2013年ゆく年・くる年アンケート
堂下 ナツコ [記事一覧]
職業:外資系中堅フードチェーンCMO。一言:マーケターになりたい、とも、マーケティングの仕事をしよう、とも思ったことがないはずなのに、気が付けば15年間、時にエージェンシーで、時に事業会社で、「マーケティング」に携わり、さまざまな企業の「マーケティング部」と関わってきました。 経歴:国内大手情報出版社 / 戦略的Webベンチャー / 外資系広告代理店 / 世界最大手ファーストフードチェーン
2013年ゆく年・くる年アンケート
編集部から年末らしいアンケートが送られてきました。ご好評いただいております?この連載ももちろん今年最後です。当連載を振り返ってみます と、外国人ボスに関する愚痴、社長への不服、他部署への苛立ち、そしてM気質で生きるべきマーケティング部の心構え、と、多くの皆さまの共感を呼ぶ内容と なっており、人気の理由もわかろうというものです。
共感こそが人気への第一歩、ここをわかってコラ ムを書いている堂下ナツコは、さぞや多くの人気商品、人気のお店を手がけているのでしょうね、とよく言われるのですが、そうではない、共感は確かに人気を 呼ぶけれど、購入の理由にはならない、というのが今年学んだことです。簡単に言うと『いい人と結婚するか?』ということですね、はい。
『紙』
これは仕事に限った一文字ですが、今年やってみていちばんきいた「マーケティング施策」は、
・ポスターにシズルと日本語を足したこと
・店頭看板を大きくしたこと
・オトク感が伝わるチラシを配布したこと
の3つ。すべて『紙』による施策でした。
個人的にもこれほど紙のことを考えた年もなかったですし(クリエイティブ、コスト、その効果)、うすうす感じていた「マーケティングにおけるネット、SNSの使い方、間違ってるかもしれない」という予感が確信に変わった年でもありました。
個人的にはいろいろありますが、世の中的なことでいくと、意外にも東京オリンピック決定、です。
中でも注目したヒトは、実は猪瀬東京都知事です。
東京オリンピック決定、については、これはもう大手広告代理店⚫️通がんばったんだな、と。東京オリンピックという久々の大型広告ビジネス、ついに自分たちの手でとってきた、と。
こ こ数年間、広告がセールスや集客に効かない、と現場は苦労しているわけですが、オリンピックともなるとROIとかそういうチマチマしたことを期待するスポ ンサーなどいない(なれない)でしょうから、昔ながらの広告ビジネスができると思います。
自分の食いぶちは自分で獲ってくる。素直におめでとうございま す!
一方、猪瀬知事。これはもう、とにかくあれほどのいい意味での日本人らしくないオリンピッ ク招致チームの中で、あれほどの昔ながらの悪人顔はどうか、という点につきます。
彼の一連の招致活動における「グローバルな振る舞い」ー主にあの彼なりの 笑顔に、多くの人が、そんなはずはないと違和感を覚え、両腕を振り回すプレゼンテーションには、そんなことしてほしくない、という居心地の悪さを感じたと 思います。逆に言えば、そうまでしないとオリンピックは取れないのだ、という世界の厳しさのようなものさえ、私は痛感しました。
昨今の猪瀬知事をめぐる騒動と、カバンに紙幣を詰め込んで見せるもフタが閉まらないパフォーマンス。とても安心しました。こっちの猪瀬知事がホンモノです。
動画とone to oneです。10年前ぐらいに注目されていたことに戻ると思います。
表現としてはリッチに、ただしメッセージはとてもパーソナルに。
もちろん10年前よりはイノベーティブな手法で。
紙とデジタルの融合、というかイイトコ取りをしたいと思います。
また、若いシゴト人たちとたくさん会話したい、とも考えています。
人気者になるか、それとも…?!決めかねております。毎年1月には想像もつかない12月を迎えるので、
テーマも目標も決めない、のが個人的なルールだったりもします。