オムニチャネル実現に必要な「両輪」とは~株式会社メガネスーパーの場合~

永田 龍史 [記事一覧]

株式会社Socket運用コンサルタント。2010年にモバイル広告代理店に新卒で入社。メディアプランナーとして出稿額が3,000万円/月だったクライアントを1.5億円/月の出稿規模まで成長させた実績をもつ。 2015年、これまでやってきた「集客」ではなく「接客」に強い興味を惹かれ、Socketにジョイン。 SocketではWEB接客ツールであるFlipdeskの運用コンサルタントとして、大手カタログ通販サイトや大手人材系企業、コスメECなどのクライアントと二人三脚で導入効果最大化に取り組み、サイトのCVRを最大140%まで改善させることに成功。同時に、運用コンサルタントチームのマネジメント、Flipdeskの開発ディレクションにも力を注いでいる。

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Vol.4
「WEBの『おもてなし』について本気だして考えてみた」

 

オムニチャネル実現に必要な「両輪」とは~株式会社メガネスーパーの場合~
前回のコラムでは株式会社メガネスーパーの川添様にWEB接客ツールを導入頂いた事例をインタビューさせて頂きました。
その中でオムニチャネル戦略について示唆に富んだ内容をお伺いできたので、本コラムにまとめていきます。
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株式会社メガネスーパー
店舗運営本部 EC・WEBグループ
ジェネラルマネジャー
川添 隆氏

 

◆経歴
新卒でアパレルブランドの株式会社サンエー・インターナショナルに総合職として入社。
1年目に店頭での仕事の楽しさを学びつつ、インターネット業界の盛り上がりを感じるWEB2.0の時代に、当時まだサイバーエージェントグループ傘下だったクラウンジュエルに転職。
まだ創業一年目だったので幅広い業務に携わり、商品コメント、ブランド中古服のバイイングからメルマガ、プレスリリース執筆、新アパレルブランドの卸営業、ビジネスをする上での一通りを学ぶ機会を得る。
再度メーカーサイドで働こうと、109系のブランドをもつ株式会社クレッジにEC部門のスタッフとして転職。
入社から1年半後に社長が変わり、全社のV字回復を狙う中でEC事業を強化していく方針となったので色々な事に積極的に取り組める環境になりWEBマーケティングやEC運営とはなんたるかを学ぶ。
LINE@での成功事例を作り、1年半でEC事業の売り上げを2倍にまであげることに成功。
EC部門は経営者の裁量権でできる範囲がすべて決まるので、どこでやるかよりも誰とやるかが大事だということを体感する。
その後、裁量権と新たな領域での経験を求めメガネスーパーに転職し、店舗運営本部 EC・WEBグループのジェネラルマネジャーとして従事。

 

◆会社として目指していることについて

 

永田:まずは現状の会社の目標をお聞かせください。

川添:2013年の入社当初は年間で大きな赤字が出ていたので、早期の黒字化が目標でした。今期は第3四半期累計で黒字を達成できています。今後は、さらなる成長や盤石の体制に向けての取組みが重要になってきます。

 

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我々はアイケアカンパニーとしてお客様1人1人の「眼の健康寿命」を延ばすためのあらゆる解決策を商品やサービス、アドバイスを通じて提供しています。メガネやコンタクトレンズはあくまでもソリューション提案の手段の1つと捉えています。
フェイストゥフェイスで多面的に検査を行い、お客様の生活環境を把握した上で、どんな度数のメガネが良いかを提案するのが大事です。
45歳以上がメインターゲットなのは老眼が自覚症状として出てくるので、より高度な提案が必要となるためです。
もちろん若い人も対象としたいのですが、しっかりと目のケアをしたい人がメインとなります。

その中でもECは早期に利益を確保することが初期ゴールでした。

 
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320を超える実店舗があるのですが、自社ECというのは1/320の店舗でありつつも、単なる1店舗として考えているわけではありません。
1店舗としての売り上げ・利益を確保しつつも、全ての実店舗を補完する店舗としての役割を担わなければならないと考えています。

入社当初のEC店舗売り上げは月間600万円レベルで全店舗の中で数十番目くらいの位置でしたが、この2年半で月間売り上げは4倍にまでなってきており全店舗中2位にまで育ちました。

自社ECに力がついてくると、自社ECがオムニチャネルの土台を担えるようになってきます。

 
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実店舗は接客による提案や検査が必要なお客様に重きを置いたチャネルです。アイケアカンパニーとしてのサービスを提供するには、きめ細かい直接の接客必要なだけに、実店舗が最重要のチャネルとなります。
さはさりながら、お客様自身が接客は不要という場合もあるはずなので、そういったお客様には自社ECをご利用いただきます。また、本来はお店での接客が必要なのにそれを認識されずにECを利用されている方もいらっしゃるはずなので、そういった接客が必要なお客様を店舗に送客しアシストするチャネルでもあると考えています。

 

◆感じている課題について

永田:オムニチャネルの実現には多くのハードルがあるとは思うのですが、現状感じていらっしゃる課題は何ですか?

川添:こういったいわゆる全体的な取り組みを店頭スタッフに理解してもらい、実際の接客に活用するという状態まで徹底をしていくことですかね。
そもそもオムニチャネルの実現のためには5段階のステップが必要だと思っています。

 

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最終的には、実店舗での接客のトークレベルで、様々なチャネルや買い方を提示して、お客様に選んでいただくことが重要でありつつ、そこまで到達することが難しいポイントでもあります。

すでにこの領域に関して、仕組み化していらっしゃる企業としてカメラのキタムラさんやコメ兵さんがいらっしゃるので、事例として参考にさせていただいています。

それらの事例を見ていく中で最も重要だと考えるようになったのは、評価と仕組の両輪です。

 

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昨今オムニチャネルがトレンドになってきた中で、評価をどうするかというのは各社の関心毎になっています。例えばアパレルでは「私が投稿したこのコーディネート写真経由で、ECに遷移した場合の売上は評価として私につくのですか?」というような話が良く出ると聞きます。

店頭を巻き込む上で店頭スタッフの稼働が発生してくるため、評価というのは避けては通れない課題ではありますが、そこだけをケアしても会社としても意味がないと考えています。

例えば、「今日からEC経由の売り上げもあなた自身の評価になります。これから来るお客様全員にECサイトを進めて会員登録を促して購買してもらうことができますか?」と聞くと、ほとんどの人はできないはずです。

単純に、ECで購入されたお客様が前回どの店舗で買われているかを調べて、その店舗に評価をつけたり、なんとなくスタッフが投稿した画像経由で購入がうまれて、それを該当スタッフに評価をつけたりするようなことでは、単純に売り上げをECから店舗に移動しただけで、全社として売り上げが増えるわけではありません。むしろ、インセンティブをつけてしまったら、全社の利益は減ってしまうでしょう。

そのため、店舗とECの境目をなくした上で、全社として収益を増やしたり、経営効率化できるような仕組みづくりが必要となります。例えば、目の前で接客したお客様が今店舗で購入に至らなかったとしても、帰宅した後は別のタイミングでECで購入したくなるような仕組みだったり、取り組むことで全社としては無駄が省けるような仕組みなどです。

そういった評価と仕組みの両輪を用意することによって、顧客もwinで、従業員もwinで、企業もwinな仕組みを作れると思っています。

 

コンタクトレンズは価格競争が激しい、メガネはそもそもネットで買えるのか、というような課題がありますが、それを乗り越える上で必要になってくるのが「メガネスーパー」ブランドです。
実際にEC店舗で買っていただいたお客様にアンケートをとると、「メガネスーパー」の安心感や信頼があったから買っていますというご意見を多く聞くことができています。

今の信頼は間違いなく店頭で気づいたものです。今後、さらにECとして信頼を勝ち得るためには、EC独自で頑張るというよりは、実店舗での信頼をより高めていけるようにするためにECはどうあるべきかを考え、実践していくことが大事だと思っているので、全社一丸となって取り組む重要性を感じています。

 

永田:なるほど、非常にわかりやすい話でスッと腹落ちしました!

川添:そうですね、メガネスーパーとしてのオムニチャネルを説明する上で、この資料とか役員クラスに見せてもすぐ理解してもらえるので重宝しています(笑)

永田:今後ECサイトでも店舗のような接客を実現していくことが重要になってくると思うので、また運用サポートのお申込みを頂ければ幸いです。個人的にもワクワクする仕事なので、是非ご一緒させて頂きたいです!

川添:はい、その際は是非よろしくお願いします!

 

※本コラム執筆者・永田さんへのご連絡、および株式会社Socketの運営するWEB接客ツール「Flipdesk」にご興味を持っていただいた方は、下記よりお問い合わせくださいませ。
→お問い合わせはこちらから

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