新メニューはハンバーガー!?“イタリアン”レストラン「Olive Garden」の起死回生の秘策に賛否両論|スゴい★PR
■スゴい★PR~アメリカからマーケティングのニュースを旬にお届け~■
●新メニューはハンバーガー!?“イタリアン”レストラン「Olive Garden」の起死回生の秘策に賛否両論
読者の皆様、こんにちは。
今回は、アメリカでは最大手のイタリアン-アメリカンレストランブランド「Olive Garden/オリーブガーデン」の最新の取り組みをご紹介したいと思います。
※Olive Garden Website
http://www.olivegarden.com/
「オリーブガーデン」は、「Darden Restaurants」傘下のイタリアンレストラン。
そもそもは、「General Mills Inc.」のレストラン部門の一ブランドとして、1982年の12月にフロリダ州オーランドに最初の店舗をオープンした、かれこれ30年以上の歴史を誇るブランドです。
1995年に現在のDarden Restaurants傘下にGeneral Millsからスピンオフしてからも、店舗網は拡大を続け、現在では832店舗を有しています。
Darden Restaurantsには、この「オリーブガーデン」以外にも、「Red Lobster」や「Longhorn Steakhouse」、「Yard House」など、8つのレストランチェーンで2100を超える店舗があり、過去には「オリーブガーデン」がその最大の稼ぎ頭だったこともあったそうです。
※Darden Restaurants Website
http://www.darden.com/
しかし、近年。「オリーブガーデン」の客足は伸びず、売り上げも伸びるどころか前期割れが発生。
不景気が続き、外食の機会を減らす傾向が続き、またその予算を抑える志向が強い中で、かなり強気の価格設定の「オリーブガーデン」は、割を食うことが多かったのかもしれません。
同店のディナーメニューのメインコースは、$12~$20あたりですが、ほとんどのメニューは$15以上。
これに、飲み物代とチップ(ディナーなら20%ほど)が加算されるのですから、家族で出かけるにもちょっと高めな価格設定と言えます。
(ちなみに、あくまでも「オリーブガーデン」は、「カジュアル・ダイニング・レスラン」のカテゴリーです。)
そこで、「オリーブガーデン」では、今年から、様々な「Brand Transformation/ブランド変革」の施策を実施しはじめました。
例えば、
● Taste of Italy small plates
これは、$4~$4.5の白豆のハマスなど、スペイン料理のタパスのような小皿料理のイタリアン版メニュー。
若い世代などの、「バーホッピング」感覚での利用、すなわち、アルコール飲料+スナック(お酒のあて)感覚の小さ目サイズの食事を志向する人たちを、より多く取り込もうとしたものです。
●Buy One Take One Program
このメルマガでも紹介した事のある、「BOGO=Buy One Get One Free/1つ買えばもう一個はタダ!」と同じなのですが、「BOTO=Buy One Take One/1つ注文すると、もう1つ持ち帰り用はタダ!」ということなのです。
日本では、レストランなどで外食した時に、食べ残しを持ち帰るということは、ほとんどできなくなっていますよね。
でも、アメリカではいたって普通。「To Go Box」なる、持ち帰り用容器がほぼどんなレストランにも用意されていますし(超高級レストランなどは除く)、食べ残しが多くあれば、お店のスタッフの方から、持ち帰るかどうかを尋ねてくれます。
しかし、今回「オリーブガーデン」が導入したのは、「食べ残し持ち帰り」ではもちろんなく、$12.99の指定のメニューの中から、お店で食べるメインコースを一つオーダーすると、さらに持ち帰り用のメインコースをまるまる「To Go Box」に入れてくれ、それをお家に持ち帰られるという
プログラムなのです。
そして、今月12月2日からスタートさせたのが・・・・
●ITALIANO BURGER
イタリアンレストランに、ハンバーガーのメニューが登場!という、なんともびっくりな取り組みです。
ちなみに、この「イタリアーノバーガー」は、16時までのランチタイム限定で提供されています。
6ozの牛肉のパティに、フレッシュなモッツアレラチーズ、そしてイタリアンプロシュート、さらにアルグラ、マリネされたトマトに、ガーリックアリオリソースのグルメハンバーガー。
付け合せは、パルメザンチーズガーリックフレンチフライ。
どうでしょう、読者の皆様、食指は動きそうでしょうか?
そして気になる価格設定は、、、
なんと強気の$9.99。
チップ代金と飲み物でも頼もうものなら、軽く1500円コースのランチになります。
あ、ちなみに「オリーブガーデン」の伝統ですが、メインコースを頼むと、おかわり自由のサラダもしくはスープとスティックパンがついてきます。
ランチ客をより多く呼び込もうという意図から、今回のランチメニュー改革として、とりわけアメリカ人が大好きな「ハンバーガー」の投入が決定したわけですが、この取り組みには専門家、メディア、そして消費者までも、その評価が二分しています。
例えば、NYをベースに活動する市場調査・分析グループ「Telsey Advisory Group」のアナリスト、「Peter Saleh氏」は、こんな風に取り組みを批判的に見ています。
“It would be the same as McDonald’s trying to do some sort of pasta meal,”
「まるでマクドナルドが、パスタを売り込もうとしているようなものだよ」
※オリーブガーデンのハンバーガー投入を取り扱ったニュースはこちら
http://www.bloomberg.com/video/olive-garden-s-chili-s-burger-six-ouncer-challenge-jy1mEzesTpCsDiG4FQThlQ.html
まあ、もちろん、好意的なコメントを発している人もいるので、なんとも言えないところですが、なんとなく、この施策で、V字回復にはならないような気がしてしまうのは、私だけでしょうか・・・。
というわけで、今後(も続くであろう)の、オリーブガーデンが仕掛ける継続的な、ブランド変革施策にも、まだまだ注目です。
※ニュースソース