2016年アメリカ最新拡張現実とバーチャルリアリティー事情

内田 洋子 [記事一覧]

NewEdge PR LLC 代表(兼:ロイヤルアドバータイジング・ニューヨーク支部代表)、Teezler創設者、JinJour編集長。海外市場向けマーケター&新サービス企画・プロデューサー。 神奈川県藤沢市生まれ。15歳で留学のため単身渡米して以来、長い間現地で培ったアメリカ人の考え方やものの見方を活かし、ニューヨークで数々のマーケティングプロジェクトに携る。 2014年に日本の良いモノを海外に広めるためニューエッジPR社を設立。 現在はニューヨークで主に海外市場向けのEC・デジタル戦略やメディアプロジェクト、新サービスのプロデュース事業を展開中。(写真:ブロードウェイにて)

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Vol.13
「ニューヨーク発!マーケ最新事情」

 

日本でもつい最近ローンチされたポケモンGo。ニューヨークのセントラルパークにはポケモンGOプレイヤーが殺到し、道行く人が皆ゲームに夢中になっている姿をよく見ます。多くの店先には「モンスターがいるよ!」といううたい文句で集客成功するカフェやレストランも続出。そんな中、拡張現実(AR)を使った技術がまさか今年ここまで大流行するとは思ってもみなかった人も多いのではないでしょうか?

 

そのほかにも最近ではキャディラックが販売代理店を今後バーチャルリアリティー化すると発表。販売店の数的には多い割には売れ行きが他の高級車と比べると低めな事から、バーチャルリアリティー化による効率性を図る試みとして発表されました。

 

そこで今回は前回同様アメリカのルイジアナ州で開催されたテクノロジーの祭典、コリジョン・カンファレンス(Collision Conference)で学んだアメリカ最新の拡張現実とバーチャルリアリティー情報に関してマーケティングの視点から考えてみたいと思います。

 

@tribecalledgeekツイッターよりCollision Conferenceにて
@tribecalledgeekツイッターよりCollision Conferenceにて

 

 

世界中の最新テクノロジーが展示されたコリジョン・カンファレンス。その中でも今アツイ話題として拡張現実(AR)とバーチャルリアリティー(VR)に関してセミナーセッションが多く開かれたり、実際にARやVRを体験するブースのほかに、VRやARのスタートアップのブースも数々設置され多くの人の注目を集めていました。以下、デロイト・トウシュ・トーマツのCTOビル・ブリグズ(Bill Briggs)氏によるVRとARのセッションをマーケターの観点を含めまとめました。

 

 

スマートフォンのあとは何が来る?

 

世界中の人々の日々のコミュニケーションに大革命をもたらしたスマートフォン。このスマートフォンの後には一体何が私たちの生活に革命をもたらすか?そんな問いに対して、「スマートフォンのあとはARとVRが来る。」と話すブリグズ氏。そして彼は、「今まさにARとVRの波が来ている。」と説明し、企業は今このARとVRの波に備え無ければいけないと「エンタープライジフィケーション」(Enterprisification)を提唱しARとVR時代到来の幕開けを訴えていた事が印象的でした。

 

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AR/VRマーケティング

 

では具体的にどのような種類のARやVR活用方法があるかをここで紹介すると同時に、マーケティングの活用方法も一緒に紹介します。

 

 

1.シミュレーション型

よりリアルなトレーニングができるシミュレーション型の活用は主に教育目的で使われる一方、シミュレーションによってマーケティングの活用方法としてはホテルやアパートなどのバーチャルツアーが可能となったり、そのほかに車の販売や実店舗に今までは出向かなくてはいけないような場所も今後はVRによってシミュレーションによって体験を持って、商品の良さを伝える事が可能となる。

 

2.ソーシャル型

「友達のウェディングに行けない!」等という事も今後はVRを使う事により解消され、遠く離れていてもVRを使えば、あたかもそこにいるかのようなが経験が可能となる。
マーケティングの活用方法としては、ソーシャルメディア上で集まった者が皆アバター同士でバーチャルミーティングをしたりする事も可能となり、よりリアルな交流が可能となる。

 

3.体験型

今後はVRやARによりストーリーをより感情に訴える事が出来るようになる。例えばアフリカにきれいな水を届けるプロジェクトや、その他社会貢献や献金を集める際に実際に現地にいるかのような体験がVRで出来る事でより人々の感情に訴えられるメッセージを伝える事が可能となる。マーケティングは、今後5感を使ったストーリーを伝える事が可能となる。その他、コンサートをVIP席から閲覧するなんてことも可能となる。

 

4.ガイド型

ARを利用することにより、目の前の実世界にバーチャルで指示が展開されることも可能となる。これによって道に迷ったりする事もなくなり、実店舗前にバーチャルのクーポンを付けるなどする事によって集客する事なども可能となる。

 

 

AR/VRのモーションデザイン

さて、クリエイティブの観点では今後どのようなデザインが必要となるか?ARやVRの世界では「動き」をセンサーで察する事がポイントとなります。以下それら動作の一部を紹介します。

ポイント―指で何かを指す動作
クリック―ボタンを押す動作
タイピングーキーボードを打つ動作
タッチ―触る動作
スワイプ―指や手による「スワイプ」の動作
声(会話)―声によるセンサー
ジェスチャー体全体の動き
目—目の動き
感情認識―感情の動き
顔認識―顔の動き

 

もしかしたらこれらの動作をメディアのクリエイティブ時に検討しなければならない日もそう遠くはないかもしれません。

いかがでしたか?
ARやVRはSF映画の世界で実際に経験する縁が無いと思っていた方もそうでない方も、すこしでも何かのヒントになれば嬉しいです。
それではまた次回!

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