EC事業者のリアルショップ出店のはじめの一歩
Vol.2
「ECのちょっと先の未来を妄想してます」
前回、EC事業者から見たオムニチャネルの話をしました。
今回は、EC事業者がいざショールーム型ストアに取り組もう!と思った場合の進める上でのポイントについてお話したいと思います。
お客様は商品の実物を見たがっている?
ショールーム型ストアを取り組む前提として、お客様から「商品の実物が見たい。」という声があがってきていますか?上がってきているなら取り組む価値があります。
お客様がすでに実物を見たことがある買ったことがある商品や想像しやすい商品ではなく、オリジナルの商品を販売しているEC専門の事業者の場合、どんなにネット上で写真などで商品を見せても
「身体に合わせてサイズ感を知りたい。」
「手にとって素材感を確かめたい。」
などといったお客様の欲求には応えることはできません。
なのでこの自然な欲求に答えること、これがお客様に対してEC事業者がゆくゆくは取り組んでいかなければならないことになってきます。お客様が求めていることを実現していくというお客様中心の考え方です。
私もよくネットでモノを買ったりしますが、やはり見たことがない商品に関してはサイズこれでいいのかな?とか、実物を確認したいな・・・、と思うことあります。
実際に見てもらえれば商品のクオリティが高いことも分かってもらえる、といった自信のある商品を販売しているEC事業者は特に取り組むべきだと思います。
オススメはオフィス併設型
ショールーム型ストアの最初のオススメはなんといってもオフィス併設型です。
会社のスペースの一部使ってショールームを作ればコストもほとんどかからず、すぐに対応することが出来ます。
以下の写真は、弊社渋谷オフィス内のミーティングスペース兼ショールームの写真です。
(弊社はオリジナルTシャツがウェブ上で作成できるtmixというECを運営してます。そのショールームです。)
ショールーム化するにあたってもそれほど手を入れていません。
もともとのミーティングスペースにあったものをほぼ使ってます。
買い足したのはハンガーと、雰囲気の出るようにとアンディ・ウォーホルの絵を数枚程度です。
なのでコストは数万円程度、構想から2週間程度でオープンという早さでした。
逆に言えばこういう形で構わないのです。
またなんといってもオフィス併設の良さは、普段お客様と電話やメールで接しているユーザーサポートのメンバーが接客するところです。お客様の気持ちを普段から知っているメンバーだからこそ対応もスムーズに行えますし、お客様も気軽に来て頂けるのではないかと思います。
オフィス内に接客スペースを作り、ブログでショールームをオープンしたことを告知、予約制(ミーティングと重なるのを防ぐためですが、予約制でなくても構わないかもしれません)にして電話やメールで受け付ける、という運用で小さく始められます。
ポップアップストア、というのも手
ショールーム型ストアであっても、リアルショップを自前で出すにはやはり大きなお金がかかります。
お店を作るのに考えるべきポイントは無数あります。立地、店内の雰囲気、ディスプレイの仕方など、さまざまな判断ポイントがあり、お店を作る前に徹底的に考え、作りこむ必要があります。
となると、いきなり常設店舗を構える、というリスクは取れません。
そこでポップアップストア(期間限定ショップ)で場所を選びつつ、予算をかけずにショップを出してみる、というのも手です。
ただ、ポップアップストアってどうやって出すの?という人がほとんどだと思います。
しかし今年の5月に日本でもネット上でカンタンにポップアップストアが借りられるサービスが出ています。
SHOPCOUNTER(ショップカウンター)というサービスです。
好立地の場所でも1日単位でリーズナブルに借りれるので、こういったサービスを使うのは手だと思います。
最後に
ネットショップであれば、まずは商品を用意してとりあえず始めやりながら改善していくことが可能ですが、リアルショップの場合はそういうわけにはいきません。
なのでオフィス併設で低コストでまずはやってみて、お客様の声を聞きつつ、ポップアップストアをいくつかやりながら試し、結果を見て戦略的な場所にショップをつくる、という流れが良いのではないでしょうか。
逆に、このようなやり方でEC発のブランドが比較的低コストでリアル出店していく事例が今後増えていくのでしょう。
EC発ショールーム型ストアが街ナカに一気に増える、という未来がすぐそこまで来ているのかもしれません。
それではまた。
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