缶スープのキャンベル、新ジャンル「惣菜の素」など200以上の新商品を発表
缶スープのキャンベル。2014年度、200以上の新商品発売を発表。新ジャンル「惣菜の素」にも参入
読者の皆様、こんにちは。
先日、赤と白のパッケージでおなじみの缶スープブランド「Campbell Soup:キャンベル・スープ(以下キャンベル)」社が、2013年度の決算を迎え(決算月7月)、株主に対して、来期2014年度の血気盛んな計画を発表しました。
※Campbell Soup Official Website
http://www.campbellsoup.com/
積極的な企業買収や、冬場の厳しい寒さによる「スープ」関連商品の売上が久しぶりに伸びを示したこと、また、野菜ジュース「V8」シリーズへの、エナジードリンク版やフルーツフレーバータイプの投入などが好調に推移したこともあり、経営は好調。
そんな勢いも手伝って、なかなかアグレッシブな展開を見せそうで注目が高まっています。
具体的には、2014年度に新規参入するカテゴリーは、日本でいうなら「惣菜の素」、例えば永谷園さんの「麻婆春雨」のような、ある素材を別途購入して追加するだけで、お料理の一品ができあがるというスタイルの商品。
キャンベルでは、「Dinner Sauce」カテゴリーと呼称していますが、アメリカの家庭の80%以上が保有していると言われている、「Slow Cooker:スロークッカー(クロックポットとも呼ばれています※クロックポットはアメリカで最大シェアを誇るスロークッカーのブランド名)」向けの料理の素(ソース)を中心に展開をスタートするようです。
ちなみに、スロークッカーは、要は電気のお鍋なのですが、内釜が陶器製で、所定の温度で、例えば、8時間とか放っておいても、心配することなく時間の経過を待つと、お料理が出来上がっているという代物です。
そのため、例えば、夜間の寝ている間、昼間の外出中などにも手を煩わせることなく、お料理ができてしまうという、忙しい主婦や働く女性などにはとても重宝されるものなのです。
今回発売予定の商品は、「Apple Bourbon Barbecue」や「 Tavern Style Pot Roast」など全6種類。
キャンベル社は、売り出しのスタートダッシュ、早期の消費者への浸透を狙って、先述のスロークッカー最大シェア(およそ5割)保有ブランド「クロックポット」と提携を結ぶなど、競合対策にも余念がないようです。
同じくソースのカテゴリーでは、よりお料理の過程をも楽しむ、グルメな人向けの調理用ソースパッケージを、「Swanson flavor-infused broths 」シリーズの下、「Mexican Tortilla 」や「Thai Ginger」などのフレーバーで展開をスタートするそうです。
この他にも、既存の野菜・フルーツジュースブランド「V8」では、「V8 V-Fusion Refreshers juice cocktails」という、よりクリアで爽やかな飲み口のジュースを発売。
また、先期好調だった、エネルギードリンク「V8 V-Fusion + Energy」には、「 Diet Strawberry Lemonade」と「 Diet Cranberry Raspberry」の2種類のヘルシーラインを新規投入。
さらには、子ども向けの小さなパッケージのV8シリーズや、ここのところ売れ行きが好調な、フレッシュパック果汁飲料(冷蔵のコーナーで販売されているもの)にも新規参入するそうです。
これらはいずれも、消費者の昨今のヘルシー志向、健康志向に応えた形の新商品展開だそうです。
また、2012年に買収した、100%果汁ジュースのブランドで知られる「Bolthouse Farms:ボルトハウス ファームズ」の商品開発力やこれまでの知恵を上手く活用したものとも言えます。
※Bolthouse Farms Official Brand Site
http://www.bolthouse.com/
さらには、アメリカではとっても有名で定番のスナック、「Goldfish :ゴールドフィッシュ)にも、新たな新商品を投入するのだそう。
この可愛いお魚型のクラッカーは、「Pepperidge Farm」というブランド名だが、この「Pepperidge Farm」もキャンベルが1961年に買収したもの。
ちなみに同ブランド名で、このクラッカー以外にも、クッキーや製菓関連商品、パン類などを展開しています。
※Pepperidge Farm Goldfish Official Website
http://www.pepperidgefarm.com/
これまでは、「オリジナル」、「パルメザン」や「チェダー」などのチーズ系、「ピザ」味などで展開していたのですが、2014年度は、「Salsa Con Queso」、「Fiesta Flavor Blasted」、「Kick It Up a Nacho」
と言った、メキシカンテイストを追加。
この背景には、多民族化が一層進む現状があります。ヒスパニック系のパレットに合わせた商品で、より一層の販売機会を獲得しようということなのです。
他にも、たくさんの新商品が投入されるのですが、本家本元の「缶スープ」にも、昨期売上好調だった「Chunky」シリーズを中心に、新しいフレーバーが投入されるようです。
新しいフレーバーは、「Hearty Cheeseburger」、「 Spicy Chicken Quesadilla」そして「 Philly-Style Cheesesteak」など、私などからすると「???」なそれぞれとってもポピュラーなお料理の味を模したもののようです。
これら新商品のネーミングなどを見ても、これまでの缶スープ(有名なのはチキンスープなど)の消費を支えてきたベビーブーマー世代から、同社がより若い「ミレニアルズ」にターゲットを広げ、また注力し始めたことが伺えます。
血気盛んなキャンベル社の2014年度はこの8月にスタートしたばかり。これらの新商品が続々と登場してくるのが楽しみです。
※ニュースソース
Campbell Soup Company Press Release
http://investor.campbellsoupcompany.com/phoenix.zhtml?c=88650&p=irol-newsArticle&id=1840630
Ingredients Network
http://www.ingredientsnetwork.com/news-content/full/campbell-to-launch-200-new-products
Convenience Store News
http://www.csnews.com/top-story-supplier_news-campbell_to_launch_200_plus_new_products_in_fiscal_2014-64143.html
Advertising Age
http://adage.com/article/news/campbell-soup-targets-generation-200-products/243294/