?選定の際に気を付ける、確認すべきポイントをご紹介いたします。

 

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