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'80年代から親しまれる定番商品が今、なぜ元気なのか

渡邉 貴子 わたなべ たかこ さん マース ジャパン

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今、スニッカーズが元気だ。沢尻エリカや内田裕也、タトゥーを起用したCMが話題となり、ここ数年の売り上げは右肩上がり。80年代からあるチョコレートの定番商品がなぜ今、成長を続けているのだろう。発売元のマース ジャパン リミテッドでシニアマーケティングマネージャーを務める渡邉貴子さんに、お話をうかがった。

文=前田成彦(Office221) 写真=三輪憲亮


Part.1

 

■今年もユニークなプロモーションを仕掛けるスニッカーズ。

 

  今からぜひ、コンビニやスーパーで「スニッカーズ」を手に取ってほしい。そしておなじみの英文字ロゴを見てほしい。そこにはもしかしたら「SNICKERS」ではなく「SOCCERS」と書いてあるかもしれない。この5月にスタートした、スニッカーズの新たなプロモーションである。

 

ロゴの認知度が高いからこそ、できることです。発売当初からパッケージデザインの基本的な部分を変えていないので、SOCCERSと書いてあっても、それがスニッカーズであることをわかっていただける。スニッカーズという商品はそこまで、多くの方達に知っていただいているといえます」

 

 

語るのは、マースジャパンのシニアマーケティングマネージャー、渡邉貴子さん。沢尻エリカや内田裕也、タトゥーといった"お騒がせ"系のタレントを起用したテレビCMで話題を集めたスニッカーズ。この5月から始まったプロモーションのインターネットムービーでは、サッカー解説者の松木安太郎さんを起用。サッカー試合観戦中にお腹がすいて、いつもの自分ではなく松木さんになってしまう、という内容だ。

 

 

「インターネットムービーと連動したキャンペーンとして行うのが、リベンジマッチのプレゼント企画です。例えば『お腹がすいていたせいでいつものプレーができず、負けてしまった』など、悔しさが今も残っている試合のエピソードを公募。そのリベンジマッチを、スニッカーズがプロの解説者松木安太郎さんの実況つきでプレゼントするものです」

 

6月に開催されるサッカーの世界的イベントを視野に入れつつ、今年もユニークなプロモーションを仕掛けるスニッカーズ。「おなかがすいたらスニッカーズTM」という名コピーとともに'80年代から親しまれる定番商品が今、元気な理由は何だろう。

 

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「SNICKERS」ではなく「SOCCERS」!?

 

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■コミュニケーションで、人は動く。

 

 マース ジャパン リミテッドは、米国マース インコーポレイテッドの日本における拠点として1976年に設立。マースがグローバルに展開するチョコレート、食品、ペットケアなど6事業のうち、チョコレートを含むスナックフード、ドリンク、ペットケア製品を展開している。その中で渡邉さんはシニアマーケティングマネージャーとして、スナックフードのブランド戦略全般を手がける。

 

「担当しているのは、マースが日本で扱っているスナックフード製品すべて。その中でメインで手がけ、現在、特に注力しているのがスニッカーズです。仕事は、ブランドに関わる川上から川下までの全般。ブランド戦略の立案と、グローバルコンセプトのローカライゼーション、そして広告コミュニケーションや消費者と接するイベントなどです。

スニッカーズはグローバルブランドですが、日本サイドでコントロールしている面も多くあります。世界のどこでも同じ見え方をしていなくてはならない部分はグローバルに共有しながら、ローカルマーケットで勝つための独自でユニークな施策を展開する必要があります」

 

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そんな渡邉さんはこれまで一貫して、マーケターとしてキャリアを築いてきた。

 

「社会人になったころはB TO Bのマーケティングを手がけていました。でも、直接消費者の目に触れる商品に携わる方が面白いと考え、その後はB TO C のマーケティングのキャリアを積んでいきました。その中で一時、富裕層マーケティングを手がけたこともあるのですが、あまり魅力を感じず、2008年にマースに入社。お手頃価格のものに戻りました(笑)。100円のものの方が、性に合っているんでしょうね。

マース ジャパンにはブランドマネジャーとして入社しました。私自身チョコレートは昔から大好きでしたが、スニッカーズに対するイメージは、一般的な30~40代の方々と同じ『おなかがすいたらスニッカーズ』でした」

 

キャリアにおいて主に、高機能を売りにした商品を担当。特に機能が高いわけではなく、お手頃価格なお菓子。その定番商品に携わることは、大きなチャレンジだった。

 

機能性に優れた商品の方が、商品にフォーカスしていろいろなことを言える。そしてブランドでいうと、世界観を見せるようなふんわりしたイメージで表現できるんです。

でもスニッカーズは、そういったものとはアプローチがまったく違う。お手頃な分、人目に触れることが多くなりますし、競合も多い。その時、いかに頭の中に残してもらい、共感を得るか。いかに思い出してもらうか。そこを重視せねばなりません。

6年近くこの商品に携わってきて実感するのが『コミュニケーションで人は動く』ということ。特に新商品を出すことなく売り上げを伸ばすことができたのは、コミュニケーションの力が非常に大きいと思います」

 

実はスニッカーズはさまざまな事情で、2006年から2008年まで、コミュニケーションをストップしていた。そんな状況を経て、この数年の右肩上がりの成長を勝ち得た背景には何があるのか。
次回はそのためのキーとなった、スニッカーズの"DNA"作りについて話を聞いていく。

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プロフィール
渡邉 貴子

渡邉 貴子 わたなべ たかこ

マース ジャパン

東京都出身。ブリタ、ティファール、リシュモンなどグローバルブランドを中心にマーケターとしてのキャリアを積み、英国留学を経て2008年5月にマースジャパン入社。
現在はスナックフードマーケティング シニアマーケティングマネジャーを務める。

※ 会社、役職、年齢など、記事内容は全て取材時のものです

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