加熱する!リアルクローズのレンタルアパレル・ベンチャー ①

笹山 真琴 [記事一覧]

PRプランナー、コンテンツプランナー、プロダクトプランナー、イベントプランナー、コピーライター、コラムニスト。美容製品、食品、消費財を中心としたマーケティングプランニングやベンチャービジネスコンサルテーションに従事。

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Vol.3
「理屈じゃない?うううん、ロジカル!女子キュン♡マーケ」 

 

 

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すっかりご無沙汰しております!笹山真琴です。

サボりぎみの「にっぽんのマーケター」箸休め枠連載、「理屈じゃない?うううんロジカル♡女子キュンマーケ」。
第3回は、ここ最近新業態の立ち上がりの目立つ、“女子向けアパレルレンタル事業”に注目。

 

“アパレルのレンタル”、というと、古くは昭和時代からある貸衣装屋さんなどを連想される方もいらっしゃいますが、大きな違いはオンラインなどを駆使したビジネスであること、なんて底の浅いことは言いません(笑)

 

一番大きな違いは、いわゆる貸衣裳屋さんや貸しドレス屋さんが、結婚式や謝恩会といった晴れの席で着用するドレスや晴れ着をレンタルするところ、

最近話題のこのビジネスでは、“普段使いの服”、リアルクローズをレンタルするのです。

 

普段着借りるんですよっ!姉妹かいっ!
みたいな話ですが、この潮流、ちょっと前のCtoC(顧客同士のフリマなどの取引)コマース事業白熱に次ぐ、無視できない女子向けビジネスムーブメントだと捉えております。

フリマアプリなどはいまだ活況と言われますが、媒体が増えて出品ハードルが下がったということは、それだけ競合=商売敵も増え、コンバージョンも下がるのは必然。実は結構多くの女子が実感している気がします。

L○NEモールやメル○リに出品しても、ブランド名で検索がかかるようなものじゃなければ、ハッキリ言って
「あんまり売れねー…」
という印象を抱いている女子は多いです。

エログッズは売れゆき好調と言われているヤフ○クでも、可愛らしい中古アパレル商品なんてビクリとも動かない。

「こんなんじゃ100均でパンツ買って履いて売ったほうがよっぽど儲かるじゃん!」なんて怒り心頭の乙女もいるとかいないとか。
(※もちろん、ブランドとして名の通っているモノなどはすぐに売れたりと、一概に出品しても売れないというわけではないです)

お小遣いも足りない中で、それでもおしゃれしたい女子は、最初はきっと夢見たはず。

「新作のお洋服を買って、ちょっと使ったらまた売って、また違うの買えるじゃん♡」

しかしこんな少女らしい夢が儚く散った今、気づいたわけです。

「なんかもう、買わなきゃいーじゃん。あ、どこかで借りれないの?」

そんなニーズとマッチしたのが、この、ニュービジネス“普段着のレンタル”なわけです。

「デフレスパイラルと呼ぶなら呼べ!これはエコよっ!!」
そんな声が(誰から?)聞こえてきそうですが、思えばいたってナチュラルな流れですね。

このフローを予測していたのか否かは定かではありませんが、“シェアリングエコノミー”という風潮の先に商機を見出した2社を実際に取材してみましたので、2回に分けてお届けします。

コンサル出身男子3人が立ち上げた、月額6800円でEコマースで3着レンタル(交換なども無制限)できる、忙しいOL実需を見込んだairCloset(エアクローゼット)

対し、29歳女子の立ち上げる、渋谷エリアでの実店舗展開で月額500円で1アイテム~をレンタルできるLicie(リシェ)

メディアでも話題を呼んだアパレルレンタル2社の経営者のお話をもとに、このニュービジネスの未来に思いを馳せてみたいと思います。

2社とも、開始前よりテレビ等で報道され、「想定外の利用希望者が殺到しちゃって大変です!」と嬉しい悲鳴をあげていらっしゃり、ますます「女子きゅんマーケ」的に放置できないムーブメントであると確信いたしました。

① コンサル&楽天育ちの男子3人が手がける「airCloset」

2月にオープンした「airCloset」は、月額6800円(服のやりとりの送料も服のクリーニング代も基本的にここに含まれる、流行りの月額固定モデル)を支払うだけで、プロのスタイリストがユーザーの好みに合わせて選んだ洋服をレンタルできるサービス。

Eコマースでの展開で、月額会員になると、女性誌などで活躍するプロのスタイリストによって選ばれた3着が専用ボックスに入って送られてきます。

届いた服を何度か着たあと(もちろん着なくてもよし)返送すると、数日後に別のアイテムが送られてきます。常にユーザーは合計(所持数)3着の服を毎月、とっかえひっかえ楽しめることになります。

ユーザーのサイト上マイページからのフィードバック(例「スカートは履かない」、「こういう色が好き」)をもとに送られる服のチョイスは精査され、続ければ続けるほど、利用者の好みに合致したものが送られてくるということ。

コンサル&楽天育ちのスマート男子3名企画によるこのairCLosetの価格設定は、返品率や交換頻度なども緻密に試算されてはじきだされたということ。
非常に理知的な雰囲気のIT企業さんで、ベンチャーキャピタルから出資も取り付けています。

初期の事前登録時点で2万人の登録者を獲得していることからも、このビジネスモデルへの潜在需要が非常に大きかったことが伺えます。LINEまとめなどでも自然発生的にまとめられ、「神サービス」と讃えられています。

このairClosetのターゲットは、アラサーの働く女性で、既未婚・子供の有無は問わないそう。

代表取締役CEO・天沼聰さんの奥様がちょうど子育て世代なのもあり、「おしゃれしたいけれどなかなかお出かけできない・ゆっくり服を選ぶ時間などない」といった女性たちのニーズを身近に感じていたことも大きいよう。
また、奥さんの買う服のパターンがいつも決まっている、と感じたこともヒントになったとのこと。

株式会社ノイエジークのお二人
株式会社ノイエジーク代表取締役CEO天沼氏、取締役COO前川氏
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www.air-closet.com

 

天沼さんいわく、「妻と買い物に行くと、私にも、『大体妻はこのショップからここを見て、ここをまわるだろうな』という予想がつくんです(笑)。そこで思ったのが、限られた時間の中でお店をまわろうとすると、特定のブランドのお店で、自分に似合うとわかっているものしか買わない。女性にもっと新しい服に出会ってもらって、ワクワクしてもらって、『さあ、お出掛けしよう!』 となれっていただければ、僕たちも嬉しい

なんと・・・!

妹メイベルの恋愛成就のためにワセリンと石炭でマスカラを作ったメイベリン・ニューヨーク創始者T・L・ウィリアムズみたいじゃない♡

と思ったのは私だけではないでしょう。
このairClosetの商品ラインナップは、いわゆる雑誌でいうと「CLASSY」(“本命彼女に読ませたい雑誌No.1”と謳っていました)や「BAILA」「Oggi」といった、いわゆる“丸の内系”というか、コンサバ・オフィスカジュアルな系統を豊富に取り揃えるそう。

実用的でもあり、そして内心、ちょっと男子ウケコンサバっぽいかんじになっていきそうかな、なんて思ったりもします。

まぁ、そういうファッションしているのが幸せへの近道ってオバサンは知ってるんですけどね。

 

☆airCloset への取材記事、詳細はこちらから↓
WOMEN’S SHOWCASE「アパレル&IT関係者騒然!アパレルレンタルサービスairClosetの全貌☆

 

次回は、29歳女子の立ち上げる、渋谷エリアでの実店舗展開で月額500円で1アイテム~をレンタルできるLicie(リシェ)についてご紹介します!
《笹山真琴さんへの質問・ご相談・お仕事のご依頼はこちらから》

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