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「日本のコンテンツをただ輸出すればいい」という時代はもう終わった

永谷 亜矢子 ながや あやこ さん (株)よしもとクリエイティブ・エージェンシー


有名モデルやタレントが事務所の枠を超えて登場し、日本の女の子のリアルクローズを世界に発信するイベント「東京ガールズコレクション(TGC)」。TGCは2005年の立ち上げから単なるファッションショーではなく、それ自体が巨大メディアへと成長。eコマースを導入し、ランウェイを歩くモデルが着ているのと同じアイテムをその場で購入できるなどの先進的な試みも話題となった。今回お話をうかがうのは、かつてTGCのプロデューサーを務め、現在はよしもとクリエイティブ・エージェンシーのプロモーションセンター長としてアジア戦略の一翼を担う永谷亜矢子さん。彼女の今の「企み」とは?

文=前田成彦(Office221) 写真=三輪憲亮


Part.1

 

■現地でしっかりとニーズを開拓しないと、続かない。

 

  今や単なるファッションショーではなく、ガールズファッションのトレンド発信の一大拠点となり、自体が巨大メディアへと成長した東京ガールズコレクション(TGC)。今回お話をうかがうのは、そんなTGCのプロデューサーを2005年の立ち上げから務めた永谷亜矢子さん。今はTGCから離れ、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに在籍。吉本興業のプロモーションの統括とアジアでの女性向け新規事業の構築に取り組んでいる。

 

「現在のミッションは、吉本興業の持つプラットフォームを活用して、これまでなかった女性向けコンテンツを構築することです。その中で今、手がけているのが、台湾での女性向けライフスタイルにまつわる番組制作 日本と台湾のファッション、ビューティ、食、観光、レジャー、恋愛などを比較する情報番組で、現地メディアとの共同制作になります。

吉本興業はこれまでも、日本の番組を台湾に販売してきました。でも今、手がけているのはそうではなく、共同制作番組。日本と台湾それぞれで作ったコンテンツVTRを、台湾のスタジオで一つに合わせて製作しています。そういった事例は今までほとんどありませんが、これは、現地で人気タレントを育て、マーケット開拓をしていこうという考えからです。現在は、日本のコンテンツをただ持ち込むだけでは不十分。『日本で人気だから台湾でも』という考えは完全に古い。現地でしっかりとニーズを開拓しないと、ビジネスとして続かない。今はそこの道筋を作っているところです」

 

■「SUPER GIRLS FESTA」の狙いは、メディアを通じたPRによる流通の拡大

 

 永谷さんの仕事のベースにあるものが昨年、創業100周年を迎えた吉本興業が打ち上げた「よしもとNEW GIRLS PROJECT」。日本のファッション・ビューティーカルチャーを世界へ発信し、ガールズマーケットの活性化を図るプロジェクトだ。その第一弾のイベントとして、昨年4月、台北市でガールズファッションイベント「SUPER GIRLS FESTA」を開催。山田優、佐々木希、長谷川潤、藤井リナ、益若つばさといった日本のトップモデル14人と台湾の人気モデルら総勢50人が競演し、大きな話題となった。

 

「ただし目的は、ファッションショーの開催そのものではありません。一番は、クライアントそしてメディアとの関係を、あらためてしっかりと構築すること。日本のファッションやビューティ文化はアジアで人気はあっても、なかなか流通していかない。そこで大規模なファッションイベントを行い、そこでのメディアを通じたPRを利用し、流通の拡大に繋げていくことが、最大の狙いでした。

 

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イベントの開催にあたり、日本のファッション雑誌を現地で発刊する出版社と協業してオリジナルの記事を作ったり、テレビ番組やネットメディアをフルに活用するなどのPRを徹底的に行いました。それが実際の商品の売り上げにつながり、報道メディアにも取り上げてもらうなど、今は非常にいい流れにあると思っています。」

 

現在、手がけようとしているのは、ガールズ向けコンテンツ製作に始まり、クライアント企業の販促支援や商品開発、eコマースによる流通開拓やアプリケーション販売、そしてタレントのマネージメントといった広範囲のビジネス。吉本興業の現地法人が制作するテレビ番組やウェブなどを活用し、積極的なプロモーションを仕掛ける。

 

「新しいコンテンツを作っていくにあたり、必要不可欠なのが現地で支持を得られるタレント。現地でタレントを育て、人気者にしていくことはすごく根気のいる作業です。でも、そうやって現地に腰を据えてマーケット開拓をしないと、もはや通用しません。正直、日本の事務所に所属しながら、アジアの国でメディアに出て活躍しているタレントはまだ少ないのが現状ですが、そこに関しては、ウチは有利な状況にあります

 

 永谷さんが語る「有利な状況」とは? その答えから、彼女が今、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに籍を置く理由が見えてくる。


プロフィール

1972年愛知県生まれ。株式会社よしもとクリエイティブ・エージェンシー プロモーションセンター長。
’95年にリクルート入社。住宅情報誌の営業、海外旅行情報誌の営業企画と編集、結婚情報誌の編集などを手がける。
2003年に退社後、フリーマガジンの制作・発行を手がけるエフモードを経て、2005年にブランディング社(当時ゼイヴェル)入社。東京ガールズコレクションの立ち上げに際してプロデューサーに就任。
2008年には日経ウーマン主催のウーマンオブザイヤーで総合2位に選ばれ、2009年より関連会社F1メディアの代表取締役に。
2011年より、よしもとクリエイティブ・エージェンシーへ。

※ 会社、役職、年齢など、記事内容は全て取材時のものです

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