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kay meとは、頑張る女性を応援する総合的ブランドネーム

毛見 純子 けみ じゅんこ さん maojian works(株) 代表取締役

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Part.4

 

■「世界のどの国でも、kay meのお客様層はニッチ」

 

 kay meの特徴の一つが、セールをしないこと。毛見さんはその理由をこう語る。

 

「私達のお客様は、消費活動に多くの選択肢を持っていらっしゃる方が多いんです。皆さん社会のムーブメントに煽られず、自分のスタイルがある。それがまず大きいと思います。

実はこの度銀座本店を移転するにあたり、感謝祭としてお買物券を発行する期間を設け告知をさせていただいたのですが、結果としてそれほどご要望は高くありませんでした。現在でも、お客様アンケート結果を見ると、皆さん十分kay me をリーズナブルなものとして感じてくださっています。でもそれは、クオリティに対して価格が妥当である、ということへの支持であって、価値をただ下げて、安かろう悪かろうは求められていないと感じました

 

 意識しているのは、やみくもに価格を下げるよりも、顧客サービスをより充実させること。その特徴的な一つが、試着便サービスである。

 

仕事で疲れた週末に、人がたくさんいる街でお買い物をしたくないもの。やはり土日は休みたいと考える方は多いと思います。でもそれをすると、お買い物はなかなかできません。それならば、ほしいものが会社に届き、試着をして、よければ購入して必要なければ戻す、というサービスができればいい。そう思ったのがきっかけです。

試着便サービスのメリットは他にもたくさんあります。例えば、自宅に持ってるさまざまな靴やアクセサリーと合わせてコーディネートしてみることができる。それと、ご家族のご意見を聞くこともできますよね。お客様には、旦那さんの感想を聞いてから決めたいとおっしゃる方が結構いらっしゃるんです。旦那様も、お店に一緒に来ることは渋っても、お家ならば『いいね』と言って下さることもある。そしてそんな時に『じゃあ買って!』とお願いしたら、OKしていただけた。そんなケースもあるようですね」

 

 

また現在、アジア圏を中心とした海外展開も考えている。商社や代理店、「クールジャパン」プロジェクトなどを通じ、海外の展示会への出展を進めていく計画だ。

 

世界のどの国でも、kay meのお客様層はニッチだと思います。仮説として考えた購買層が、金融街などで遅くまで働いているような女性。となると、ターゲットとなる国はまずシンガポール。次が香港、上海という感じですね。要は証券取引所がある都市です。ゆくゆくはロンドン、ニューヨーク、シカゴ、メルボルンも考えていきたいですが、アジア圏の方は骨格がそれほど変わらないので、展開しやすい。ですから、まずはアジアから始めようと考えています。

もちろん、日本のデザインのままですべて大丈夫とは思っていません。当然、その国の流行りの色などは考慮します。例えばタイの女性は、日本ではあまり見ることのないビビッドなカラーの服を着る。そういった面は、行ってみないとわからないことも正直多いです」

 

 

■顧客同士が出会い、学ぶための、リアルな「場」を作る。

 

毛見さんが進めているもう一つの大きなプロジェクト。それが「場」作り。この2月に本社兼店舗を銀座4丁目内に増床移転させたのは、顧客が集う場を作りたい、という思いがあったからだ。

 

「お客様が仕事前や仕事後に、ふらっと立ち寄ることのできる日を作りたいと考えています。実はお客様には、お仕事やそのほかの相談をあまり日ごろからすることができない立場の方が多くいらっしゃるんです。責任のある立場に就いているので、社内や組織内に似た境遇の方がほとんどいないわけですね。

例えば男性ばかりの中、女性一人で奮闘されていたり、唯一の女性管理職だったりする。会社の中には何でも話せる仲間が少なく、ちょっとした愚痴すらこぼしにくい。そんな環境にいらっしゃる方も多いんです。そういう方同士が例えばkay me で出会われると、まったく違う業界で働いていても仲よくなれたりする。キャリアのある方同士だからこその意見交換ができる出会いの場でもいいし、ほっとひと息つける夜の時間もあれば、朝の学びの時間があってもいい。

 

例えば、疑問に思っているけれど、今さら聞くのが恥ずかしいことって誰でもありますよね。そういったことをあらためて学ぶ機会を作るのもいいですね。自分でもできるけれど、忙しくてなかなか難しい。でも継続すれば必ず成果が出る。そういったレッスンを、朝に30分~40分ぐらいやっていけたら素晴らしい。そういったことを考えて、今、プランを固めています」

 

 

 素敵な服を着て、いつまでも女性らしさを忘れずにいてほしい。そしてそこにとどまらず、仕事のスキルもさらに伸ばしてほしい。

 

頑張る女性を応援したい。そのために販売するものがお洋服でもいいし、日ごろから学びたいと思っていることでもいい。kay meとは総合的なブランドネーム。今後はそんな位置づけにしていきたいです。今回の移転をきっかけに、アパレルだけでなく、シンクタンク的な機能も備えていけたらと考えています。

 

(終わり)

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プロフィール
毛見 純子

毛見 純子 けみ じゅんこ

maojian works(株) 代表取締役

1976年大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、ベネッセコーポレーション入社。営業職として活躍。その後プライスウォーターハウスクーパースにて組織人事コンサルティング、ボストンコンサルティンググループにて経営戦略コンサルティングに従事。
2007年12月にmaojian works株式会社を設立。金融、IT、エネルギー会社へのセールスおよびマーケティングコンサルティング事業を手がける。
2011年3月に自社事業として日本製ジャージードレスブランドkay meを立ち上げ、同年7月に銀座7丁目で予約制サロンを開業。
2012年7月に銀座4丁目に常設店舗を開設。
2014年2月には同じく銀座4丁目内に常設店舗を増床移転。

※ 会社、役職、年齢など、記事内容は全て取材時のものです

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