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多くの人が夢や目標に向かい、100%で走れる世の中に
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多くの人が夢や目標に向かい、100%で走れる世の中に
冨田さんはウェブマーケティングを、インターネット上での営業活動だと捉えている。中でも今、注力しているのがネイティブアド。冨田さんはネイティブアドの大きな可能性について、こう語る。
「かつては『ウェブ上で営業はできない』と言われていました。でも今、ウェブ上で営業ができる時代が来たと、私は思っています。コンテンツマーケティングはその方法の一つ。中でもネイティブアドは、ネット上の最強の営業マンだと私は考えています。
ネイティブアドは、いわゆる記事広告とは違います。記事広告は、いわばプロダクトセールス。正直、最初から明らかに記事広告とわかるコンテンツは、冒頭の部分を読んだだけで冷めてしまいますよね。
それに対し、僕らが展開するネイティブアドはコンサルティングセールス。今の世の中で、まさに必要なものです。要はクライアントさんの課題は何なのか。それを現在の状況と照らし合わせ、解決していくこと。そして優良なコンテンツの中で商品やサービスをソリューションとしてPRし、興味を持った人をそれぞれのサービスへと誘導する。それが、私達が行っているネイティブアドを活用したマーケティングビジネスの仕組みです。
ゆえに私達は、ネイティブアドをフラットな立場で作ることにこだわっています。クライアントさんから言われた通りのことを書くだけでは、単なる記事広告。でもネイティブアドは、私達が私達のやり方で作るもの。そこが大きな違いです。
そのため記事制作においては、クライアントさんには僕らの考えた構成に必ず従っていただきます。私達がクライアントさんの利点を凝視し、それを正しく落とし込んで記事にするわけです。もちろん細かい表現の修正などには応じますし、書かないでほしい、と要請されたことは記載しませんが、そういった作り方をするのがネイティブアドだと私達は考えています。
ネイティブアドは私達にとって、ネット上の営業マン。今は金融も不動産も、多くの営業マンがいます。なぜなら、彼らがいないと売れないから。でも私達は、ネイティブアドでいくらでも営業活動はできると思っています。ニーズを喚起させ、潜在層を顕在層にする。そして彼らを実際にコンバージョンさせる。そこまでの流れがマーケティングだと私は思いますし、その点はリアルな営業と何も変わらないと思っています」
■目標を達成するために、”ウォールストリートをぶっ壊す”。
ZUUが現在手がけているのは、コンテンツマーティングをベースとした送客ビジネス。今後はそれに加え、かねてから構想を持ち続けている資産アドバイザーと顧客のマッチング事業のプラットフォーム作りに、さらに注力していく。
「今、日本には銀行、証券、保険、不動産、信託そして税務といったジャンルの、いわゆるお金の専門家が約100万人います。彼らはどのように営業を行っているのか。例えば飛び込みやテレアポなどハードな活動をしたり、紹介営業でいろいろな所を回っている。そして、特に好きでもない交流会に出たりゴルフに行ったりして、人的なつながりを作っている。それが現状です。正直、このやり方は、時間もコストも労力も非常にかかります。
正直、営業スキルとお金の専門家としての知識は、まったく別ものです。でも営業活動では、営業スキルだけが試される。本来、彼らは専門家としての活動に集中すべき。でもそうもいかず、例えば営業7割、専門家としての活動3割、といった形になる。でも私達のプラットフォームを利用していただけば、お客さんは自動的に自分の所に来るようになり、お金の専門家としての活動に専念できる。要は営業いらずになる。
その一方、私達がターゲットにしている資産3000万円以上を保有する層は約1000万人。彼らはどのように資産を管理するのか。たいていは銀行や保険会社の窓口に行ったり、飛び込みやテレアポで来た担当者と出会い、おつき合いを始めます。でも、例えば都市銀行ならば、担当は1年目の女性だったりする。その良し悪しは別として、経験が薄いのは確かです。
彼らがいい担当者と出会うきっかけは、紹介ぐらいしかない。担当者を選ぶ機会がないから、仕方なく、身近な人とつき合っているわけです。私達はそれを、私達のプラットフォームを通じて比較し、選べるようにしたい。
もし顧客が自分で担当者選べるとすると、何が起こるか。まず、ネット上で専門家が評価されることで、彼らの競争は激しくなります。すると彼らの手数料は下がり、逆に提案レベルは上がるわけです。この状況を作るためのプラットフォーム。それを築き上げるのが私達のこれからの仕事です」
そして冨田さんが目指すのは、お金をもっと身近な、前向きに考えられる存在へと変えること、それにより、ZUUを2038年に、時価総額100兆円の圧倒的な世界一の企業とすることを目指す。
「現在はSNSなど、さまざまな人と人とのコミュニケーションツールが生まれている。そしてモノについても、Eコマースが発達してきました。でも、お金に関するテクノロジーの進化はまだまだ途上です。もっともっとお金を身近に捉え、前向きに考えることのできる世の中にしていきたいと思っています。
お金を前向きに考えると、一人一人が投資をしたり保険をかけたりすることで、多くのお金が循環し始めます。すると、新たな人達にお金が行き渡り、彼らが新しいチャレンジをするようになる。そして自分自身がさらにお金を前向きに考え、さらにお金を有効活用する。それにより、さらにお金が戻ってくる。そういった循環が生まれるのです。
例えばクラウドファンディングの盛り上がりは、その非常にいい例だと思います。私達は、お金が循環することによって、多くの人達が夢や目標に対して100%で走れる世の中を作りたい。私達自身もそこからリターンを得て、さらに高い目標に向かって邁進していく。そして、南極の氷がすべて溶け落ちるほどの熱い世界を作りたい。
私達には合言葉があります。それは"Disrupt Wall Street(ウォールストリートをぶっ壊す)"。時価総額100兆円を達成するためには、ウォールストリートを粉々にしなきゃいけない。つまり、今の仕組みをすべてひっくり返さないとダメなんです。ニューヨークにオフィスを構えることも含め、そのための準備を、これからさらに進めていきます」
23年後の果てしなく大きな目標を見すえ、冨田さんのチャレンジは続く。
(終わり)