マンガの今!ストア市場と新しいモデルのマンガビジネスとは?

芝辻 幹也

芝辻 幹也 [記事一覧]

http://whomor.com/

株式会社フーモア 代表取締役 兼 漫画家 1983年生。東京工業大学・同大学院卒業後、2009年アクセンチュア入社。大規模システムのPMO、大手小売業のBPRのプロジェクトに参画。
その後、ルームシェアメンバーとシェアコトを創業しグルーポン系サイトを立ち上げる。同事業譲渡後、トライバルメディアハウスに入社しソーシャルメディアマーケティングを学ぶ。2011年11月株式会社フーモアを創業し同社代表に就任。趣味は理論物理学(最近は専ら超紐理論)イラスト・漫画作画。密かに漫画家を目指している。Fb: https://www.facebook.com/MikiyaShibatsuji Tw: https://twitter.com/mikiya_4822


Vol.2
「フーモアがコンテンツの新しいあり方を模索する!」

マンガの今!電子書籍市場はマンガが牽引するがそれでもマンガ市場全体は減少傾向?
スマホシフトで乱立するストア市場と新しいモデルのマンガビジネスとは?

 

以前私は「WEB(デジタル)マンガの可能性を探る(1/6)-市場規模や動向と今後について」と言うタイトルでデジタルマンガ(電子コミック)市場に関して調べ、その可能性に関して考察をしました。それから2年後の今、マンガは新しいデバイスにより再利用、再開発が行われ、新たな発明がされつつあります。そんな過渡期にあるマンガに関して調べてみました。

 

1.マンガが電子書籍市場を拡大させている

 

インプレスR&Dが毎年出している「電子書籍ビジネス調査報告書」(2014)によると、電子書籍市場規模は2013年度で前年比33.5%増の936億円だということが分かりました。2年前の予想と比べ、スマートフォンの市場の伸びが大きく、フィーチャーフォンの市場の減少が顕著でした。スマホへのシフトが電子書籍市場にもダイレクトに影響をしていますね。

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電子出版市場1000億円突破 13年度、コミックがけん引と言う日経の記事にもある通りマンガが市場を牽引しているようです。2012年の資料だがスマホ及びフィーチャーフォン向け電子書籍コンテンツの内訳(下記図)を見ると、マンガを中心としたモバイル向け電子書籍市場が、2012年度は574億円と、電子書籍市場の78.7%を占めていることが分かります。

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※上記でケータイ向けとはフィーチャフォンのことを指し、新プラットフォーム向けはスマホ・タブレット向けを指す(引用元 インプレスビジネスメディア「電子書籍ビジネス調査報告書2013」)

 

2011年から2012年にかけてフィーチャフォン向け市場が減少し、スマホ・タブレット向け市場が増加していますが、共にマンガが占める割合は大きく、フィーチャフォンからスマホにシフトしても尚、マンガがこの市場を牽引していることが分かります。本記事ではあまり触れませんが、電子マンガのコンテンツ中身自体はエロやBLを中心で牽引されており、既存のマンガ市場と競合しているのではなく、新しいコンテンツが消費されていると言われています。エロやBLコンテンツを書店等で買うのは恥ずかしいため、自己完結する携帯電話はそのニーズに応えたのでしょう。

 

・紙と電子合わせたマンガ市場動向はどうか?

紙のマンガ市場は年々減少傾向にあるのはよく言われることですが、以下の図の通り1992年をピークに減少傾向にあります。これは私も大好きなドラゴンボールの連載終了のタイミングと一致しています。

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では紙と電子を合わせたマンガ市場はどうでしょうか?電子書籍はマンガを中心に伸びていますので、マンガ市場全体としてはひょっとしたら伸びているかもしれません。電子書籍市場の約8割がマンガというデータが得られていますので、その分按分し既存の紙マンガ市場と足し合わせると以下の図が得られました。

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紙と電子マンガ市場合わせたマンガの市場規模は全体として減少傾向にあることが分かりました。(無念)
原因はいろいろあるかと思いますが、私の仮説としては

-持ち運びできるゲーム機器(DSやPSP、スマホ)の普及
-長期連載によるマンガ読者の高齢化と若年層向けマンガコンテンツの減少。それに伴う若年層読者の減少。

と考えています。

 

2.乱立するストア市場。淘汰が既に始まる。

 

成長している電子書籍市場では無数のプラットフォームが乱立しています。以下は電子書籍ビジネス調査報告書」内にある図ですが、50以上のプラットフォームが存在しています。

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既に淘汰が始まり、一部では問題が生じています。ヤマダイーブックは今年の7月31日をもってサービスを閉じるとし、このプラットフォーム内で購入した電子コンテンツの閲覧はサービス終了後以降見れなくなってしまうという問題が起きてます。このような問題が生じてきているため、ユーザーはより経営体力があるようなプラットフォームに流れ込みより淘汰が加速するものと思われます。その淘汰が業界の冷水にならないことを心から祈っています。

 

3.マンガの新しいビジネスモデル

 

今現在マンガビジネスは過渡期だと思われます。幾つか新しいビジネスモデルが出来ましたので紹介したいと思います。

 

・既存コンテンツを再利用したイグニスの新しいマンガビジネス

最近「漫画全巻無料」と謳っているマンガのスマホ向けアプリを見たことはないでしょうか?

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「魁!!男塾」「暁!!男塾、青年よ大志を抱け」「まじかる☆タルるートくん」「ろくでなしBLUES」など全巻無料で読めます。

 

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一日に読める時間が30分と限定されていて、さらに読みたければ、翌日の21時まで待ってまた無料の30分を読む権利を得るか、待てない読者は課金をするという、ソーシャルゲームの要素を取り入れたようなモデルです。これが売れていまして、最近上場することが決まった株式会社イグニスさんは半年で1.9億円を売り上げています。

なるほど、これはマンガを読む際、どちらがコストパフォーマンスが高いかを考えて「漫画喫茶で読むか」「買って読むか」で悩むのと近い感覚を覚えます。早く読める人は漫画喫茶を選びますし、遅い人は買って読む方を選びます(コレクショ要素は別ですが)。無料マンガが多い中で、イグニスさんのモデルは無料は無料なのですが、時間とお金を上手く組み合わせたいい例かと思います。既存コンテンツを流用するのみでは焼き畑になってしまうかと思いますが。。

 

・電子マンガプラットフォームは雑誌!マンガボックスの戦略

一方でマンガはプラットフォームで無料で読めるが、収益化自体は書籍化する、マンガのO2Oのようなサービスを提供しているのがDeNAのマンガボックスです。マンガコンテンツがIPとして強くなれば、自社の強みであるソーシャルゲームであったり、その他メディアミックスの展開をしていくと言うものです。

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雑誌をスマホアプリとして見立てれば、既存の出版社がやっているモデルとほぼ同じです。先ほどメディアミックスと言いましたが、実はマンガコンテンツは原作として取り扱われるケースが多く、メディアミックスされやすいというデータもあり、IP化が上手く行けばスマッシュヒットさせることも可能なのではないでしょうか?

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http://www.contents-repro.com/info/?q=sec-anime

 

・上記二つを合体させたような、韓国Webtoon「Lezhin Comics」のビジネスモデル

「Webtoon(ウェブトゥーン)」とは、韓国で流行しているネットで読める漫画のことで、Naver や Daum などの大手ポータルサイトが無料で提供していますが、Lezhin Comicsはイグニスさんがやっている時間とお金の概念を入れてマネタイズに成功しいます。

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Lezhinのプラットフォーム上でマンガ連載をするのですが、マンガの見せ方は1画面1コマで縦スクロールです(詳しくはこちら)。サービスに登録をすると幾つかはマンガが読めるのですが、それ以上読もうとすると、課金が必要になってきます。既にアメリカのAppStoreのブックランキングのトップセールスでは上位13位(2014/6/25)にまで付けており、現在急成長中です。

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全く同じモデルが日本で上手く行くかというと私はそうは思いません。何故なら日本で「マンガを読もう」とした時、書店にマンガがありますし、漫画喫茶はあるし、ネットやモバイルにたくさん落ちているからです。「マンガを読む」時に想起されるのがそれらであるため、なかなか日本では立ち上がりにくいのでは?と思います。しかしながら韓国始めアメリカなどは日本ほどマンガを読むとした時に選択肢が少なく、こちらの「アプリで読む」となっているのかなと思います。

 

ここまで長々と市場動向やサービスの紹介、それに対する考察をしてきましたが、私の会社フーモアではやや異なるアプローチでこのマンガ業界に打って出ようとしています。

ご興味がある方や一緒に働いてみたいという方は是非こちらからお問い合わせ下さい。
一緒に面白い世界を創りましょう!

芝辻幹也

株式会社フーモア 代表取締役社長 兼 漫画家 芝辻幹也
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