セクシー過ぎる広告で話題作り!?女性から賛否両論のリスキーな(?)商品広告
※Picture:Screen shot of Kraft Dressing's official facebook page
読者の皆様、こんにちは。
今号は、まずここで皆様に質問です。上記の写真、一体どんな商品のプロモーションだと思いますか?
・・・・・・
正解は、「クラフトフーズ社のドレッシング」です。
クラフトフーズ社(Kraft Foods Group,Inc.)は、アメリカイリノイ州のシカゴ郊外、ノースフィールドに本社を構える世界でも最大手の食品・飲料会社の一社。
※Kraft Foods Website
http://www.kraftfoodsgroup.com/home/index.aspx
北米地域で取り扱う主な商品は、「Kraftチーズ」、「フィラデルフィアチーズ」などのチーズ関連商品や、「リッツ」、「オレオ」などの菓子類、そして、今回のトピックスの主役であるサラダ用「ドレッシング」など多岐にわたります。
※Picture:Screen shot of Kraft Foods Official Blog
ちなみに余談ですが、同社は数年前に英キャドバリー社(食品大手・チョコレートなどで有名)を買収し、世界最大のお菓子メーカーとなっています。
さて、クラフトフーズ社の概略はこの位にして、この話題沸騰のセクシー広告(!)についてにうつりたいと思います。
この、ピクニックシートだけをまとったほぼ全裸の男性は、「The Zesty Guy」こと、Anderson Davis氏です。
このモデルや俳優業をこなす、イケメンかつナイスボディの彼をマーケティングプロモーションのメインキャラクターとして起用したのが、「Zesty Italian Dressing」を製造・販売するクラフトフーズ社なのです。
※Picture:Screen shot of Kraft Foods Website
この「The Zesty Guy」を起用して、同社が展開しているのが、「Let's Get Zesty」という名のキャンペーン。
キャンペーン自体は4月頃からスタートしており、ビデオチャンネルなどでは、複数のコマーシャルが提供されたり、「The Zesty Guy」のFacebookページ、Twitterアカウントからも情報発信が行われていました。
ちなみに、「Zesty」とは、「快い刺激的な味のある」といった意味を持っており、ドレッシングを表すにせよ、魅力的な男性/女性を表すにせよ、ぴったりな言葉使いだと思います。が、先日「People」誌に、冒頭のほぼ全裸のピクニック写真の誌面広告が見開き2Pにわたって掲載されたことで、世間(特に女性陣)で一気に話題となったのです。
以下の写真は、これまでに公開されてきた、「The Zesty Guy」のその他の写真素材ですが、「ほぼ全裸ピクニック」写真に比べると見劣りするかもしれませんが、どれもこれも、ドレッシングの広告なのだか、最早わからないような内容です。
※Picture:Screen shot of Kraft Dressing Facebook Page
※Picture:Screen shot of Kraft Dressing Facebook Page
※Picture:Screen shot of Kraft Dressing Facebook Page
※Kraft Zesty Facebook Page
https://www.facebook.com/KraftDressing
※Kraft Zesty Guy Twitter Page
https://twitter.com/TheZestyGuy
さて、この広告にとりわけ表だって抗議を申し立てているのが、「American Family Association (以下:AFA)」というNPO組織の、「One Million Moms」という団体です。
※One Million Moms Website
http://onemillionmoms.com/
この「AFA」ですが、実は同団体、保守的なクリスチャン系とあって、例えば「同性婚」や「ポルノグラフィ」、「中絶」などに断固反対を表明しているという特徴があります。というわけで、同AFA傘下の「One Million Moms」も同様の主義・主張をもっているわけで、今回のクラフト社の「ほぼ全裸広告」は、彼女らにとっては、「行き過ぎ」だったのです。
「何を考えてるの、クラフトは!!!」
「私たちクリスチャンの母親は、こんなドレッシングは断固買わないわ。 この広告が撤去されるまでは!」
というトーンの書き込み、投稿が同団体から次々と寄せられました。
その後、FacebookやTwitter上では、「The Zesty Guy」を擁護する立場、批判する立場、両者の意見が数多くやり取りされ、バトルが継続しています。
ちなみに擁護する立場側の意見としては、
「こんなユニークな広告は初めて!」
「The Zesty Guyがいるなら、私ビーガン(厳格なベジタリアン)に なっても良いわ!」
「これまで女性がビキニや肌を露出して(男性に)アピールする広告なんて 五万とあったじゃない?やっと男性も同じように扱われるようになったのよ!」
などという声が上がっているようです。
ところで、当のクラフトフーズ社の反応はというと、
「この広告は遊び心あふれる手法で、消費者にリーチしようとしたものなんだ。」
「今回のキャンペーン広告をとっても楽しんでくれている消費者が既にたくさん いるよ。」
といったところで、今のところ批判を意に介する風はないようです。
また、世の中の全体的な評価はどうなのかというと、Todayでちょうどユーザーアンケートがウェブ上で行われていまして、この記事を書いている時点(7月10日)では、
A:広告は行き過ぎだ・・・45%
B:行き過ぎじゃない。楽しくて良い・・・55%
※Picture:Screen shot of Today Website
※Today クラフトフーズドレッシングアンケートページ
http://www.today.com/money/does-krafts-zesty-print-ad-go-too-far-6C10321442
ということで、どちらかといううと、広告を楽しんで好意的に見てくれている消費者が多いようです。
とは言え、訴訟好きなアメリカ。もしかすると、「One Million Moms」や同様のクリスチャン系の団体などから、訴えられる可能性もないとは言えません。
今後、クラフトフーズ社、そして「The Zesty Guy」がどのような露出を続けるのか、はたまた方向性を変える時が来るのか、その展開が楽しみです。
※ニュースソース
CBS Chicago
http://chicago.cbslocal.com/2013/06/18/are-kraft-ads-a-bit-too-zesty/