Eコマースは時代遅れ!?次世代型モバイルコマースの実態

内田 洋子

内田 洋子 [記事一覧]

NewEdge PR LLC 代表(兼:ロイヤルアドバータイジング・ニューヨーク支部代表)、Teezler創設者、JinJour編集長。海外市場向けマーケター&新サービス企画・プロデューサー。 神奈川県藤沢市生まれ。15歳で留学のため単身渡米して以来、長い間現地で培ったアメリカ人の考え方やものの見方を活かし、ニューヨークで数々のマーケティングプロジェクトに携る。 2014年に日本の良いモノを海外に広めるためニューエッジPR社を設立。 現在はニューヨークで主に海外市場向けのEC・デジタル戦略やメディアプロジェクト、新サービスのプロデュース事業を展開中。(写真:ブロードウェイにて)


Vol.4
「ニューヨーク発!マーケ最新事情」

 

「モバイル・ゲドン」と「モバイル・ショッパー」

 

グーグルが先月行ったアルゴリズムの変更「モバイル・ゲドン」。これはモバイル対応がされていないウェブの検索結果の順位が下降し、モバイル対応がされているウェブが優先されるという内容でしたが、デジタル界ではモバイルありきの時代にシフトした象徴的なイベントとして話題となりました。

 

ここ数年、アメリカではモバイルショッピングの動向もスマホやタブレットによる売上総額が2011年から2014年で三倍増しと、モバイル端末を使いショッピングをする「モバイル・ショッパー」が年々増えてきています。最近のグーグルのデータによると、消費者は平均15時間以上モバイルやアプリ等で購買前のリサーチを行い、うち約55%が今すぐにでも欲しい購買欲の高い人で、83%が24時間以内に購入を考えている人たちという事も分かっています。

 

スマホ対応やアプリ化がされているウェブは「モバイル・ショッパー」のような購買欲の高い人たちにリーチが可能となる一方、そうでないウェブは、もはや売上やビジネスの低迷に陥る可能性も出てくるといっても過言ではありません。

 

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(アメリカ近年のモバイルショッピング動向)

 

 

リアル店舗内で急増中の「ながらショッパー」

 

ウォールストリートジャーナルの記事によると、ホリデー期のリアル店舗内の売上が2010年から2013年の間で380億ドル(約4兆円)から170億ドル(約2兆円)に減少する一方、リテール総売上価格が6810億ドル(約70兆円)から7830億ドル(約80兆円)に上昇している事が分かります。グーグルのデータによると、これはリアル店舗内でショッピングをする人のうち約84%が、モバイルやスマホを使いながらショッピングをする「ながらショッパー」であると判明。この「ながらショッパー」の急増が、実店舗内の売上低迷の主な要因であるという事が分かります。

 

このように、近年アメリカの小売・リテール業界では実店舗内外、デジタルやリアルを問わずさまざまな手段やタッチポイント(接点)を使いショッピングしたり、ものを売ったりする「オムニ・チャネル化」が急速に進んいます。

 

そこで今回は「モバイル・ファースト」(モバイルを中心にデザインしたツール)のショッピングアプリとしてニューヨークで人気が高まるボックスド・ドットコム(Boxed.com)の創設者兼代表のチェ氏に最近のモバイルコマースの実態についてお話を伺いました。

 

(Boxed.com :フェイスブックより)
(Boxed.com :フェイスブックより)

 

 

【プロフィール】 チェ・ファン(Chieh Huang

フォーブス誌の「今一番注目したいスタートアップ(Most Exciting Startups)」として名を挙げられた、ボックスド・ドットコム(Boxed.com)の創設者兼代表(CEO)。ソーシャルゲームで知られるジンガ社で#1ヒットゲームを世に送り出した元モバイル・ディレクターの経歴や、DeNAも一部投資したアストロ・エイプ社(Astro Ape)の創設者としても知られる。ボックスド・ドットコム(Boxed.com)はアメリカ大手の「コストコ」や「BJ’s」などといったホールセール型のディスカウント・ショッピングをアプリ化し、会員費完全無料でホールセールショッピングを全米で展開している。

 

(Boxed.comの倉庫にて:CEOチェ・ファン氏)
Boxed.comの倉庫にて:CEOチェ・ファン氏

 

 

Q.なぜ「今」モバイル・ファーストなのでしょうか?

 

ユーザー(消費者)の最近の動向見ていると、モバイルが圧倒的に上昇傾向にあるからですね。ここ5~10年を見据えたとき、これからの時代はモバイルを中心的に物事が進んでいき、販売ツールや流通チャネルもいづれはモバイルにシフトしていく時代になると考えています。

 

Q.ECMC(モバイル・コマース)の違いや特徴は何でしょうか?

 

ウェブサイトがベースのEコマースはGoogleなどの検索エンジン上で見つけてもらったりする事が大切になるかと思いますが、モバイルアプリがベースのMコマースの場合、Word of Mouth(口コミ)がカギとなります。アプリをダウンロードしてもらい使ってもらうためには、広告やマーケティングに専念するよりも、まずはカスタマーエクスペリエンスを向上することを第一に考え、日々ツールを向上することにフォーカスしています。

 

Q.ツールをデザインする時、どのような点にこだわりましたか?

 

特に気を付けた点は、実店舗と同じような体験(エクスペリエンス)がモバイルでもできるように工夫した事ですね。実店舗でショッピングする際、商品棚からレジまでにたどり着く一連の流れを、よりスムーズにできるよう工夫しました。それから、単価が安い私たちのような小売業のビジネスを続けていくに必要な戦略にもこだわりました。モバイルユーザーは「欲しいモノだけ」を買う傾向があるため、1オーダーにつき10品目以上のお買い上げを狙う工夫をしたりと、ビジネス的に見たときに、より平均オーダー価格(AOV)が向上するような工夫をしました。

 

 

(ショッピングよりもファミリータイムを楽しむ子供たち:フェイスブックより)
(ショッピングよりもファミリータイムを楽しむ子供たち:フェイスブックより)

 

 

Q.いろんなスタートアップに関わり、成功させたヒケツとは何でしょうか!?

 

そうですね、成功の定義は人それぞれ違うので、まずは自分の中で「成功」の定義をしっかり持つことから始まるかと思います。そして、他人とは比べず、自分の物差しを使って前進する事ですね!そして一日一日をしっかりと着実に前に進むために過ごし、継続・やり続ける事が、成功に近づく第一歩になるかと思います。

 

なるほど、とても勉強になりました。有難うございました!

Thank you Chieh!

 

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