話題の「壁ドン」♡ 胸キュン3系統を掘り下げてみる

笹山 真琴 [記事一覧]

PRプランナー、コンテンツプランナー、プロダクトプランナー、イベントプランナー、コピーライター、コラムニスト。美容製品、食品、消費財を中心としたマーケティングプランニングやベンチャービジネスコンサルテーションに従事。

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Vol.1
「理屈じゃない?うううん、ロジカル!女子キュン♡マーケ」

 

ちょっと前になってしまいましたが、東京ゲームショーにおいて、
ロマンスゲームゾーンが実は最も話題を呼んでいたかもしれませんね。

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「乙女ゲームなんて腐女子がやるものでしょ」、なんて揶揄されていたのは数年前の話。

「少女マンガって、オタクじゃなくてもみんな読むでしょ。あれと一緒です」という、私の古巣でもあるボルテージの地道なPR(と、けっこう予算を張ったテレビCM)が浸透した効果も大きく、もはや飲み屋でオーガニックに「吉祥寺の高校生のゲームやってます」なんていう若いモテ美人に遭遇することも珍しくなくなってきました。

東京ゲームショーにおいても白熱していた乙女ゾーンの催しの数々。
中でも恐らく、ボルテージの「壁ドン」ブースの露出が最大であったような印象です。

 

「壁ドン」

日清カップヌードルのCMなどなどでも皆様ご覧になっていると思うのでご存じと思いますが、男性が女性に至近距離まで接近、ないしは密着し、壁に手をついて女性に通せんぼする感じに迫るポーズのことです。

 

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日清カップヌードルCMより

 

女性は本能的に、男性に追われ、そしてやがて支配されたいという欲求を少なからず持っているものですね。
「草食男子ばっかり」、「否、男をタテるいい女には実はみんな肉食なんだよ!」とかモメてる昨今、女性が実生活で感じることが少なくなった男性の支配欲、腕の筋肉と胸板の存在感を感じることができ「そうな」、憧れアクションです。

 

この「壁ドン」アクション、リアルには酔っぱらった若い男女が合コン帰りの繁華街で「いいじゃん、もう電車ないでしょ」「えー、どうしようかなー」とかのやりとりをしている場面でしか見ないよね、とも思います。

しかし、少女マンガなど、日本女性の多くの恋愛観や理想の恋愛像を構築してきたコンテンツの中にはテッパン・ラブシーンとして欠かせないアクションでもあります。

一概に「壁ドン」といっても、笹山的分類としては大きく3種類に分かれます。

 

 

 

(1) 少女まんが的幻想 オトナの余裕「壁ドン」

 

会社の上司にミスを指摘され、それが冤罪と主張してもわかってもらえず駆け出すヒロイン。

追うイケメン上司(というか係長クラスの男子先輩。紺のピンストライプスーツにキャメルの先の尖ったドレスシューズにキムタクヘアが相場)。

廊下で追いついた先輩、ヒロインの腕を掴むが泣き顔を見られたくない!と振り払おうとするヒロインの行く手を阻むべく「ドン」!

来ました!

「泣いてんだろ」「泣いてなんて…うぇっ」

「ばーか。俺の前では強がらなくていんだよ」(柔らかにっこり)

ヒロイン心の声:(この人には全部お見通しなんだな…)

 

的な。

 

その後、ラスボス的胸キュン度MAX「頭ぽんぽん」がプラスされればカンペキです。

 

 

 

(2)Passionate!韓流ジェラ男風「壁ドン」

 

顔を合せれば小競り合いばかり、な、道明寺×牧野つくし(神尾洋子「花より男子」より)的な恋人未満男女。

「アイツの気持ちがわかんないし、どうせ私みたいな可愛くない女なんてって、思ってるに決まってる…って、私だって!アイツなんて何とも思ってないんだから」的な関係の時に、なぜかなぜか巻き込まれるかのように、どーでもいい男のほうと仲睦まじくしている現場に本命の「アイツ」が遭遇します。

(※大概リアルには女子自身がヤキモチ妬かせる戦略でどーでもいい男をソノ気にさせていることが多いですが)

 

「おまえ…あの男と付き合ってるのか?」「はぁ!?アンタに関係ないでしょ」

ヒロイン心の声:(なによ…まさか、ヤキモチ?って、そんなバカな)

「もう放っておいてよ」とムッとした顔でその場を去ろうとするヒロイン。

 

「ちょっ、待てよっ!」

 

キターーーーッ!!

「ちょっ、待てよっ!」キターーーッ!

 

先回りした“アイツ”が「ドンッ」

 

「なっ、何よ!」

「あの男と付き合ってんのかよっ!」

「関係ないでしょ!」

ヒロイン心の声:(なによ、まさか、私のこと好…

ないない!絶対ないっ!)

 

もうたいがいにしてください、その戦略的鈍感、的な。

 

 

 

3)AV導入パート風 S男のイヂワル「壁ドン」

 

これはもう、本当にバブル世代かガチ乙女ゲー文化になってくる、一番むんむんした、「色で言うと紫」みたいな、シリーズ最高峰のフィクション系「壁ドン」です。

 

“S男”って、実生活でいたら大概の若い女子は「は?トレンディドラマですか?」とそのホンキかウソかわからない芝居染みたセリフにヒキそうですが、文学作品にすると意外と「アリ」とされ非常に人気なんですね。なんか、ヒロインが犯す超たいしたことない失態とかで「ほんと、お前、アホだな。お仕置きだな」とかが始まっちゃうアレですね。エロゲー以外ではお仕置きの具体的アクション部分は描かれていることは少ないですね。

 

何か仕事をお願いする女性部下だったり、作家や漫画家の担当編集者だったりの女子が

お願いしますっ!!この仕事、受けていただけないと帰れないんですっ!!

 私、なんでもしますからっ!

なんて言おうものなら

「ほう…」

(※若い男子で「ほう」とかいうリアクションもそうそうなさそうですが。昭和紳士かいみたいな)

 

『ドンッ』

 

「なんでも…ね。じゃ、見せてもらおうか?」

「えっ…見せるって…」

(耳元で)

「オマエのホンキ…」

「や、ちょっ…」

(で、押し倒されたりされなかったり)

 

的なあれですね。

 

 

と、勝手に3系統について解説させていただきましたが、それぞれ

 

1)守って欲しい

2)他のオスから奪って欲しい

3)自分が抗えない支配者になってほしい

 

という女子の恋愛3大欲求をそれぞれ満たすかたちに相成りますね。

 

皆様のビジネスやプライベートにお役立ていただければ幸甚です♡

それではまた次回♡

ボルテージさんブースのイケメン達。
ボルテージさんブースのイケメン達。
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