冷凍食品のマイナスイメージを払拭せよ!ベルトーリの新キャンペーンがイタリアン月間にキックオフ
冷凍食品のマイナスイメージを払拭せよ!ベルトーリの新キャンペーンがイタリアン月間にキックオフ
読者の皆様、こんにちは。
10月は、世界的に"Breast Cancer Awareness Month/乳がん月間"として
知られており、多くの企業、ブランド、自治体などがピンクリボン運動に
参加したり、独自にキャンペーンやイベント、慈善活動などを精力的に
行っていますが、もう一つ、とある月間であることをご存知でしょうか?
それが、
"Italian Heritage Month"
です。
そしてこのイタリアの伝統や文化を称える月間に合わせて、新たな
マーケティングキャンペーンの展開をスタートしたのが、ブランドが
今年150年目の節目を迎えているイタリアン食材で知られる、
"Bertolli/ベルトーリ"
です。
Picture:Screen shot from Surebzz.com
Picture:Screen shot from Bertolli Official Website
※Bertolli Official Website
http://www.villabertolli.com/
ベルトーリブランドの歴史は古く、もともとの起源は1865年、
イタリアのトスカーナ地方の田舎町ルッカというところで、
Francesco Bertolliさんとその奥さんが小さな食料品店を
始めたことに遡ります。
そもそもは、エキストラバージンオリーブオイルで知られた
同ブランドは、その後パスタソースやレディ・イン・ミール(レディ・
ミールとも言われる冷凍・冷蔵食品もしくはレンジアップ食材)
の販売もスタートしました。
Picture:Screen shot from Whats your deal
Picture:Screen shot from ConAgra Foods Official Website
ベルトーリはユニリーバ社に買収されましたが、そのオリーブオイル部門は
同社がスペインの会社に売却、またベルトーリブランドの冷凍食品は2012年
8月にアメリカのコンアグラ・フーズに売却、また北米の"RAGU""Bertolli"の
2ブランドのパスタソース事業については、2014年5月22に日本のミツカン
ホールディングスと事業の譲渡契約を締結しました。
イタリアの片田舎からスタートしたベルトーリブランドは、現在では世界
各国の企業に所有され、そのブランド・商品共に世界的な知名度を誇るように
なっていますが、今回ご紹介する取り組みは、その中でもアメリカの
コンアグラ・フーズが所有している、ベルトーリの冷凍食品ブランドが
行っているものです。
実は、コンアグラ・フーズが所有するベルトーリブランドの冷凍食品も
含め、アメリカでの冷凍食品の売り上げは近年減少傾向にあります。
この背景には、消費者の食習慣の改善や、冷凍食品に対する認識の変化、
スーパーなどのデリ商品との競合などがありますが、同社が2013年に
行った消費者意識調査でも、回答者の80%が、「冷凍食品はかなり加工
された食品だ」と認識していて、そのうちの3分の2の回答者は、「冷凍
食品は太る」と思っているとの結果が出たのだそうです。
そんな業界にとっては逆風が吹く中、いくつかのメーカーやブランドは、
より「ヘルシー志向」の商品の導入や、消費者に対して冷凍食品が
持つ栄養価などを説明する企業努力を進めていて、コンアグラ・フーズも
そのうちの一社と言われています。
そして今回、同社がフォーカスしたのは、売り上げ減少幅の大きい一人用の
冷凍食品"Single-serve line"ではなく、売り上げ不振の冷凍食品の中でも
ポジティブな傾向が見られる、"Skilette line"呼ばれる数人の食事を
フライパンなどを使って準備できる商品ラインでした。
Picture:Screen shot from ConAgra Foods Official Video
"MEAL for 2"という商品ラインにフォーカスした新マーケティング
キャンペーンをスタート。自宅での食事の調理過程、そして食事を
誰かとともにシェアすることの楽しさ、喜びをテーマにした2つの
TVコマーシャルをリリースしました。
1つ目のコマーシャルでは中年の夫婦が、キッチンでパスタを準備
しますが、ただ袋の中身を温めるだけでなく、「Stir things up」
とテロップで出る通り、ワインを加えるなど商品をアレンジして
調理している場面を見せています。
※冷凍食品の夕飯だってロマンチックムードに!ベルトーリの
新CMはこちら
" Bertolli Patio :30 "
そして2つ目のコマーシャルでは、ミレニアル世代のカップルが登場。
2人で味見をしたり、ダンスを楽しんだりしながら料理の準備過程を
楽しんでいますが、こちらでも、冷凍食品に対するネガティブな
イメージの払拭を狙い、トマトや削りたてのチーズを加えるなどの
アレンジをしている場面が映し出されています。
※映画の1シーンのように楽しげなカップルのイタリアンディナー
準備をテーマにしたベルトーリの新CMはこちら
" Bertolli Dance :30 "
両コマーシャルとも、
「Don't Just Eat. Mangia!」
というフレーズで締めくくられます。
あえて"食べる"というイタリア語を使った背景には、イタリアの伝統である
充実した食事の準備や食卓をシェアする時間と経験を通じて、人と人とが
コミュニケーションを深める機会を提供できるのがベルトーリブランド
であるというブランドポジショニングを狙ってのことなのだそうです。
Picture:Screen shot from ConAgra Foods Official Video
11月には、"Mangia"のマイクロウェブサイトがオープンする予定に
なっていて、そこでは消費者の"Mangia"な時間がどんなものなのか、
その共有を奨励していくのだそう。
そこでは、フォロワーにはカリフォルニア州ナパへの旅行が当たる
企画も実施予定になっています。
このほかにも、現在同ブランドでは、 #MyTuscanTableとタグ付された
トスカーナスタイルの食卓に関する投稿がされる毎に1ドルを、子どもたちの
貧困・飢餓撲滅支援をしている"No Kid Hungry"に寄付するキャンペーンを
展開しています。
またニューヨークでは、10月12日までの間、温かいパスタボウルを配る
ベルトーリのフードトラックも出動。
冷凍食品のネガティブなイメージを払拭し、ベルトーリブランドに新たな
ポジショニングを与える攻めのマーケティングキャンペーンが
今後もどんどん実施されるようです。
※ニュースソース
※PR Newswire
http://www.prnewswire.com/news-releases/bertolli-brand-celebrates-150-years-of-italian-heritage-with-mytuscantable-campaign-benefitting-no-kid-hungry-300156434.html
※iSpot.tv
http://www.ispot.tv/ad/AYpn/bertolli-chicken-florentine-and-farfalle-set-the-mood
※AD Hugger
http://www.adhugger.net/2015/10/07/ddb-california-says-mangia-for-conagras-bertolli/
※Brand Channel
http://brandchannel.com/2015/10/08/bertolli-150-years-100815/