豪発。マイカップ持参でコーヒーカップのごみを削減。カフェ&消費者双方のアクションを促進するアプリが登場

ヒューレット秦泉寺 明佳 [記事一覧]

愛媛県出身。大学卒業後、広島〜東京〜アメリカと移り住んだフリーランスライター。 通訳、英会話講師など英語スキルを生かした活動も行っています。趣味は料理、ホームパーティー、水泳、ハイキング。各国のユニークな広告やTVコマーシャルのウォッチで一日を費やしてしまうことも。

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【SUMMARY】

 

・オーストラリアでは毎年50億個超の使用済み紙カップが埋め立て処分されている
・ユーザーのマイカップ(再利用可能カップ)利用はなかなか浸透していない
・企業と消費者双方のマイカップ利用意識を高める携帯アプリが登場

 

 

【STORY】

 

スターバックスやタリーズコーヒーなど多くのカフェで提供されるテイクアウト時のホットドリンク用紙カップ。

 

日頃は何気なくお気に入りの飲み物をオーダーし、コーヒーを味わい、そして飲み干した後はもちろんごみ箱に空になった紙カップを捨てていると思います。

 

紙カップだからとリサイクル可能なものとして分別している方もいらっしゃるかもしれません。

 

でも実はこれらのホットドリンク用の紙カップはリサイクル可能ではないことをご存知ですか?

 

 


Source BBC News

 

 

上の写真は、昨年3月のある温かいコーヒーが飲みたくなる寒い朝にイギリスのロンドンの路上に出現した、紙コーヒーカップ1万個でデコレーションされたダブルデッカーバスです。

 

当時の記事によれば、イギリスでは毎日およそ700万個以上、一年間で25億個以上がごみになっているのだそうです。そしてバスのデコレーションに使われた1万個という数字は、イギリスでたった二秒間の間に捨てられている紙カップ相当します。

 

紙カップダブルデッカーバスは、こうしたコーヒーカップがもたらしているごみ量へのインパクトに危機感をもってもらおうと登場しました。

 

 

持ち帰り用に使用されている紙カップのほとんどは、耐熱・耐水仕様とするためにポリエチレンが用いられていたり、そもそもリサイクル資源で作られていないことが多いのだそうです。

 

もちろん、技術的にはこれらのポリエチレンが使用されたカップのリサイクルは可能なのですが、イギリスにはそれを処理できる施設はたった2か所しかなく、その処理能力も微々たるものでした。

 

こうした状況に対して、コーヒーチェーン大手などは「Reusable Cups(再利用可能カップ)」での飲料提供率を上げる試みをいくつか打ち出してきました。

 

マイカップを持参すれば商品価格の割引があるなどがその代表です。スターバックスでは、アメリカで1ドルの再利用可能カップを販売。同カップを持参すればコーヒー一杯が10セント引きとなることから、たった10回で元がとれるカップとして消費者にアピールしていました。

 

しかしながら、なかなか消費者の意識も、そして企業側のアクションのいずれも高まりを見せていないことは周知の事実です。

 

そこで、どうにかしてこの現状を打破しようとあるアクションがオーストラリアのメルボルンで起こりました。

 


` Bring-Yo
`

 

 


Source Bring-Yo Official Website

 

 

最近リリースされたばかりのこちらの地図ベースアプリ。

 

これは、メルボルンエリアのマイカップ持参を歓迎している、またカスタマーに特典などがあるコーヒーショップを検索できるアプリです。

 

メルボルンの総合広告代理店であるV.I.が製作を手掛けたもので、仕掛け人はV.I.のクリエイティブディレクターであるChris Winterton氏です。

 

同氏によれば、オーストラリアでは年間およそ50億個のリサイクル不可能なカップが埋め立て場に送られている現状があり、これは毎秒27個の紙カップが使用されている計算になるそうです。

 

 


Source Chris Winterton Official Instagram

 

 

英語圏ではマイバッグ持参のことを略して「BYOB / Bring your own bag.」と呼んだりしていますが(※BYOBには、「Bring your own beer.」の意味もあります)、アプリの名称もこれと同様、「Bring your own cup.」から付けられています。

 

 

同アプリの使用を通して、コーヒーセントラルと自称するメルボルンっ子の環境保護への意識を高めてもらうとともに、特典やカフェそれぞれの個性を比較してなおかつ節約できるというメリットを楽しんでもらうと同時に、カフェ側にも我こそはと意識を高め自店舗をアプリにリストアップすることで、環境保護活動の一端を担いながらビジネス機会を拡大してもらいたいと、アプリ開発者側は狙っているようです。

 

 

※Bring-Yo Official Website
https://www.bring-yo.com/

 

 

※ニュースソース

※Campaign Brief Asia
http://www.campaignbrief.com/2017/09/bring-yo-launches-app-via-vi-t.html

※Bring-Yo
https://www.bring-yo.com/

※BBC
http://www.bbc.com/news/magazine-36882799
※USA TODAY COLLEGE
http://college.usatoday.com/2016/09/27/reusable-cup-starbucks/

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