7

「kay meといえば」というラインを、真摯に続けていく

毛見 純子 けみ じゅんこ さん maojian works(株) 代表取締役

Part.3

 

■商品開発のヒントは、世界のコレクションよりも顧客の声。

 

 毛見さんは2011年7月に第1号店として、予約制サロンを出店。その後はオンラインショップを増強しつつ、百貨店への出店を拡大していった。

 

百貨店は多数の方がいらっしゃいますし、百貨店を愛好されている方は、私達の顧客イメージに近い。
ですから全国のお店に電話をかけて、ぜひ一度見に来て下さいとお願いしたところ、興味を持っていただいたのがきっかけです。

まず最初に百貨店に出店してからは、比較的スムーズに広がっていきました。百貨店のバイヤーさんはまめに視察をされているので、最初のお店を見た方から『ぜひウチにも』とご連絡をいただくようになった感じです。ご担当者の方がおっしゃっていましたが、私達のお客様は明確にイメージできるのだそうです。私達の『女性として、頑張って働く女性を応援したい』という考えが、百貨店さんのお客様像とはっきりとリンクしたのだと思います」

 

 kay meの商品がヒットした理由の一つが、着回しのしやすさ。売れるものにははっきりとした傾向があり、シンプルかつ華やかなデザインで、コーディネートしやすいことが必須だった。

 

「売れるのはシンプルで実用性の高いものだとはっきりわかりました。ワンピースとして着るとかわいくても、アウターを合わせた時に少しでも不快さ、不便さを感じさせるものはあまり売れない。また、モードに寄りすぎるものより、おひとりおひとりに着るシーンが思い浮かぶデザインのほうが喜ばれます。試行錯誤や学びは今までもたくさんあります。そして、物が売れない時には必ず理由があるということにも気づきました。

もちろん、売れた実績も分析します。「こういう体型の方にはこんなデザインが人気がある」とか「この色使いをする時はこの柄がいい」といったデータを分析します。でも、ハズすこともありますよ(笑)。まだまだわからないことが多いです。100%はやはり、難しいです。

商品の評価を知るには、実際のお客さんの声を聞くのが一番ですね。袖の長さや色の具合など、メールでご意見をいただくことも多いです。商品開発のヒントは、世界のコレクションよりもお客様の声ですね。私達は「kay meといえば」というラインを、真摯に続けていくべきだと思っています

 

★th_IMG_8307

 

■「私達はお客様にとって、執事のようなもの」。

 

 カラーバリエーションの多彩さもまた、kay meの大きな特徴だ。しかしその分、在庫が増えやすいなどデメリットもあるのだが…。

 

「そこは、私達だからできる面もあります。kay meの服は生地作りから縫製までを基本的に東京都内の工場に、かなり小ロットでお願いしています。アジア圏などの海外の工場に発注するとどうしてもロットが大きくなり、期間も数カ月かかります。その点、東京にある工場にお願いすることで、小ロットかつ短納期で作っていただくことができます。

工場が東京にあれば小回りが利くし、何かがあればすぐに飛んで行けます。コミュニケーションが取りやすいのも大きなメリットです。確かにコストはそれなりに高いですが、そこは着回しのよさやバリエーションの豊富さで差別化を図っていますね

また、kay meの販売戦略として重要なのが、SNSを使ったプロモーション。ブランド立ち上げ当初からFacebookなどを上手く利用し、口コミで顧客を広げていった。

 

kay mefacebookページ_2
「kay me」facebookページ

 

「テレビCMや雑誌広告など派手な戦略を立てるほどの資本はないのでそうせざるを得なかったのですが、Facebookとブログを連動させて、しっかりお客様に情報を発信していこうという考えはもともとありました。ベンチマークを調べた結果、情報の更新時刻が安定しているとリピートして見ていただけることがはっきりしたので、新しい情報は毎朝7時にアップするようにしています。通勤電車の中で、スマートフォンで見て下さる方の一番早い時間を想定した結果ですね

 

Facebookページやブログの文面は、奇をてらうことなく、実に丁寧に作成されている。何人かのスタッフで書いているが、文面は毛見さんが毎晩必ずチェックしている。

「寒くなってきましたね、バレンタインデーが近づいてきましたね、といったご挨拶から始めて、お客様の365日の出来事と気持ちを考え、その日に適した情報を提供することを考えています。

 

私達はお客様にとって、執事のようなもの。そしてSNSはお客様との大切なコミュニケーションツールであり、おもてなしの一環だと思います。ですから勝手気ままな表現はダメ。スタッフの文章が少し手前勝手な書き方になっている時は、少し修正していますね。あくまでお客様の目線に立って、お客様が必要な情報を、しっかりと丁寧にお出しすることを意識しています」


プロフィール
毛見 純子

毛見 純子 けみ じゅんこ

maojian works(株) 代表取締役

1976年大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、ベネッセコーポレーション入社。営業職として活躍。その後プライスウォーターハウスクーパースにて組織人事コンサルティング、ボストンコンサルティンググループにて経営戦略コンサルティングに従事。
2007年12月にmaojian works株式会社を設立。金融、IT、エネルギー会社へのセールスおよびマーケティングコンサルティング事業を手がける。
2011年3月に自社事業として日本製ジャージードレスブランドkay meを立ち上げ、同年7月に銀座7丁目で予約制サロンを開業。
2012年7月に銀座4丁目に常設店舗を開設。
2014年2月には同じく銀座4丁目内に常設店舗を増床移転。

※ 会社、役職、年齢など、記事内容は全て取材時のものです

教えて! あなたの

気になるあの人!

採用者にはプレゼントも♪

教える

メールマガジン

最新記事やイベント・セミナー情報をお届け!