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新たなテクノロジーとタッグを組む

安藤 祐輔 あんどう ゆうすけ さん (株)Socket 代表取締役

Part.3

 

■中国のECサイトからヒントを得て、チャットサービスをテスト導入。

 

大学在学中の起業を経て、健康関連商品の通販サイトを運営するケンコーコムに入社。ここでEコマースの知識を得た安藤さんがFlipdeskにつながるアイデアを経たのは、ケンコーコムの後に入った中国向けECサイトの進出支援会社「セールス・インチャイナ」でのことだった。

 

「中国の多くのECサイトには、チャット機能がついているんです。というのは、中国は配送網が当時まだ未熟で、偽物の出品によるトラブルも多くあったから。中国の人達には、買う前にチャットで価格や品質などさまざまなことを確認する文化があったんです。これは、日本でも使えるのではないか。そう思ったのが、Flipdeskを立ち上げる原点となったきっかけです

 

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 2012年に再び起業し、Socketを立ち上げた。当時、さまざまな仕事と並行して検討していたのが、EC向けのチャットサービスだった。

 

「日本でも上手くモノを探せない人に向けたチャットサービスを作り、ECサイトの離脱率を下げ、購買率を高めるお手伝いができるのではないか。そう考えて昨年5月、チャットをメイン機能として、大手ホームセンターチェーンのECサイトでテストマーケティングを行いました。

 

結果は『使った人はよく買ってくれる』というものでした。それなりの効果はあった。しかし誤算が、人件費。すべて人がマンツーマンで対応するため、人件費がかかる。そして日本人は商品に対して細やかに質問してくるため、採算が合いにくい」

 

 ひと月半ほどテストを行ったが、中国と日本の原価構造、そして人件費の違いもあり、チャット機能のみでは厳しいことがはっきりした。そこから3カ月をかけて、サービスを改良していった。

 

「例えば『こんな商品が入荷されましたが、どうですか?』といったポップアップ、バナーを出すなど、ウェブの中で無人で実現できる機能に徹することを決めました。そのため、まずはクライアントに細かくヒアリング。クライアントが何を求めているのか。CVRを上げることなのか、直帰率を下げたいのか、といったことから、再度すべてを見直していきました

 

そしてサイトのデータを分析。カスタマージャーニーを書いてサイト構成を考え直し、CVRの高かった過去のキャンペーン履歴もチェック。今につながる原型を作り、2014年9月、正式にローンチすることができました」

 

 

■Syn.ホールディングス傘下に入ったことの狙いとは?

 

 現在、大手通販会社や人気アパレルメーカーなど、多くのECサイトに導入されているFlipdesk。これまでの実績としてCVRは全体平均20~30%アップ。顧客単価も大きく上がり、離脱率は40%近く下がった例もある。そんな状況の中、Socketは今年9月30日、Syn.ホールディングス株式会社の連結子会社となった。Syn.ホールディングスは、KDDIのオープン領域における事業拡大を推進する会社。傘下にある各社をサービスの枠を超えて連携させることで、インターネットの世界からリアルの領域まであらゆる分野での事業拡大・新規事業の創出を目指す。

 

「Syn.ホールディングスという会社のコンセプトは、インターネットの世界からリアルの領域まで、点在するあらゆるサービスをつなげていくこと。今回のお話は、そのコンセプトと僕らの機能や求めていることがぴったりと合った結果で、相性がすごくいいと感じました

 

また一昨年、スマホ広告配信を手がけるスケールアウトさんがKDDIグループに仲間入りし、現在大きく成長しています(※スケールアウトは同じくKDDIグループのnanapi、ビットセラーの2社とこの11月1日に合併し、Supershipとして新たなスタートを切った)。KDDIと連携して精度の高いデータを有効利用できる。それが、躍進の背景にあったと思います」

 

 Flipdeskでは、ECサイト内に埋めたタグが訪問者の行動を解析。どこから来たか、何回目の訪問か、年齢や性別、といったデータを把握し、ユーザーをターゲティング。その上でお勧め商品のレコメンドやクーポンを出すなどの接客サービスを行う。Supershipと連携して精度の高いデータを活用できれば、精度の高い、よりパーソナライズされた接客を行うことができるはずだ。

 

ソウ・エクスペリエンス様 導入事例
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東急モールズデベロップメント様 導入事例
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「確かに、ウェブにはたくさんのデータが存在する。でもその中には、役に立たないゴミデータも多く、本当に価値のあるものは少ない。そこでSyn.ホールディングスの傘下に入ることで、Supershipとの連携により、より精度の高いデータを活用。Flipdeskをワンランク上のサービスに進化させたい。

 

今、ウェブマーケティングのテクノロジーはすごい勢いで発達しています。Syn.ホールディングス傘下で新たなテクノロジーとタッグを組み、さらに質の高い商品開発を行っていくつもりです

 

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 最終回となるPart.4では、安藤さんの考えるマーケティング、そして今後について話を聞いていく。


プロフィール
安藤 祐輔

安藤 祐輔 あんどう ゆうすけ

(株)Socket 代表取締役

1981年7月10日長崎県生まれ。東京都出身。高校卒業後に消防士となり、東京消防庁三鷹消防署に3年間勤務後、筑波大入学。体育専門学群4年次に人材紹介会社を立ち上げる。事業売却後、2009年に入社したケンコーコムでマーケティングを手がけ、Eコマースに関する知識を得る。2012年11月に株式会社Socketを立ち上げ。2014年にFlipdeskをローンチ。

※ 会社、役職、年齢など、記事内容は全て取材時のものです

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