アイルランド&米国発。消費者の不満ツイートが誤って投稿された広告代理店が力量をアピールしあっぱれ対応

ヒューレット秦泉寺 明佳

ヒューレット秦泉寺 明佳 [記事一覧]

愛媛県出身。大学卒業後、広島〜東京〜アメリカと移り住んだフリーランスライター。 通訳、英会話講師など英語スキルを生かした活動も行っています。趣味は料理、ホームパーティー、水泳、ハイキング。各国のユニークな広告やTVコマーシャルのウォッチで一日を費やしてしまうことも。


<SUMMARY>

 

・購入した衣料品に対しカスタマーが衣料ブランドに不満をツイートするも失敗
・異業種同名の2社であった関係のない広告代理店が、逆手にとってカスタマーに接近
・カスタマーの不満を解消するキャンペーンを立ち上げ、代理店は知名度と好感度を上げる

 

<STORY>

 

「食事をしたレストランの食事が期待外れだった」、「宿泊したホテルのフロントの対応がなっていない!」、「効果があると聞いて購入したサプリが全く役に立たない」など、商品を購入したりサービスを受けた際に不満や苦情をカスタマーが持つと、昨今ではすぐにTwitterやFacebook、InstagramなどのSNSを使ってその思いを世の中と共有する(ぶちまける)ことは珍しくありません。

 

もちろんネガティブな意見だけではなく、称賛や感謝の声も多くあげられるのですが、いかんせん世の中はどちらかというと不満や怒りの投稿に飛びつきがちです。

 

 

さて今回ご紹介するトピックスは、あるアメリカ人男性がTweetしたある不満から端を発したものです。

 

 

" ROTHCO "

 

読者の皆様は、こちらのブランド名もしくは社名をご存知でしょうか?

 

私は今回のトピックスをニュースで知るまで、こちらの名前は聞いたことがありませんでした。

 

実は正解は2つ。

 

 

一つは、こちら。

 

 


Picture: ROTHCO Official Facebook Page

 

 

1953年に設立された " ROTHCO(ロスコ)" は、アメリカテネシー州に本社工場を構える老舗のミリタリー・アウトドア向け衣料やギアのブランドです。

 

Milton Somberg氏とHoward Somberg氏が所有し、60年以上の歴史を持つロスコは、アメリカの陸軍・海軍などに制服(軍規格の衣料)を提供してきたブランドとしても知られていいて、そのクオリティーの高さで広く一般にも親しまれています。

 

 

そしてもう一つの正解がこちらです。

 

 


Picture: Rothco Official Facebook Page

 

 

アイルランドのダブリンに本拠地を構える " Rothco " は、1995年の設立以来、数々の広告賞を受賞しているインターナショナル広告代理店です。

 

クライアントには、Tiger beer、Heineken、Unilever、AON、TESCOをはじめ、アイルランド内にも Allied Irish Banks (AIB)、Dublin Bus、Irish Defence Forces、Kerry Foods、Aer Lingus等を抱えています。

 

 

奇しくも同じ名前の両社。

 

それが故に、あるカスタマーが誤って商品に対する不満を、意図しないロスコに対してツイートしてしまったのです。

 

 


Picture: Rothco Official Twitter

 

 

こちらの元ツイートを投稿したのは、オハイオ州コロンバスに住む青年Andy(アンディ)さんです。そして、それに対して返信ツイートをしたのは、広告代理店のロスコでした。

 

 

事の顛末は以下の通りです。

 

事態は、アンディさんがどうしてもカーゴパンツが欲しかったため、意を決して衣料ブランドロスコの商品をオンラインで購入したところからスタートします。

 

待ちに待って届いた商品を身に着けてみると、悲しいかな大きすぎて全くフィットしなかったのです。

 

返品・交換をしようにも、問い合わせ電話をかけるべきロスコ宛てのダイレクトの電話番号が見つかりませんでした。

 

不満が募ったアンディさんは、ついに不満のツイートを投稿したのですが、それが投稿されたのは衣料ブランドのロスコではなく、広告代理店のロスコのツイッターだったというわけです。

 

 

もちろん、広告代理店のロスコはこの誤って投稿されたツイートを無視することもできたわけですが、同社はスルーする代わりにアンディさんに救いの手を差し伸べました。

 

アンディさんが満足できる、彼にフィットするパンツをプレゼントしようと立ち上げたのがこちらのキャンペーンです。

 

 


Picture: Rothco Official Website

 

 

" PANTS FOR ANDY " と名付けられたキャンペーン。

 

特設ウェブサイトを立ち上げ、そこでパンツの寄贈・寄付を呼びかけています。企業・個人を問わずアンディさんに合いそうなパンツがあるという人は、今回のキャンペーンのためにロスコが設置した私書箱(11923 NE Sumner St, STE 697145, Portland, Oregon, 97220, USA )にアイテムを送り、そして #PantsForAndyをタグ付けして、どんどんツイッター上で会話を盛り上げ、情報を拡散するようにと賛同者を動かしています。

 

アイルランドやアメリカだけでなく、フランスなど様々な国の人々がツイッター上で盛り上がっている様子はこちらのリンクからご覧ください。

 

https://twitter.com/hashtag/PantsForAndy

 

 

そして、同じく特設ウェブサイト上では、キャンペーンのチャリティーミュージックビデオも公開されています。物凄く作りこまれているわけではありませんが、クスリと笑ってしまいます。

 
 
"  Pants for Andy   "
 

 
 

さらに!Andyさんの住むオハイオ州コロンバスの街中には、キャンペーンの巨大なビルボードも登場しました。

 

 


Picture: Rothco Official Website

 

 

これを見たアンディさんはどんな風に思ったのでしょうか。

 

 

さて、本来アンディさんからの不満のツイートが投稿されているはずだった衣料ブランドのロスコですが、もちろんリアクションを示さなかったわけではありません。

 

アンディさんのツイートに対して、広告代理店のロスコが返信したツイートに対して、このように投稿していました。

 

 


Picture: Twitter

 

 

「アンディを正しい方向に導いてくれてありがとう。ここからは俺たちに任せてくれよ!」と真摯な姿勢を示した衣料ブランドのロスコでしたが、この投稿にたいして広告代理店のロスコは、「それはありがとう!でもここからは俺たちも面倒をみるよ!」というコメントとともに先に紹介したチャリティーミュージックビデオで返信しました。

 

今回のカスタマーの意図しないミスに端を発した、異業種同名の2社によるやり取り。

 

機転の利いたスピーディーかつ遊び心あふれる広告代理店ロスコの対応は、同社の期待度と好感度を上げる結果となったのではないでしょうか。

 

 

※Pants For Andy OFFICIAL Website
http://pants4andy.com/

 

※Rothco Official Website -International Advertising Agency in Ireland
https://rothco.ie/

 

※ROTHCO Official Website  -Full service Military Distributors
https://www.rothco.com/

 

 


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