2015年ニューヨークで流行った「日本のモノ」トップ5選

内田 洋子 [記事一覧]

NewEdge PR LLC 代表(兼:ロイヤルアドバータイジング・ニューヨーク支部代表)、Teezler創設者、JinJour編集長。海外市場向けマーケター&新サービス企画・プロデューサー。 神奈川県藤沢市生まれ。15歳で留学のため単身渡米して以来、長い間現地で培ったアメリカ人の考え方やものの見方を活かし、ニューヨークで数々のマーケティングプロジェクトに携る。 2014年に日本の良いモノを海外に広めるためニューエッジPR社を設立。 現在はニューヨークで主に海外市場向けのEC・デジタル戦略やメディアプロジェクト、新サービスのプロデュース事業を展開中。(写真:ブロードウェイにて)

Pocket

Vol.9
「ニューヨーク発!マーケ最新事情」

 

さて2015年も残り数日となりました。

今回のコラムでは2015年にニューヨークで話題となった日本発祥のモノ、コンセプト、サービス等をまとめました。日本では意外と発見しにくい「海外の視点」を話題や流行となった理由や背景と一緒にお届けします。2016年は海外進出にチャレンジをしたい、もしくは現在考えているというマーケターの方、以下のニューヨークのトレンド事情、是非参考にしてみてください。

① MATCHA: 抹茶

今年はコンデナスト・トラベラーが2015年に「ニューヨークを中心に流行ったもの」として取り上げたほど、今年のアメリカでは抹茶の文化の浸透が加速しました。流行った背景としては、コーヒーよりもカフェインが長続きする事や、デトックス効果があり体に優しく、健康にも良いという事で、多くの健康志向派の間から注目された事が大ブームの要因にあり、今後はコーヒーよりも抹茶を勧め、広めていく動きがでてきています。

ブルックリンにあるマッチャバー(Matcha Bar)では、抹茶の歴史から抹茶の点て方までを教えるクラスを開催したりするなど、抹茶に対する知識を深める活動をしていたり、多くのネットショップでは自分で抹茶が点てられる「抹茶キット」なども今年のギフトシーズンに話題となりました。今後も引き続き健康志向派の人が増えるにつれ、抹茶ブームも続きそうです。

(写真:Matcha Barのフェイスブックより)

 

② EMOJI: 絵文字

日本発祥の絵文字文化。今年はニューヨークでももちろん、各国でも大ブームとなりました。特にニューヨークのメディアのソーシャルメディアでは読み手の感情に簡易に訴えたり、親近感を沸かせるためにも絵文字が多く取り入れられる他、ネットで簡単にEMOJIを検索するための百科事典、EMOJIペディア(Emojipedia)もあるほど。その他、絵文字が入ったグッズが出回ったりなど話題となりました。

絵文字文化の浸透の背景には、通信機器のモバイル化とスマホ化が加速した事が大きな要因と考えられるかと思います。より小さい画面やスペースで効率よく、分かりやすく何かを伝える事が強いられきたデジタル時代ならではのトレンドではないでしょうか。

(写真:Emojipediaのブログより「2016年コレクション」)
(写真:Emojipediaのブログより「2016年コレクション」)

 

③ UNI: ウニ

英語ではシー・アーチン(Sea Urchin)と呼ばれ、日本以外でも地中海やその他多くの地域で幅広く料理に使用されるウニ。ウニと呼ばれ親しまれてきている背景にはSUSHI(寿司)のウニから広く使われるようになったかと思われますが、この「ウニ」という言葉、ニューヨークでは2014末頃から多くの料理に使われはじめ、よく聞くようになりました。2015年はウニまぜ麺や、ウニとイカスミのピザ、ウニのブカティーニ、ウニのムース等々、ウニを使った創作料理が次々に登場し、ニューヨーカーの間では大変話題となりました。ウニが流行った背景には、ニューヨークの寿司カルチャーが根付き、寿司で紹介されたようなより洗練された材料に関して敏感になってきたことが考えられるかと思います。

(写真:レストランProvaのフェイスブックより「イカスミ・ウニピザ」)
(写真:レストランProvaのフェイスブックより「イカスミ・ウニピザ」)
(写真:レストランJun-Men Ramenのフェイスブックより「ウニまぜ麺」)
(写真:レストランJun-Men Ramenのフェイスブックより「ウニまぜ麺」)

④ OMAKASE: おまかせメニュー

日本料理ではよく聞く「おまかせ」プラン。今年はなんとニューヨークでも多くのレストランでこのおまかせシステムが取り入れられ始めてきましたが、特にニューヨークで今熱いのが、料理以外にカクテルシーンで使われているおまかせカクテル。
アメリカでももちろん「おまかせ」に似たコンセプトで、「シェフ推奨」等は一般的に使われていましたが、日本の「おまかせ」にはシリーズ化でそれぞれ違ったカクテルや、料理が楽しめ、全体のバランスやストーリーをも楽しむ事ができるとニューヨーカーの間では話題になっています。

(写真:ブルーリボン・ドーニングストリートバーのフェイスブックより「おまかせカクテル」)
(写真:ブルーリボン・ドーニングストリートバーのフェイスブックより「おまかせカクテル」)

⑤ OMOTENASHI: おもてなし

ニューヨークでは2013年にSushiYasudaがチップ制を解禁して以来、日系のレストランでも次々とチップ制解禁が導入されましたが、今年はなんと日系ではなくニューヨークで13店舗の飲食店を経営する大型のレストラングループ、ユニオンスクエア・ホスピタリティー・グループがノーチップ制(チップ代込のサービス)を導入すると発表しました。アメリカの多くの飲食業には当たり前のチップ制度がこの動きによって大きく変わるかもしれないと、多くのメディアが今後のチップ制廃止の動きに注目しています。

このトレンドの背景にあるのはより顧客のエクスペリエンスを向上する一方、より従業員にも正当に支払いができるという会社の思いがあるようですが、実は既にこの動きは上記以外のバーやレストランでも実験がされ、導入されている動きがあり、今後はチップ込制のサービスが定番となりつつありそうです。

(写真:ユニオンスクエア・ホスピタリティー・グループのプレスリリースより)
(写真:ユニオンスクエア・ホスピタリティー・グループのプレスリリースより)

いかがでしたか?
少しでも皆さんの今後の参考にしていただければ嬉しいです。

さて、2015年はご愛読いただき、ありがとうございました。
2016年も皆様にとってより良い年になりますように。。
そして来年も引続きよろしくお願いいたします!

《内田洋子さんへの質問・ご相談・お仕事のご依頼はこちらから》

Pocket

新たなる「出会い」

メールマガジン

最新記事やイベント・セミナー情報をお届け!