トレンド評論家 牛窪恵氏が予測! 2020年も猛暑!?加速する“高気温対応”グッズ市場は従来にない発想力がカギ

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昨年2019年の異常な猛暑を思い返すと、今年はどうなるのかと不安になる人も多いのではないだろうか。もはや亜熱帯化が進むといっても過言ではない日本において、ここ数年、新市場として定着しつつあるのが、「高気温対応」グッズ市場。100円ショップのダイソーなども製造に着手し、バカ売れしたハンズフリーファンが在庫薄で買えないことがニュースになるなど、高気温だからこそ需要が爆発した製品のニュースをいくつも目にしたのではないだろうか?

 

2020年の夏も、気象庁の発表によると気温は全国的に平年並みか高めで、昨年より早い時期から暑くなるという見通しもある。

また、近年日本の“高気温化”が進んでいるのは事実のようで、日本気象協会の調査・解析によると、平成の31年間は1898年以降の観測史上、最も日本国内の気温が上昇した期間といえることなどがわかった。昭和元年から令和元年(1926~2019年)の94年間で、日本の平均気温は1.4度上昇したという。

気象庁発表によると、2020年3月~5月の気温は全国的に高いことから、6月~8月の気温も全国的に平年並みか、高めになるとも予想されています。

 

■高気温対応市場グッズの新規開発が活発化

 

NHK総合「所さん!大変ですよ」、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」などでコメンテータ等を務める著名トレンド評論家 牛窪恵さんは、猛暑や高気温化を受け、「夏の生産性向上を図る『高気温対応』のグッズの新規開発が活発化している」と述べる。

 

「ここ数年、多くの企業が夏の“高気温対応”市場に参入し、創意工夫や技術革新によって、新たなカテゴリーを生み出しています。

 

高気温化は、熱中症リスクの上昇など健康上のデメリットや、活動時間や活動効率が制約されるなど生産性の低下の原因にもなる、一般的にネガティブなものだが、だからこそ、その対策となり、夏の生産性向上を図るグッズに着手する企業が増えているという。

 

■牛窪恵氏が注目する、2020年の“高気温”対応グッズ

 

その牛窪氏が注目しているのが、次の3つだ。

 

1.熱でUVブロック膜が強くなる!?日焼け止め(資生堂)

日焼け止め売上の圧倒的トップブランドでもある資生堂の日焼け止めブランド アネッサの「パーフェクトUV スキンケアミルク a」が、2020年に大幅リニューアルし、世界初の機能を備えた。。

 

その機能は、「サーモブースター技術」と呼ばれる世界初の技術。塗布した日焼け止めが太陽の熱などで温められると、紫外線防御成分が膜内で均一に広がり、紫外線防御効果が高まるものだ。

 

熱エネルギーセンサーが熱を感知すると、紫外線防御成分と共に塗布膜中で均一に広がり、 整った状態を維持するという。すると、紫外線防御成分がその能力を十分に発揮できるようになり、 紫外線防御効果が向上。まさに高気温対応だが、むしろ熱を味方につけた商品といえる。高気温を日焼け止め機能に活かすという革新性は、さすがのトップブランドだ。

 

2.「IoT冷感ガジェット」(ソニー)

 

ソニーのクラウドファンディングでファンドの調達に成功し製品化がすすめられたIoT冷感/温感ガジェット「REON POCKET(レオンポケット)」は、背面ポケットにコンパクトな約89gの端末を装着し、スマホと専用端末をBluetooth®接続で連携させ、直接首もとを冷やしたり、温めたりすることが可能な製品。

 

あまりの猛暑に、人々はいかに冷やすかが直近の課題に。
自分で温度をコントロールできる小さなガジェット、グッとくるビジネスマンも多いことだろう。

 

3.「昨年爆売れしたハンズフリー扇風機の後続機発売」(スパイス)

 

昨年の猛暑には、外出時の暑さに耐えかねた人々の間でハンディファンもブームとなった。首にかけるだけの携帯用扇風機は、100円均一ショップなどでも在庫薄となるなど、大ヒット。

その中でも、2019年2月~9月の累積販売台数60万台を突破した「Wfan(ダブルファン)」は、2020年夏に向け、バージョンアップして登場。

風力がアップし、さらなる涼しさが手に入りそう。利便性も向上した上に、ファンにつながるアームの向きが自由に変えられるようになったため、卓上に設置するなどの活用の自由度も高まった。

 

■その他の高気温対応グッズのアイデア

 

その他にも、さまざまな高気温対応グッズのアイデアが市場をにぎわせている。

例えば、冷却スプレーや冷却タオルは暑さ対策の便利な小物として人気。また軽量で吸水速乾性のスーツや、通気性の良いビジネスシューズなどは、暑さ対応の機能が高まってきている。

 

気温上昇の昨今の状況の対策という視点に加え、アネッサの日焼け止めに見られるように、「熱を味方につける」という逆転の発想も出てきているのが面白いところ。

 

今後は、さらにこうしたポジティブで革新的な“高気温対応”アイデアが市場をますます活性化させるに違いない。

 

 


牛窪恵さんプロフィール

1968年東京生まれ。修士(MBA/経営管理学)。今年4月から同大学院の客員教授に就任。1991年、日本芸術学部 英語学科(脚本)卒業後、大手出版社に入社。フリーライターを経て、2001年4月、マーケティング会社インフィニティを設立。同 代表取締役。トレンド、マーケティング関連の著書多数。「おひとりさま(マーケット)」(05年)、「草食系(男子)」(09年)は、新語・流行語大賞に最終ノミネート。現在、NHK総合「所さん!大変ですよ」、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」、読売テレビ「ウェークアップ!ぷらす」ほかでコメンテータ等を務める。05年より、財務省 財政制度等審議会専門委員。05年度より、日経新聞MJ広告賞選考委員。ブログAmeba公式「牛窪恵の『気分はバブリ~♪』」https://ameblo.jp/megumi-ushikubo/

 

出典・参照
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000044799.html

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