【結果発表】日本のコンテンツが大豊作!!2016ヒット商品ランキング by にっぽんのマーケター
今年もあと2週間余り。この時期、各種メディアで今年のヒット商品ランキングが発表されておりますが、「にっぽんのマーケター」でも先月、皆様にご協力・投票をいただいた「2016ヒット商品ランキング by にっぽんのマーケター」の投票結果の集計が完了しましたので発表させていただきます!
まずはランキングの発表から。
第1位:Pokémon GO(16.2%)
第2位:君の名は。(12.7%)
第3位:AI(人工知能)(7.1%)
第4位:PPAP(ピコ太郎)(6.6%)
同率第4位:広島カープ(6.6%)
今年の第1位は「ポケモンGO」。そして第2位は「君の名は。」この2つについて、異論のある方は少ないのではないでしょうか。両者が他のアイテムを大きく引き離してのワンツーフィニッシュとなりました。
■第1位:Pokémon GO
「Pokémon GO」は男女問わず幅広い世代から票を集めました。この夏のサービスローンチ後、普段ゲームをしない大人までが夢中になってポケモン求めて歩き回ってました。街中では今でも、黒山の人だかりが出来てるなと思って近づいてみると、皆さんポケモンGOをやってるということがよくありますね。7月にローンチし、11月時点ではダウンロード数が6憶を突破しています。
ナイアンティック社によると、9月初旬時点で、世界中のプレーヤーたちがこのゲームのために歩いた総距離は、総計46億キロメートルに上る。直線距離にすれば、太陽と海王星の距離をこえるといいう膨大なものだ。(2016.11.28日経MJ)
少し落ち着いた感もありますが、このタイミングで12月13日(火)以降、『ポケットモンスター 金・銀』の「ジョウト地方」に登場したトゲピーやピチューが登場するようですし、12月13日(火)~12月29日(木)までの間は、期間限定の真っ赤な帽子をかぶったピカチュウも登場するなど、ユーザーを呼び戻す施策も今後どんどん投入してきそうです。バージョンアップでプレーヤー同士の対戦やポケモンの交換ができるようになる等々まことしやかな(勝手な?)噂も流れたりで、来年以降もポケモンGOから目が離せません。
■第2位:君の名は。
第2位の「君の名は。」、こちらももはや説明はいりませんね。朝日新聞によると、
大ヒットが続いている新海誠監督のアニメ映画「君の名は。」が、4日までの公開101日間で1535万人を集め、国内の興行収入が199億5千万円に達した。配給の東宝が5日、発表した。邦画の興行収入では、宮崎駿監督の「ハウルの動く城」(196億円)を抜き、歴代2位となった。
歴代興行収入ランキング(興行通信社調べ)では洋画を含めた全体で、首位の「千と千尋の神隠し」(308億円)、「タイタニック」(262億円)、「アナと雪の女王」(254・8億円)、「ハリー・ポッターと賢者の石」(203億円)に続いて現在5位となっている。
東宝によると、台湾、タイ、香港に続き、中国でも2日に公開され、いずれも週末興行ランキングで首位を獲得。中国では日本映画としては最大規模という延べ6万7823スクリーンで初日を迎え、公開3日間の興行収入は2・8億元(約42億円)と日本映画でこれまで最高だった「STAND BY ME ドラえもん」の2・3億元を上回り、新記録を達成した。(朝日新聞デジタル)
とのことで、「ハリーポッターと賢者の石」は越えてきそうですね。アジアでの興行も好スタートを切っており、この先一体どこまで伸ばすのか注目です!
「ポケモンGO」はもちろん「君の名は。」もアニメに描かれた場所を訪ねる聖地巡礼として、また位置情報ゲーム「ステーションメモリーズ!(駅メモ!)」とのタイアップキャンペーン企画が生まれるなど、いずれもオンライン(メディア)×オフラインで、リアルに“人が動く”ことでの新たな経済効果、そしてビジネスの可能性を感じさせてくれた年でもありました。2017年以降も、地域創生、観光客誘致というテーマにおいて、この2つのようなコンテンツを活用したO2O(オンライン・トゥ・オフライン)マーケティングの動きはさらに高まりそうですね。
■第3位:AI(人工知能)
第3位は「AI」。ビジネスとしてはまだまだこれからの領域ですが、今年は確かにメディア等で目にすることも多く、アンケートの回答では人工知能=AIという言葉がだいぶ身近になったとの声も多数ありました。
昨年頃から一般にも「シンギュラリティ」「ディープラーニング」という言葉が浸透しはじめ、今年に入って、Microsoft、Amazon、Facebook、IBM、Googleによる企業連合が生まれたり、日本でも女子高生AI「りんな」がドラマデビューするなどAIの話題には事欠かなかった一年ではないか。(30代男性コピーライター)
ついで「PPAP(ピコ太郎)」。「広島カープ」が同率の4位。
「PPAP(ピコ太郎)」は、ジャスティスビーバーがツイッターで火をつけて、その後の広がり方は皆さんご存知の通り、まさにソーシャルメディア時代の広がりで世界に旋風を巻き起こしました。「広島カープ」は、ここ数年からのカープ女子に始まり、25年ぶりのセ・リーグ優勝、そして黒田の引退等々と一年中話題に事欠かない年となりました。
そしてついには緒方監督の「神ってる」が、流行語年間大賞に選ばれるというおまけまでつきました(笑)
続いて、第6位は、週間文春(センテンススプリング)、第7位iQOS(加熱式タバコ)、第8位シン・ゴジラ、第9位VR、第10位クラフトビールという結果となりました。
■2016年ヒット商品トピックス
ここからは、今年のヒット商品のトピックをいくつか見ていきたいと思います。
・エンターテイメントコンテンツ大豊作
「ポケモンGO」、「君の名は。」はもちろん、邦画実写映画の興行収入第1位の「シン・ゴジラ」など、今年は大ヒットしたコンテンツが豊作の年でした。
ピコ太郎の世界的なPPAP旋風や、今回の投票ではトップテンにこそ入って来ませんでしたがBABYMETALがイギリス・ロンドンの"メタルの聖地"ウェンブリー・アリーナで日本人として初めての単独公演を成功させたりと今年は世界中でジャパン・コンテンツの活躍がとても目立ちました。
・VRビジネスの本格稼働
ポケモンGoや10月のプレーステーションVRの発売だけでなく、2016年はアメリカのOCULUS等をはじめグーグル×サムソンのGalaxy Gear VRや中国企業HTCのVIBE等のグローバルVRデバイスも日本に相次いで上陸しました。
マーケティングに活用した事例としては、フライングタイガーコペンハーゲンが、UR賃貸住宅とのコラボレーションによるモデルルームを開発。このモデルルームを全国の店舗でも体験できるように、VR 360°動画を撮影し、店舗にゴーグルを設置し、バーチャル体験ができるようにしました。
【参考記事】アレンジアイデア満載!Flying Tiger Copenhagenで作るHYGGEな空間
【過去関連記事】マーケターの企みVol.25:Zebra Japan㈱ マーケティング部 部長 柘野英樹さん
また、「じゃらん家族旅行(リクルートライフスタイル刊)」の付録で旅行体験ができる「VRにゃらんスコープ」なども登場しました。
まだまだスタートラインとは言えVRサービスの現実化、実用化が一気に進んだのではないでしょうか。とは言ってもソフトはまだまだこれから。2017年以降、エンターテイメントとしてどんなソフトがでてくるのか、そしてVRを活用したどのようなマーケティング事例が出てくるのか楽しみです。
・iQOS(加熱式タバコ)
今、タバコ市場にイノベーションを起こしているのが今回、ランキングでも第7位にはいった加熱式タバコiQOS(アイコス)。電気で熱するこの“たばこ”は灰や煙がでない次世代タバコですが、最近、これを吸ってる人が本当に多くなりました。フィリップ・モリス・インターナショナルが2014年に発売(今春全国発売)し、販売数が200万台を超えたiQOSをはじめとする次世代タバコは、従来のタバコの売り上げが半減する中売上急成長中です。
ちなみに加熱式タバコ市場にはフィリップ・モリス・ジャパンの「アイコス」以外にも、日本たばこ産業の「プルームテック」(3月発売)、ブリティッシュ・アメリカン・タバコの「グロー」(12月発売)が参入してきており、新市場の主導権争いが来年は過熱しそうな気配です。
今後従来の紙タバコと市場が逆転するなんてことも十分にあり得るかもしれません。
・クラフトビール
昨年のランキングで第10位、そして今年のランキングでも第10位に入った「クラフトビール」ですが、徐々にり上がって来ていた「クラフトビール」市場に、2年前からキリンビールなど大手企業が参入してきたことで、その存在感が徐々に高まり、今年はかなり一般の方にも浸透したように思います。ともに10位ではありますが国内のビール市場が縮小が止まらない中、クラフトビールはその存在感を増しており、カテゴリーとしての認知が確立してきたと言っていいほどにその意味合いは大分変わってきたのではないでしょうか。
アメリカのクラフトビール市場がビール市場全体の10%まで成長してるのに対し、日本はまだ1%に満たないのが現状ではありますが、クラフトビール各社は国内外での需要に応えるべく増産体制を整えてきており、クラフトビール市場はますます盛り上がりを見せることは間違いないでしょう。
ちなみに、にっぽんのマーケターでもFarYeastBrewing株式会社(※取材時は、日本クラフトビール)の 山田さんを2014年に取材させていただきました。FarYeastBrewing社も新たな醸造所を山梨県に建設中です。
【過去関連記事】マーケターの企みVol.15:FarYeastBrewing株式会社 代表取締役CEO 山田司朗さん
おまけ。キリンのクラフトビール「グランドキリン」のデジタルマーケティングを担当する、キリン(株)の加藤さんにもご登場いただきました。
【過去関連記事】 美人マーケター図鑑 PROFILE No.67|キリン株式会社 加藤 美侑(かとう みゆき)さん
■番外編
今回の投票にあたり、ノミネートされたヒット商品は、これまで「マーケターの企み」「美人マーケター図鑑」にご登場頂いた方々、「マーケター’S コラム」に執筆中の方々にご協力いただき、編集部の独断と偏見も交えながら今年話題になったもの(ヒットの兆し含む)・商業的にヒットしたもの・マーケターとして注目したものを「2016年ヒット商品(サービス、カテゴリー、トピックス含む)」として40アイテム選抜したものですが、その中で今回上位には食い込まなかったものの、事前アンケートにてなかなか興味深いご意見をいただいたものをいくつかご紹介させていただいます。
・ダンスシェアコンテンツ
確かに増えましたね。
PPAPのピコ太郎、逃げ恥エンディングからバズった恋ダンスなど、ショートなダンスコンテンツを踊ってみた的に共有する、ダンスシェアコンテンツが爆発的に流行した。古くは踊ってみたに始まり、ロッテのfitsダンスやAKB48の恋するフォーチュンクッキー等で年齢を問わず浸透が進んできた「踊る」文化がいよいよ爆発してきている。
ダンスが必須科目にもなり、世界に比べて「踊る」ことが不得手と思われていた日本文化の変化を感じる。
日本人の「踊る」時間がこれからどのように増えていくか、注目したい。(㈱ALL BLUE鶴見至善さん)
・abemaTV
テレビ朝日とサイバーエージェントの共同事業として今年4月に開局した無料の24時間放送のインターネットテレビ局abemaTV。アプリダウンロード数が11月2日の時点で1000万件を突破しました。
自社制作にこだわらない、でもLIVEにはこだわる、見たことがないものを見てもらう、マニアにだけ満足してもらうものもある、なのに無料。といった新しいコンセプトのメディア。WOWOWのネット版みたいなイメージがウケそうな予感ありだから。(㈱エルビー加藤寛之さん)
・インスタグラム
インスタグラムも実は11位と注目されてる方が多かったですね。新たなマーケティングツールとして企業の注目度も高まり、フォローワー数の多い人気インスタグラマー等を活用したマーケティングサービスを提供する企業も増えました。
企業も広告をだすようになり、インスタグラマーが続々と本を出していた。(andfactory㈱熊本薫さん)
私の周りの友達の中では一番アクティブなメディアです。(㈱glamfirst宮本悠加さん)
・一人旅
「一人旅」をされる方が年々増加中のようです。
「一人旅」はじゃらんが2004年度の調査開始以来、11年連続増加し、17.5%です!(㈱リクルートライフスタイル 大橋菜央さん)
ちなみに「一人旅」について『じゃらん宿泊旅行調査2016』によると、
●「一人旅」は2004年度の調査開始以来、11年連続増加し、17.5%
●20〜34歳男性の約3割が「一人旅」、35〜49歳男性でも24.8%
●一人旅の理由は「ひとりの方が自由で気楽」が67.0%で突出 (『じゃらん宿泊旅行調査2016』より)
だそうです。周りに一人旅好きな方いらっしゃいますか?
以上、にっぽんのマーケターの皆さんが選んだ「2016年のヒット商品」を見てまいりましたがいかがでしたでしょうか?この度、投票をいただいた皆様、ご協力どうもありがとうございました。
東京オリンピックまで残り3年となる2017年はどんなものがヒットするのでしょうか?様々なジャンルで2020年に向けた動きが一気に加速度を増してきそうで早くもワクワクしております(笑)。来年はマーケターの方たちをもっともっと巻き込んで「マーケターが選んだヒット商品ランキング」を進化させたいと考えています。
2017年も引き続きどうぞ宜しくお願いします!