シンガポール発。実際の出産シーンを取り扱った国内初のCMで話題の生命保険会社
【SUMMARY】
・生命保険会社とその商品に対する一般的なイメージは「生」よりも「死」
・「生」を強く感じることのできる出産シーンをシンガポールで初めてCMに使用
【STORY】
生命保険や生命保険会社と聞くと、どんなイメージを持たれるでしょうか?
シンガポールの人々にとっては、生命保険は大切な人の「死」や病気などに対しての備えとして捉えられています。日本でもおそらく同じような見解を持つ方が多いのだと思います。
しかし、こうした一般的な生命保険に対する認識を見直すきっかけとなるようなコマーシャル動画がシンガポールで制作・公開されました。
動画を公開したのは、シンガポールの生命保険会社Singapore Life社です。
同社はDentsu Singapore並びにDentsu Xの協力のもと、モノクロの赤ちゃん出生の撮影で知られるオーストラリアを拠点とするプロデュ―サーHailey Bartholomew氏に撮影を依頼。
動画に登場しているのは計6人のシンガポールの一般女性とその家族です(中国系4人、インド系1人、マレー系1人)。
出産や生まれたばかりの赤ちゃんを取り上げた多くのコマーシャルでは、妊婦さんや生まれた赤ちゃんの美しくきれいなシーンにフォーカスされていることが多いのですが、今回の動画ではよりリアリティを重視した制作側の意図が強く表れています。
ありのままの出産の真実を映し出したシーンが印象的なコマーシャル動画をご覧ください。
" SingLife: Birth "
妊婦さんの不安を感じている姿、苦し気な表情、そして無事に赤ちゃんが生まれた後に見せるほっとした安堵と、これ以上ない幸せな表情がありありと映し出されています。
生まれたての赤ちゃんを取り上げるシーンも映し出されていますが、モノクロの効果もあってその生々しさを強く感じすぎないように仕上がっています。
BGMに採用されたのは、懐かしい Stephen Foster氏のヒットチューン"Beautiful Dreamer"。それを今回は、CM用に特別に歌詞を変え("Beautiful dreamer/growing in me.")、シンガポールのアーティストWeishによってパフォームされました。
今回の動画から受け取るメッセージやイメージは、「新しい生命の誕生」、「命」であり「生きる」ことです。そして新しい命、家族の大切さ、それを守ることの重要性を感じさせます。
出産という「生」を象徴するライフイベントを取り上げることで、生命保険に対する「死」と関連したイメージからの脱却を図っています。
Singapore Life社のCEOであるWalter de Oude氏は下記のようにコメントしています。
“Having a baby is the single most important reason for buying life insurance. We don’t buy life insurance for ourselves, we buy it for others, for those that would struggle if we were no longer there.”
「赤ちゃんの誕生は生命保険に加入する最も重要な理由となります。私たちは生命保険を自分のために買うわけではありません。生命保険は自分たちがいなくなった場合に困るかもしれない他者のために購入するものなのです。」
実際の出産シーンを取り上げたコマーシャル動画はシンガポール国内では、今回が初めての試みだったそうです。
しかし世界に目を向けると、Samsung Australiaが、2500マイル(4000キロ)離れた場所にいる夫が、妻の出産の場面を同社のVRデバイスを利用してで見守る場面を追ったスポットが公開されました。
また、チャリティー団体Save the Childrenは、新生児の死に対しての関心を高める目的で女性の出産場面を取り上げた動画を2014年に制作していました。
”希望 ”と”生 ”にフォーカスしたという今回の動画から、皆様はどのようなメッセージを受け取られましたか?
※Singapore Life Official Website
https://singlife.com/
※ニュースソース
※Ad Age
http://creativity-online.com/work/singapore-life-birth/52910
※Mumbrella Asia
https://www.mumbrella.asia/2017/10/singapore-life-films-women-giving-birth-new-campaign