混じりあって、美しい…

鈴木 俊二 [記事一覧]

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47歳 東京都在住 株式会社グラフティ代表取締役 雑誌『Tokyo graffiti』編集長 福島県生まれ 大学より上京 早稲田大学法学部卒業。 ファッションビルの運営会社のサラリーマン時代を経て、2004年『Tokyo graffiti』創刊より現職。 趣味はスーパー銭湯のアカスリとSF小説の読書と柴犬の散歩。妻、娘、犬と3人1匹暮らし。

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vol.2
「はじめに『願望』ありき。マーケティングはあとづけ」

 

夢を追う少年の叫び…。

 

 

生まれ変わるなら、どの国に生まれたいですか?

…前回と、同じ出だしですみません。

とある初夏の日、
妻も娘も寝静まった深夜、
僕は、とあるマイナーなテレビドキュメントを見ていました。

ボサノヴァを作った男。ジョビンとジルベルト。
みたいなそんな番組。

ここ数年、ブラジル〜キューバ系の音楽を聞いてる率50%以上を占める僕としては、
当然見てしまうのでした。

そして、やっぱりあの曲。映像はやっぱりあの砂浜。

イパネマの娘(訳詞付) - ガル・コスタ&トム・ジョビン

リオデジャネイロのイパネマ海岸、
日焼けしたイパネマの娘。Tバックのビキニ…。

僕の心は、夢を追う少年に戻る。
そして、心の世界の中心で愛を叫ぶ。

「あぁぁあぁああ〜。
なぜ僕はリオに生まれなかったんだぁ〜。
なぜ僕はイパネマの息子じゃないんだぁ〜」

ビートルズの『イエスタデイ』に次いで、世界中で多くカヴァーされた曲。だそうです。

イパネマの娘 GAROTA DE IPANEMA

 ♪ なんて美しいんだろう
  とても優雅なあの娘が
  浜辺を歩いていく…

  ああ、なんて寂しいんだろう
  ああ、なんて切ないんだろう
  あんなに美しい娘がいるのに
  僕の手が届かない
  ただ目の前を通り過ぎてゆく…

 

ハァ〜…、なんかこの歌詞の気持ち、
とてもとても、わかるわかる、わかりすぎる。

あまりに魅力的な女の人を見かけたときに思う、
この胸がポッカリ空くような、男のギザギザハート。
美しいのに、なぜか切ない…。

イパネマ海岸とイパネマの娘

日本から2万キロ、イパネマ海岸とイパネマの娘のバックショット。ハァ〜…。

 

池袋に吹いた神風…。

僕が大学生だったころ、
ある初夏の土曜日の午前中、
まだ人通りの少ない池袋のサンシャイン通りを歩いていました。
すると前方から短めのフレアのワンピースを着た、
とてもステキな20代後半くらいのお姉さんが歩いてきました。

4〜5メートルに近づいたとき、一瞬僕と目が合いました。

その直後、奇跡が起きたのです。

地下鉄の通風口から吹き上げる風が!
まさにマリリンモンローの写真みたいに、
ものの見事にスカートがめくり上がりました!!

「きゃっ!」とお姉さんは押さえましたが、
目の前にいた僕には、思いっきり見えました。
しかも前が……。

その直後です。
もう一度お姉さんは僕の顔を見ました。
なぜって、スカートがめくれ上がる直前に僕と目が合ったので、
僕に確実に見られた! とわかるので…。

そして、お姉さんはスカートをおさえながら僕の目を見て、

ニコッ
と微笑んで、すれ違って行ったのです…。

………。

わかりますよね。
男ならわかりますよね、よね、よね。
この胸ポカ〜ン放心状態 & その日1日フヌケ状態 & 運を数ヶ月分使い果たした感…。
なぜこんなに美しいの?

イパネマの娘を聞いていると、
あの時の池袋お姉さんの微笑みが、初夏の風に舞うスカートが、僕の青春メモリーが、
痛いほど蘇ってきます。
わかるぜ、ジョアン。そうだよな、ジルベルト…。
ハァ〜…。

…っていうことは、僕がブラジルに生まれても同じってことか !?
2万キロ離れてポカ〜ンと放心してるか、2メートル離れてポカ〜ンと放心してるか…。

なぜ、イパネマの娘はこんなにも美しいの。
なぜ地球の裏側のボクの胸がキュンキュン切なくなるの。

それは、
きっと、
混血が進んだ美しさだから。

実は僕の奥さんは南米で数年暮らした事があるんですが、
奥さん曰く、
「南米では、混血で肌が濃いめの女の子の方が、白人よりも断然モテるんだよねぇ」
ついでに言うと、「オッパイよりもヒップラインが重要」とのこと。

そうか、そうだったのか。
やっぱり混血がステキなんだ!
混じり合って美しいんだ!
民族融合なんだ! 世界平和なんだ!

 

それは、とても気持ちいいこと。

男って、旅をすると、その土地の女性と〇〇したくなる、って言うじゃないですか。
あれも、ある意味自分の地元から遠いところに、
自分の遺伝子を広げたいっていう本能らしいです。
やっぱり、多種多様な遺伝子が混じり合って、
生物として強くしたいっていう本能なんでしょう。

なんで、僕が地球の裏側の、イパネマ海岸のTバックのお尻に憧れるのは、
DNAにそう仕込んであるからであって、僕個人のせいじゃないんです。

21世紀以降は、「混血」の時代です。
みんな混じりあうんです。間違いないです。

「私と一つになりたい? それは、とてもとても気持ちいいことなのよ」
と、綾波レイも言っています。

子どもの頃に夢見た21世紀。
近未来SF小説によれば、そろそろ国なんてなくなって世界連邦になってるはずです。
学校教育も「愛国心教育」なんてクラシックなのはやめて
「国際友好教育」をしてほしいなぁ。
ってちょっとマジメに思うけど、そう思いませんか?
リオオリンピックやら、ワールドカップやら、
BRICsやら、
別に僕が言わなくても、ブラジルは俄然盛り上がってきます。
そのブラジル〜ラテンのいろんな魅力のなかでも、
「混血」こそ、これからの日本の、そして世界の主流に、
ついでにマーケティングの主流になっていくでしょう。(とってつけたようですみません)

例えばわかりやすくこんな感じ。わかりやす過ぎか…。
http://www.matetea.jp/dance_movie/
(某社の回しものじゃないです、念のため)

「愛国」とか「領土」とか言ってないで、
みんなで混じり合う事を考えましょうよ。
遅かれ早かれ、数千年単位で考えれば、結局混じり合うんです。
僕もイパネマで混じり合いたいなぁ…。

ミウラ海岸のリアル娘

イパネマ海岸から2万キロ、ミウラ海岸のリアル娘のバックショット。

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