ダサいコピーは社長作!?

堂下 ナツコ [記事一覧]

職業:外資系中堅フードチェーンCMO。一言:マーケターになりたい、とも、マーケティングの仕事をしよう、とも思ったことがないはずなのに、気が付けば15年間、時にエージェンシーで、時に事業会社で、「マーケティング」に携わり、さまざまな企業の「マーケティング部」と関わってきました。 経歴:国内大手情報出版社 / 戦略的Webベンチャー / 外資系広告代理店 / 世界最大手ファーストフードチェーン

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Vol.7
堂下ナツ子のマーケター相談室 その2

「自覚なきCMOが思う<ニッポン【究極】のマーケティング部!>」

 

これまで編集部に寄せられた質問、相談に、堂下ナツ子がお答えします。

Q. 「BtoB向けのITソリューションを提供している会社です。製品紹介のコピーがダサいんですが、それはすべて社長が作ったものなんです。外部のコピーライターに頼みたいのですが、社長自ら作ったコピーを変えていいのでしょうか?」(ITソリューション マーケティング課長 女性 39歳)

A. 私は社長になったことがないので正確なことは言えませんが、社長がマーケティングの現場に手をだしたがる時は、「製品にはある程度自信があるが、業績に対して社長自身が不満を感じている時」だと思われます。つまり「見せ方が悪いから売れないんじゃないか。モノはいいのに。」と社長が思ってる時、ということですね。

ここで不思議なことは、「だから俺が見せ方を変える。」と社長が思ってしまうことです。「そのほうが(代理店に頼むより)お金もかからなくて、(メンバーに任せるよりも)いいものができる」と、なぜか思ってしまうのが「社長」という生き物なんですね。

この思考回路は、髪を切ったら一度か二度、「あらやだ、吉永小百合みたいじゃない!」と言われたので、次回からは吉永小百合さんの写真をもって美容院にいき、「こんな髪型にしてください。私、小百合ちゃんと同じ年なんですよーやだわー」というおばちゃんと、少し似ています。

この時点でおばちゃんが期待していることは、自分にこの髪型が似合うか似合わないか、ではなく、そもそも自分が吉永小百合に似てるか似てないか、でもなく、「私がこの髪型にしたら、吉永小百合のようになるんだ」ということなわけです。

さて。この理不尽な期待を一身に背負う美容師さんがとるべき行動はなんでしょう?

1. わかりました!と言って、そのまま小百合さんの髪型にしてあげて、結果として「そのままやったら似合わないんだ」ということをおばちゃんに認識させる。

2. 「あ~小百合さんより奥様のほうがお肌の色が白いので、もう少し長いほうがお似合いだと思います」と、ほめて具体的な代替案を提示する。

3. わかりました!と言って、そのまま小百合さんの髪型にはせず、より似合う髪型にしてしまう。

考えてみてください。

ここはあなたが「バカ」になって1でいってみる?
あなたが口もうまく、自信があるなら2でいけるかも?
あなたが熟練した実力者なら3がおすすめ?

髪をきるのはおばちゃんではないのです。
「結局、髪を切るのは美容師さん」であることを忘れなければ、ベストな対応が見つかるでしょう。

 

 

編集部より ◇ 

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