シンガポール発。旧正月(春節)の過ごし方と意味を問う心動かすメッセージを発信したSingtelとTiger Beer
【SUMMARY】
・2018年2月16日は中国文化圏で年に一度の大イベント旧正月(春節)
・帰省して家族とともに過ごす旧正月の伝統的なスタイルが多様化
・家族の大切さを改めて人々に投げかけるメッセージを複数企業が発信
【STORY】
今年も中国の旧正月(春節/Chinese New Year(CNY))が近づいてきました。
中国だけでなく、アジアの多くの国々で祝われる旧正月。2018年は2月16日がその日に当たります。
同日は、中国、台湾、韓国、北朝鮮、ベトナム、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ブルネイ、モンゴルでは、国の休日として旧正月が祝われ、各地で様々な催し物があるなど、多彩なイベントで国全体がお祭りムードとなることも。
Source Pixabay
旧正月の前後は大型連休を設定する企業が多く、中国の都市部から地方へと帰省する人々による帰省ラッシュは社会問題となっています。
この背景には、旧正月は家族が集って食卓を囲むなどして祝うものという伝統があります。
しかし近年では帰省して家族と過ごすのではなく、長期休暇を利用して海外旅行などに出かける人も増えています。
実際に筆者の住むハワイでも、クリスマス、ニューイヤーの装飾から、中国の旧正月を祝うデコレーションへと店舗の内外装を変化させている小売店や飲食店などを多く見かけますし、2月には旧正月を利用してやってくる観光客をターゲットにしたセールイベントやプロモーションなどが行われます。
時代の変化とともに、旧正月の過ごし方も多様化しています。
このような変化をどう捉えるのかは人それぞれですが、本来の家族が集って春節を祝うことの意味を改めて人々に問いかけるメッセージがシンガポールの2つの企業から投げかけられました。
まずご紹介するのは、シンガポールの通信大手Singtelです。
シンガポールで暮らす年老いた一人の男性が、外国に暮らす子どもたちが旧正月に帰ってきてくれることを願う内容です。
" Mr Lim’s Reunion Dinner "
男性にとって、旧正月といえば子どもたちが海外から帰省して皆でワイワイと過ごす一年に一度の楽しみなイベントでしたが、弁護士の息子は急な仕事で、そして娘家族は子どもの東京ディズニーランドに行きたいという希望で帰省を見送ることになってしまいました。このあたりの設定は、現代の世相を反映しています。
結果的には、子どもたちはそれぞれに計画を変更してシンガポールの父の下へサプライズ帰省をしますが、「Family matters.家族が大切」という動画の最後に現れるメッセージにハッとします。
続いてご紹介するのは、Tiger Beerの制作した動画です。
" Tiger Beer - The Letter "
奇しくも、Singtel、Tiger Beerの2社とも子どもたちと離れて暮らす一人の父親が主人公となり、家族のリユニオン(再会の集い)は叶うのかどうかがテーマとなっていました。
Tiger Beerの動画では、子どもたちが旧正月に帰省をしたかどうかの結末は表現されていませんでしたが、その代わりとして、家族のリユニオンをサポートするプロモーション( http://tigerbeer.com.sg/thereunionproject/ )へと視聴者を誘導することで動画を締めくくっています。
Tiger Beerのプロモーションでは、抽選で選ばれた2組には帰省の往復渡航費が提供されます(当選者は同社のプロモーションへの協力同意が条件)。また抽選に漏れた応募者にも、家族のリユニオンを祝う宴席のためにTiger Beer24缶パック(シンガポールドル53.50相当)が当たるという特典が用意されています。
2つの企業が同じテーマでシンガポールの人々に投げかけた2018年の旧正月のメッセージは、どのように人々の心に響いたのでしょうか。
※ニュースソース
※Mumbrella Asia
https://www.mumbrella.asia/2018/01/singtel-once-again-tackles-elderly-loneliness-with-chinese-new-year-campaign
https://www.mumbrella.asia/2018/01/tiger-beer-bring-singaporeans-home-part-chinese-new-year-campaign
※Campaign Brief Asia
http://www.campaignbriefasia.com/2018/01/tiger-beer-has-recently-launch.html