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今を紐解き、今をもっと面白くする

平田 静子 ひらた しずこ さん ヒラタワークス(株) 代表取締役
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フジテレビの管理部門からキャリアをスタートさせ、出向先の扶桑社で書籍や雑誌の編集長として活躍し、フジサンケイグループ初の女性役員となった平田静子さん。累計400万部を売り上げている『チーズはどこに消えた?』など数々のヒットを生み出し、現在はヒラタワークス株式会社代表として出版プロデュースを手がける。この夏には人材紹介を行う株式会社サニーサイドアップキャリアの代表取締役にも就任。活躍の場を広げる彼女の「企み」をうかがう。

文=前田成彦(Office221) 写真=三輪憲亮


Part.1

 

■大事なのは、あらゆる題材を「面白がる」こと。

 

「平田静子のエネルギーの源は、"好奇心"である。だから、彼女のまわりには、"面白そうなこと"で満ち溢れている」

昨年上梓した初めての著作『そういえば、いつも目の前のことだけやってきた 頑張るあなたが人生を楽しむ54の方法』の帯に、秋元康さんが寄せた言葉だ。そんな彼女の周囲に満ち溢れる"面白そうなこと"を作り出しているのは、他ならぬ平田さん自身だ。



「私が考えるマーケティングとは『今を紐解き、今をもっと面白くする』こと。そのためには、あらゆる題材に興味を持ち、『面白がる』ことが必要だと思います。

売れる企画の判断基準などは特にありません。そもそも、どんなものが当たるかなんて、簡単には判断できません。『当たる企画にセオリーがあれば、誰だってそうするよね』。そんな話を、幻冬社の見城(徹)さんとしたことがあります。

書籍も雑誌も他のこともですが、企画作りにおいては、読者やクライアントが何を望んでいるかを見定め、そこを切り口としていく。それはもちろん基本になりますね。

あとはしいて言えば、重要なのはタイミングでしょうか。今は本当にその時期なのか。そして必要な時に、必要なコンテンツを提供することができるかを、自分に問いかけます。社会や人々のニーズや欲求に適切に応えられているものは、ヒットする要素が高くなりますね。編集長やプロデューサーは、そこを大切にするといいですね。」

 

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"面白そうなこと"に対する"我が事"感。それが今まで、彼女を動かしてきた。扶桑社時代は、2000年に発売され累計400万部を売り上げている『チーズはどこに消えた?』など、数々のヒットを飛ばしてきた。2010年に出向元のフジテレビを定年退職し、ヒラタワークス設立。その後も出版プロデューサーとして、さまざまな書籍に携わってきた。最近はミュージシャン・尾崎裕哉さん(尾崎豊さんの息子)著の『二世』(新潮社刊)を刊行。そして今、元横浜DeNAベイスターズ球団社長・池田純さんの本を手掛けている。60代後半となる今も、意欲はまだまだ衰えない。



「とはいえ、私自身はこれまで特に深いことは考えず、流れのままにやってきたら、いつの間にかここにいた感じです(笑)。今は出版をメインとしてさまざまなプランニングを行っていますが、基本的に、来た仕事は何でもウェルカム(笑)。お役に立てるなら、という姿勢でやっています。

ですから、どんなジャンルの本ならばプロデュースする、という基準は特にありません。本を出したい方がいらっしゃれば、反社会的でない限り、有名無名を問わずにやります。ただし、本を出す意味や意義を感じることなく、ただなんとなく出版したいような方は、お断りしますけれども…」
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■明るく前向き。どんな仕事でもやり抜く。

 

また最近は印刷会社と組んで、出版物をともにプロデュースするプロジェクトを立ち上げた他、デパートのイベント企画やビジネス系出版社と組んだ転職セミナーなども手がけている。そんな平田さんは新卒でフジテレビに入社し、4つの管理セクションを渡り歩いた後、35歳で扶桑社へ出向。宣伝部を経て42歳で書籍編集部の編集長に就任、という異色のキャリアの持ち主である。

 

「それまで編集未経験だった私を書籍の編集長に抜擢して下さったのは、ただ明るくて何かやってくれるかも・・・といったところでしょうか。また当時の社長はフジテレビから来ていて、もともと出版界にいた人ではないので、やはり出版界の常識にとらわれずフレキシブルな人事の発想もあった気がします」

 

世に溢れ返る情報の中から必要なもの、有益なものを見つけ、何かしらの成果に結びつける。それができるかどうかは結局、自らの姿勢次第だ。固定観念にとらわれず、どんなことにも幅広く興味を持つスタンス、そして人の心の動きを敏感にとらえるアンテナが必要だ。40歳を過ぎてから編集長になった平田さんが数々のヒット作を出すことができたのは、なぜなのか。

 

「当時は素人でしたので、自分には一体何ができるのか、自分の強みは何なのかを考えました。そして実際にさまざまな方とお会いしていくと、それがどんどん私の宝物になっていきました。そこから実際の書籍につながっていった方もいらっしゃいますし、たまたま一つ当てたことで『平田に何か企画を持っていったら、いいかもしれない』と考える方が、徐々に出てきて下さったり…

 

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私はフジテレビ時代にグループ会議事務局というフジサンケイグループのヘッドクォーターのようなセクションにいたので、フジテレビ以外に、フジサンケイグループ中に人脈ができていました。そういう方々が『実は僕らの関係でこういう企画があって…』と持ちかけて下さる。それで『面白いじゃないですか!』となり、また次の企画につながる。そんなこともありましたね。先ほども言いましたが、大事なのは『面白がる』こと。どんなことでも面白がることができるかどうかで、すべてが決まってくると思います」

 

次回Part.2では、平田さんの出版プロデューサーとしてのスタンスと、これまでのキャリアについて、深く話を掘り下げていく。

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プロフィール
平田 静子

平田 静子 ひらた しずこ

ヒラタワークス(株) 代表取締役

短大卒業後、1969にフジテレビ入社。管理部門を経て’84年扶桑社に出向。宣伝部を経て書籍編集部の編集長となり『アメリカインディアンの教え』など数々のヒット作を生み出す。その後、雑誌『CAZ』編集長、書籍編集部部長を経て執行役員、取締役、常務取締役などを歴任。
’00年には累計400万部の大ヒット作となった『チーズはどこに消えた?』をプロデュースした。
’07年には秋元康さんの『象の背中』の出版をプロデュースし、映画版のエグゼクティブプロデューサーも務める。
2010年に27年間の出向を終え、フジテレビを退職。
自らの会社ヒラタワークスを設立。出版を中心にさまざまなプロデュースを手がけつつ、2016年夏、株式会社サニーサイドアップキャリア代表取締役就任。

※ 会社、役職、年齢など、記事内容は全て取材時のものです

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