インフルエンザの季節目前。大手ドラッグストアWalgreensが、CSRを絡めて予防接種希望者にアプローチ
Picture:Screenshot of Walgreens Official Website
読者の皆様、こんにちは。
9月も中旬に差し掛かり、晩夏から初秋へと、
季節の移ろいを感じるようになってきました。
アメリカで、9月頃から大手ドラッグストアや、
コストコなどの調剤薬局コーナーで見かけるようになるのが、
「Flu Shots Here Today!」
という内容の看板です。
Picture:Screenshot of Imagination Health
そう、「インフルエンザの予防接種」がここで受けられますよという
告知なのですが、私も初めてこの看板に遭遇した時には、少々びっくり
しました。
日本では、医療機関(病院)で、医師の手によってインフルエンザの
予防接種をしてもらうことが常ですが、アメリカでは事情が異なります。
アメリカでは、薬剤師の方で免疫学も勉強し、予防接種の研修を受けた
方なども増えてきています。
そして、そうした薬剤師の方がいらっしゃる調剤薬局では、病院や診療所
ではなく、ドラッグストアやウォルマート、コストコなどの調剤薬局
コーナーでも予防接種を受けることができるのです。
このように、ドラッグストアなどに予防接種に対応できる薬剤師が
急増したのは、2009年に豚インフルがアメリカで猛威をふるった際に、
多くの市民が、ワクチンをストックしてあるドラッグストアなどに
押しかけたことがきっかけとなっているとい言われています。
とは言え、アメリカ全土に店舗展開をする大手ドラッグストア、小売店の
調剤薬局のうち、ほぼ全てと言っても過言ではない場所で、予防接種が
可能となったわけですから、ここでもまた「顧客の取り合い」が
始まってきています。
とりわけ、予防接種は粗利益が高く、値崩れを起こすこともない商品
なので、各店ともに売りたい商品の一つなのだそうです。
そこで、大手ドラッグストアチェーンの一つ、「Walgreens/ウォルグリーン」では、
「Get a Shot.Give a Shot./予防接種を受けて、予防接種をあげよう」
というコピーを掲げて、キャンペーンをスタートさせました。
これは、ウォルグリーンによって今年で2年目となるもので、国連の機関が
主催している、「Shot@Life campaign」を通じて、主に発展途上国の子ども
たちが予防接種を受けられるように、ワクチン費用などを寄付するという
ものです。
9月9日から10月13日までの間は、ウォルグリーンでインフルエンザの予防
接種を含む、全ての予防接種(帯状疱疹、肺炎、髄膜炎、A/B型肝炎、麻疹、
風疹、水痘、ポリオ、HPVなど)が受けられる毎に、1ショット分の金額を
寄付。
10月13日以降、2014年いっぱいは、インフルエンザ以外の予防接種に対して
同様に寄付を継続し、年末までに「600万本」の予防接種を途上国の子ども
達に届けることを目標としているのだそうです。
またウォルグリーンでは、Facebook上でよりキャンペーンを広める
仕掛けも展開。
「Take A Pledge/約束を果たそう」
と人々に呼びかけ、ウォルグリーンで予防接種を受け、途上国の子どもたち
の未来をサポートする動きを広めてもらうよう、「約束をする」とした
人の顔写真をコラージュ。
Picture:Screenshot of Walgreens Official Website
このコラージュは、ウォルグリーンのホームページ上で掲載されている他、
コロラド州デンバーの屋外広告にも登場するのだそうです。
最後に紹介するのは、今回の取り組みにあたって、キャンペーンを担当する
クリエイティブチームが、国連のスタッフともに、タンザニアにわたって
制作をした動画です。
「もし大人になれたら、将来の夢は・・・」としか語れない子どもたちも
いるタンザニアで、「大人になったら、将来の夢は・・・」と子どもたちが
言えるようになる医療体制を実現しようというコンセプトで作られていて
素敵な仕上がりになっています。
※Get a Shot.Give a Shot.
※ニュースソース
※Walgreens News Release
http://news.walgreens.com/article_display.cfm?article_id=5897
※Supermarket News
http://supermarketnews.com/pharmacy/retailers-get-creative-flu-shot-promos