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2014年12月13日 14:00-

【特別企画】みんなで考える「次の伊江島」Part.2|にっぽんのマーケター meets ローカル!

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文=前田成彦(Office221) 写真=三輪憲亮

 

 

 
地域活性化という課題に対し、「にっぽんのマーケター」同士の横のつながりを使えば、何かしらのソリューションを提示できるのではないか…?

 

そんな考えからスタートした新企画「にっぽんのマーケター meets ローカル!」

 

今回のテーマは、沖縄県の北西に浮かぶ小さな島・伊江島の活性化。12月13日に開催されるアイデアソンに向け、伊江島の現状と課題を3回に分けて伝えていきます。

 

アイデアソンには地域の方をゲストとしてお招きし、皆さんには、当日編成したチームで練り上げたアイデアを実際にプレゼンしていただきます。プレゼンの結果、優秀なアイデアに関しては、ゲストからの表彰あり。場合によっては、実際のプロジェクトとして始動する可能性も…

 

Part.2では、活性化に向けた取り組みの一例として、2011年に生産・発売が始まった「イエラム サンタマリア」を紹介。「お酒といえば泡盛」な沖縄の離島で、なぜ、ラム酒が作られることになったのか。そしてラム酒を島の名産とするため、伊江島の人達はどんなことを考えたのか。

伊江島の「今」を知るためにも、決して欠かせないストーリーです。

 

 

 

【特別企画】みんなで考える「次の伊江島」Part.2

 

 

■水も蒸留も原料も。100%伊江島産のアグリコールラム。

 

伊江島初の地酒。それが、100%伊江島産のラム酒「イエラム サンタマリア」伊江島産サトウキビの絞り汁のみで仕込み、単式蒸留器で造ったアグリコールラムだ。アグリコールラムとは、一般的なラム酒と違い、サトウキビを搾った時の搾り汁から造る少々ぜいたくなラム酒である。

 

「ラムの造り方は、大きく分けて2種類あるんです」

 

語るのは、イエラム サンタマリアを作る伊江島蒸留所の常務取締役・知念寿人さん。

 

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左:(株)伊江島物産センター 伊江島蒸留所 主任 浅香さん 右: 同、常務取締役 知念さん

 

 

「いわゆるトラディショナルラムは、砂糖を取った後に残る糖蜜で造ります。これが全世界のラム酒の約95%以上を占めており、多くの酒店の店頭に並んでいる有名な銘柄も、トラディショナルラムの場合が多いです。

 

これに対して、サトウキビの搾り汁から直接造るのがアグリコールラム。世界中のラムの5%にも満たないアグリコールラムは、搾り汁から直接造るため、フレッシュな味を楽しむことができます。アグリコールラムは沖縄では南大東島と、ここ伊江島のみで造られています。

 

ラムはもともと、さまざまな果汁を好きに入れてカクテルとして楽しむお酒というイメージですが、アグリコールラムは、ストレートやロックで香りとともに味わっても十分楽しめます。もちろんモヒートなど、カクテルにしてもすごくおいしいです。いろいろな味わい方を楽しむことができるお酒です。

 

イエラム サンタマリアは、水も蒸留も原料もすべて伊江島産。ぜひ、島で獲れたサトウキビの香りと甘みを感じほしいですね。そして一人でも多くの方に、伊江島のラム酒の味を知っていただきたいと思います」

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イエラムは、伊江島産サトウキビの搾り汁を直接原料としてアグリコール製法により造られている。

 

 

■工場を利用して、島の新しい産業を創る。

 

伊江島でラム酒が造られ始めたのは2011年。伊江島蒸留所はもともと、バイオエタノールを造るための実証試験施設だった。当時を知る伊江村役場商工課の東江(あがりえ)民雄さんはこう語る。

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沖縄県伊江村役場 商工観光課 課長 東江民雄さん

 

「サトウキビを使ってアルコールを造り、それをガソリンと混ぜてバイオ燃料を試験製造するための施設でした。2006年から行われていた実証試験製造が一定の成果を上げた後、試験終了と同時に工場が伊江村に譲渡されることになったのです。これが、伊江島でラム酒造りが始まったきっかけです。

 

『伊江島の新たな産業を創るため、工場を上手く利用できないだろうか』

 

そう考えた時に出てきたのが、ラム酒作りのアイデアでした。沖縄といえば泡盛ですが、実は伊江島に泡盛の酒造所はありません。理由は、伊江島の土壌は水はけがよすぎて、稲が育たないから。地酒を造りたい、という思いは島民に昔からあったのですが、水源の乏しい島ということもあり、難しかった。そういう意味でも伊江島の地酒造りは、島民みんなのかねてからの願いでした。そんな折に工場譲渡の話があり、島で収穫されるサトウキビを使った地酒造りを考えたわけです」

 

 もともとは、バイオエタノールを作るための実証試験施設だった伊江島蒸留所
もともとは、バイオエタノールを作るための実証試験施設だった伊江島蒸留所

 

 

■味見で得る小さな経験を、一つ一つ積み上げていく。

 

しかし大きな問題があった。伊江島には酒の造り手がいないのだ。そこで白羽の矢が立ったのが、沖縄本島で泡盛造りの経験がある知念さんだった。

 

「僕はもともとこの島出身で本島で働いていたのですが、30歳をきっかけに伊江島に戻り、実家の手伝いをしようと思っていました。その時に、この蒸留所で働くお話をいただき、ぜひやってみたい、と」

 

知念さんは泡盛の造り方はよく知っていたが、ラムに関する知識は少なかった。そのため「飲む、聞く、調べる、バーの人に聞く」をひたすら繰り返した。

 

「沖縄ではサトウキビ作りが盛んですが、ラム酒造りが行われているのは南大東島と名護市のヘリオス酒造だけ。しかも、いったいどこで誰がラム酒を飲んでいるのかが、よくわからなかった。そこで、まずは本島のいろいろなバーへ飲みに出かけることから始めました。実際に回ってみると、沖縄で知られているラムはトラディショナルラムが9割というのが現状でした。そして、みんなが飲むのはやはり泡盛です」

 

地道に勉強を重ねるうちに知ったのがフランスの海外県にあたるカリブ海の島で造られたアグリコール・ラムだった。

 

「実においしかったです。そしてこのラムを飲んだことで、アグリコール・ラムの視野が広がりました。そして自分達のラム酒も、海外のラムのようなおいしいラムを目指すことを決意しました。

 

最も苦労したのが、酒類製造免許の取得。免許の交付までには2年近くを要した。他にもさまざまな試行錯誤を重ね、2011年夏の発売にこぎつけた。

 

「一緒に作っているスタッフに言い聞かせているのは、常に味見をしろ、ということ。どんなお酒でも、原料からくる風味の成分は本当にごくわずかの量ですが、僕らはその0コンマいくつ%で勝負している。そのわずかな部分で、蒸留酒の味は決まってくる。だからこの部分で絶対に気を抜いてはダメ。それだけ、人の舌の味は敏感なのです。だから作り手は味覚、嗅覚などを駆使して、体で覚えなくてはいけません。味見で得る小さな経験を、一つ一つ積み上げていくしかないんです。

 

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伊江島蒸留所の皆さん。左から、崎濱秀樹さん、知念寿人さん、浅香 真さん、古堅慎吾さん

 

 

 

ボトルデザインにも苦心した。ワインボトルを使って、従来のラム酒の男らしいデザインとはかけ離れた透明感を演出。それは、ラムを女性にも受け入れやすくしたい、という思いからだ。そして名称のサンタマリアは、伊江島を象徴する花・テッポウユリにちなんでいる(※テッポウユリすなわちイースターリリーは、聖母マリアを表す花)。

 

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ロゴもテッポウユリの花びらをモチーフにしたデザインとなっている

 

 

19世紀、日本にやって来たシーボルトが持ち帰ったことがきっかけでヨーロッパに広まったテッポウユリのように、イエラム サンタマリアもいつか世界中で飲まれるようなお酒に育ってほしい。それが伊江島の皆さんの切なる願いだ。

 

苦労あって、ラム酒造りが一つの産業として着実に育ちつつある伊江島。いよいよPart.3では、この島が現在抱えている課題について掘り下げていく。

 

Part.3に続く

Part.1へ

《にっぽんのマーケター meets ローカル!アイデアソン Vol.1概要》

 

イベント? ツアー? それとも…。

沖縄・伊江島のPR&集客プランをみんなで考えよう!

~地域ブランディング・アイデアソン~
ご紹介した伊江島のPR&集客企画を一緒に考えませんか?

 

にっぽんのマーケター」では今回、伊江島の地域活性アイデアソンイベントを開催いたします。参加者の皆さんには上記特集内容(計3回)にて、基本情報を押さえていただいた上でお集まりいただき、伊江島の地域ブランディング・活性化アイデアを一緒に考えプレゼンいただきます。

 

イベントは二部構成。当日は伊江村商工観光課の方をゲストにお迎えして開催します。

 

第一部(アイデアソン)では、ファシリテーターの進行のもと、共通のテーマに興味を持った方同士でチームを構成し、そのチーム毎にテーマにそった企画をまとめていただき、プレゼンしていただきます。

 

第二部(表彰&懇親会)では、軽食とお飲物をご用意させていただきます。第一部で発表されたアイデアの中から伊江村商工観光課の方に優勝アイデア(チー ムを)発表していただきます。その後は優勝チームの企画のブラッシュアップを肴に(?)ご参加いただいた皆さんと交流を図って盛り上がりましょう。

 

■日時 2014年12月13日(土)

第一部 14時~17時

第二部 17時30分~19時30分(予定)

 

■場所 渋谷周辺の施設 ※追って参加者にメールにてご連絡いたします。

 

■会費 2,000円
※お一人様、3名分までお申込み可能です。
※事前支払い。
※参加賞としてお土産あり(予定)

 

■募集人数 25名(最少催行人数10人)

※先着順
※エントリー〆切12月3日(水)中まで。

 

 

↓↓↓お申し込みはコチラから。

以上です。皆様のご参加心よりお待ちしております!!

 

※最少催行人数に達しない場合、中止となる場合がございます。(中止の場合、会費は全額ご返金致します。)
※最少催行人数に達しない場合、事前にお申込者様に中止のご連絡をメールにて差し上げます。

 

この企画に関するご質問等ございましたら【お問合せフォーム】からお問い合わせください。

 

Part.3に続く

Part.1へ

 

 

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