フィリピン発。洪水の被災者支援が裏目に?KFCの水陸両用車両フライドチキンデリバリー
地震、ハリケーンなど自然災害の発生により大きなダメージが生じた際には、企業・ブランドが被災地や被災者に向けて救援物資を届けたり、義援金を送るなどといった活動を行うことは当たり前のことになっています。
フィリピンの北部にあるArtex Malabonという小さな村は、かつて洪水・氾濫によって大きなダメージを与えられてしまいました。
その後、1990年代初めから今日に至るまで、数十年にわたって水がなかなか引かず、現在でも同村は水上村の様を呈しており、村から容易に外出することができなくなったままの人々も多いのだそうです。
そこで、フィリピンのヴェニスとも呼ばれるこの村で、不自由な生活を強いられている村人をサポートしようとある行動を起こしたのが、KFCことケンタッキーフライドチキンでした。
Picture: Screenshot from Campaign Asia
KFCは今回、大手広告代理店であるOgilvy Philippinesとタッグを組んで、’KFC Amphibious Delivery ’というキャンペーンを実施しました。
キャンペーンでは、村にKFC自慢のフライドチキンを届けるために水陸両用車を採用。これまで一度もフライドチキンがデリバリーされたことのない村へと旅立っていきます。
Picture: Screenshot from Campaign Asia
デリバリークルーがまず向かったのは、コストの問題があり村の外へ数十年にわたって出かけられないながらも、それでも毎日を笑顔で楽しく過ごしてきたという、69歳のNanay Coraさんのお宅でした。
誕生日を迎える彼女へのお祝いも兼ねて、フライドチキンのボックスを届けたかったのです。
ちなみにキャンペーン動画の中では、彼女は母を亡くして以来、60年以上にわたって自身の誕生日を祝えていないということも語られていました。
Picture: Screenshot from Campaign Asia
Nanayさんのお宅へ、KFCのスタッフがサプライズ登場した後には、他の村人たちにももちろんフライドチキンをデリバリー。
村人たちは、生涯に一度あるかないかのとても贅沢な出来事だと大喜びされていました。
と、キャンペーン動画ではハッピーエンディングを迎えるわけですが、このキャンペーンを知った世間の人々からは、微笑ましい取り組みだと賛同の声も上がりましたが、同じくらい批判の声も聞こえてきたようです。
マイナス評価を与えた人々からは、「今回のストーリーはKFCにとって美談となるように都合よく村と村人を利用して作られている」といった声や、「KFCほどの企業がこれっぽっちの支援など恥ずかしい」という声、「ミネラルウォーターや保存性のある食べ物など、必要とされている物資を届けるべきだった」という声などがあがっていました。
皆様は、今回のKFCフィリピンの取り組みについて、どう感じられますでしょうか?
キャンペーンの動画もぜひ合わせてご覧ください。
" KFC Amphibious Delivery "
※ニュースソース
※Campaign Brief Asia
http://www.campaignbriefasia.com/2017/05/ogilvy-philippines-braves-floo.html
※Mumbrella Asia
http://www.mumbrella.asia/2017/05/even-live-flooded-village-philippines-never-fear-kfc-still-delivers/
※Mashable Asia
http://mashable.com/2017/05/02/kfc-philippines-hovercraft/#Oq9ywliwRiqD
※Campaign Asia
http://www.campaignasia.com/video/poor-residents-of-a-flooded-philippines-village-need-kfc/436090