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インサイドセールスを含めたシナリオ設計を提供する

田中 亮大 たなか りょうだい さん タクセル(株) 代表取締役

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MAツール「KAIGAN」をリリースし、中小企業のBtoBマーケティング支援事業を手がけるタクセル株式会社。KAIGANはツール使用料金を無料化し、MAアシスタントによる運用代行をリーズナブルな価格で提供。中小企業のBtoBマーケティングというブルーオーシャンを切り拓くとともに、地方在住者に向けてMAアシスタントという新たな職を創出する。そんなタクセル株式会社の代表取締役・田中亮大さんの企みをお聞きする。

写真=三輪憲亮


Part.2

 

■「営業には対面での打合せが欠かせない」のは本当か

 

 KAIGANの導入企業の9割以上はBtoB企業。採用企業は人材紹介や人材派遣、IT企業など。田中さんは「社内にいわゆる営業部がある会社であれば、間違いなく収益をプラスにできます」と断言する。

 

MAツールの導入において大事なのは、売るためのシナリオ作りです。BtoBビジネスを主に行う企業に、この部分をしっかり設計できる人はいないと思います。BtoCのマーケターであれば、皆さんご存じのようなスタープレイヤーがたくさんいらっしゃる。でもBtoBビジネスにそういった方はいない。つまり中小のBtoB企業へのMAツールの導入とサポートは、ブルーオーシャンといえます」

 

 KAIGANはもともと、ツール代金無料。そして導入に際してタクセルが行っているのが、インサイドセールスの導入による運用コンサルティングだ。対面することなく、メールや電話を通じて行う営業活動のことだ。田中さんは、インサイドセールスを知り尽くすプロフェッショナルである。

 

「うちのシナリオ設計とは、ウェブの中で完結するものだけではありません。インサイドセールスを含めたシナリオ設計をクライアントに提供します。例えば『このスコアが高くなったらこういう行動して下さい、その時はこういう情報を収集して下さい、その結果ランクが上がればこうしましょう、上がらなければまた次のシナリオを発動します』といった形で、コンサルティングしていきます」

 

 

 タクセルはベルフェイスというオンライン商談システムを導入し、クライアントとの最初の商談は基本的に、場所に関係なくオンラインで行う。

 

「営業は、企業にとって最前線といえる仕事。多くの企業が今も営業職をたくさん雇用しています。日本では現状、まだまだ多くの人が「営業には対面での打合せが欠かせない」と考えられている。営業は足で稼げ・義理人情・気合と根性。直接顔を出してナンボ・実際に行かないと失礼、といった感覚がまだまだ残っているんですね。そろそろ、その認識はあらためるべきだと思います。

 

私自身もこれまで、多くの仕事をリモートで行って実績を残してきました。例えば遠方企業からのご依頼、あるいは既存顧客からの継続発注については、ほとんどが非対面で行っています。打合せが本当に欠かせないのかどうかは、企業の考え方やサービス内容によって異なると思います。

 

もちろん私も直接会って話すことに大きなメリットがあることはよく知っていますし、かたくなに訪問を拒絶していることはありません。必要であれば、いつでもおうかがいします。大切な商談を実際にお会いして行うのは、素晴らしく有効な機会になる。だからこそ『とりあえず、行けばなんとかなる』『ご挨拶だけでもさせて下さい』という営業は時間のムダ、ということを知ってほしいんですよ」

 

KAIGAN管理画面(例)

 

■地域に足りない雇用を外から持っていく

 

 KAIGANの運用コンサルティングは、地方に住むプランナーとMAアシスタントを軸に、リモートワークで行われる。

 

「リモートワークは現状、例えばデザイナーやエンジニアのような専門スキルを持っていないと難しい、という現状はある。確かにデータ入力などは在宅でできますが、そこで得られる収入は決して多くない。ITスキルがないから、在宅できちんと稼ぐのは難しいと考える方はきっと多いでしょう。

 

その点タクセルでは、これまで培ってきたインサイドセールスのノウハウを地方在住のプランナーやMAアシスタントに提供することで、リモートワークの新しい職域を開拓していこうと考えています。

 

加えて、地方企業を中心に、KAIGAN認定パートナー制度もスタートさせた。タクセルで行うMA運用サポート事業のノウハウを供給し、タクセル自社だけではなく、パートナー企業を基軸にし雇用創出も促進していきます。

 

 

インサイドセールスにおいては、電話とパソコンさえあれば仕事はできます。特に地方の企業については、リモートですべてやり取りできることはお互いにメリットが大きいと思います。ただし現状、多くの企業は営業の仕事を個人に外注したことはないはず。営業代行会社はありますが、完全な非対面でのやり取りとは違う。営業の仕事を完全なリモートワークで行っていくには、コントロールする側にもノウハウが必要なのは確か。タクセルにはその部分のしっかりとした強みがあります

 

 現在、タクセルでリモートワークを行うスタッフはプランナーやコンテンツ制作担当、システム設定担当、アシスタントなどスポットでなく常時働くスタッフがトータル30名を超える。また、パートナー企業も30社以上になっている。パートナー含めれば100名程のMAサポート人材を有することになる。現在は群馬県の富岡市に築100年以上の歴史がある蔵をオフィスにしたりし、リモートワーカーの枠を広げているところだ。(富岡市の雇用拡大は、(社)the starting pointと提携)

 

「管理のために、富岡に設けた拠点に出勤してもらう形を取っています。今後リモートワーカーの数を今後さらに増やしていこうと考えていて、地元山口県や、福岡県などとの連携を検討していますし、他にも多くの地方自治体に興味を持っていただいております。

 

 

私が考える地方創生とは、地域に足りない雇用を外から持っていくこと。従来型の地方創生は、例えば観光で盛り上げましょうとなったら、その地域の資源をリソースにして経済を活性化させましょう、というものでした。そうなると、観光資源がない地域はダメですよね。
そこで次の発想として、企業が支社やサテライトオフィスを作って、そこに東京から人を連れて行ってみた。でも、続かないですよね。都心でバリバリ働いていた人に、明日から地方に行って下さいと言うのは難しい。地方は安くオフィスを構えることができる、というだけでは、やっぱり上手くいかないんですよ」

 

 Part.3では、田中さんのこれまでのキャリアについて話を聞いていく。

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プロフィール
田中 亮大

田中 亮大 たなか りょうだい

タクセル(株) 代表取締役

1985年山口県出身。大学卒業後、外資系製薬企業に入社するも2009年に独立。アメリカの能力開発プログラムの販売員として独立。プッシュ型セールスを行わない独自のマーケティング手法で日本一の販売実績を挙げる。
2011年に日本最大の経営者動画メディア「社長.tv」を運営する福岡のベンチャー企業に役員として参画。インサイドセールスにて、5000社以上のクライアントを新規開拓する。
2015年には、インサイドセールス専用ウェブ会議システム「ベルフェイス」の開発会社を共同設立。販売会社の社長に就任。
2016年にタクセル株式会社を設立。MAツール「KAIGAN」をリリースし、中小企業のBtoBマーケティングとセールスの支援を行う。

※ 会社、役職、年齢など、記事内容は全て取材時のものです

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