「男性メイク」市場活況!「メイクをしてみたい」男性9割!? 男性メイク市場が爆発的に伸びると予想できるワケ

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化粧水やオールインワンジェルといったスキンケア製品にとどまらず、肌色を補正するBBクリーム(ブレミッシュバームクリーム)や眉を描くアイブロウなど、男性用のメイクアイテムの売れ行きが好調だ。街で、職場で、輝くような均一な肌色の男性、清潔感のある垢抜けた眉毛のラインの男性を見かけることも増えたのではないだろうか?よーく見ると、実はそれらの男性たちも、すでにメイクを取り入れているかもしれない。

実際に「男性がメイクをすること」への社会の受容度は上がっているといえる。
2020年に向けて特に注目に値する市場のひとつ、「男性メイク市場」に関して、マーケターならばぜひにアップデートしておきたい。


 

“男性がメイクすること”への受容度が上がっている

 

 

資生堂unoが2019年10月に20代から50代の男性439名、女性447名を対象に実施した調査によると、20代から50代の男性の約9割が「スキンケアはもはや“身だしなみ”の1つ」と捉えており、保湿目的にととまらず、さらに美白やアンチエイジングといった機能でアイテムを選択する人も多いことがわかった。

 

「BBクリーム(顔の色ムラを補正するクリーム)の塗布やアイブロウで眉を整える等のメイクをしてみたい」と答えた男性も半数以上にものぼり、26.2%が「すごく思う」、25.3%が「思う」と回答。「機会があったらしてみたい(35.3%)」を加えると、86.8%、実に約9割の男性がメイクをしてみたいという意欲を持っていることがわかる。

 

ただ、女性のようなフルメイクや華美なメイクに関心があるわけではないようで、「見るからにメイクをしているとわかるレベルでするのには抵抗がある」という男性が3割強いることから、あくまでナチュラルなメイクにとどめたいという意向も見て取れる。

 

男性がメイクをすることは、ビジネスシーンでも“アリ”?

 

仕事相手の男性がメイクをしていることに抵抗がない男性は約8割にのぼり、仕事相手がメイクをしていることに否定的な層はわずか5%にとどまった。

 

女性においても、「仕事相手(上司・後輩・同僚・取引先)の男性がメイクをしていると気づいた際に、どういう印象を持つか?」という問には、好印象と答えた女性が6割強。

「なんとも思わない(28.4%)」と合わせると、男性がメイクをすることに抵抗がない女性は約9割に達することがわかる。女性側も男性がメイクすることに抵抗なしというのが一般的な意見のようだ。

 

ファッション目的よりも「マインドチェンジ」や「コミュニケーション改善」が根拠たりえる?

 

メイクをすることで得られた心理的効果に関しての調査では、「気持ちが前向きになった」が約 6 割、「自信が持てた」約4割。 ファッション目的よりも“印象をプロデュースすることでより人生をよくしたい”  顔の色ムラ補正、眉補正等をすることにより、自身のマインドにも影響があることが伺える。メイクをすることでの気持ちの変化に関して、「気分が前向きになった(61.1%)」が最多、次いで、「自信が持てた(39.5%)」、「立ち振る舞いが明るくなった(37.8%)」等、自身の精神面にポジティブな影響があったと実感していることがわかる。

 

『(メイクをすることで)ビジネスの場で有利になる(出世する、商談の成果があがる等)』と考える男性が約 7 割弱(68.6%)、『女性(ないしはパートナーとなる対象)に好印象を与えることがあると思う』男性が約 8 割 弱(77.7%)いることから、肌のきれいさや眉を変えることで与える印象が、対人コミュニケーションにおいて 何らかのプラスの効果につながるととらえている男性が多い傾向だという。

出典:資生堂uno調査
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001540.000005794.html

 

女性コスメでは定番の「クリスマスコフレ」も、男性メイク製品の商機に

 

クリスマスギフトを贈ることが定番化している年末のホリデーシーズンは、コスメ業界にとっても重要な書き入れ時。女性用コスメ市場においてはもはや「クリスマスコフレ」商戦は定番で、期間限定のメイクポーチやメイクグッズ、通常品の限定パッケージなどを各ブランドが競って販売する。女性誌では秋口から「クリスマスコフレ」特集が相当なページ数を割いて展開されるのが風物詩となって久しい。

 

男性コスメにおいても、クリスマスコフレ商戦がじわじわと定番化する兆しがあり、また、限定製品や来シーズン発売予定の新製品等がワンパッケージになっている“コフレ”スタイルは、「これからメイクを始めてみる」という男性にとっても手に取りやすい「エントリーアイテム」としての立ち位置も期待される。

 

資生堂unoはこの秋より本格発売を開始し、同社担当者いわく「予想以上の売れ行き」というBBクリーム(ブレミッシュバームクリーム。“粗かくし”が語源だが、皮膚の凹凸や色ムラを補正し、肌を健康的に均一に見せるクリームのこと)「ウーノ フェイスカラークリエイター」の、さらにカバー力のある来春発売予定のタイプで、毛穴・ニキビ跡や質感を補正できるBBクリーム「ウーノ フェイスカラークリエイター(カバー)」と、眉バランスを補正できる男性用のアイブロウ「ウーノ バランスクリエイター」の限定セットを、男性の“買いやすさ”を意識し、販路をアマゾンに限定し、数量限定で発売。プレゼント需要にも応えるスタイリッシュなボックス入りだ。

 

資生堂uno「ウーノ アドバンスドフェイスクリエイターズ」
【価格】¥1,980(オープン価格:発売中)

 

若い男性に向けてインスタグラムやLINEを駆使したセールスプロモーション戦略を展開し、パッケージを極力シンプルにすることで品質の高いスキンケアをリーズナブルに届けるという触れ込みで人気の「BULK HOMME(バルクオム)」では、男子がグッとくる、スタイリッシュなモバイルバッテリーをセットにした限定セットを12月16日に発売する。

モバイルバッテリーは外出先でも安心の大容量(5000mAh)で、タブレット、ipad、アイコスも充電可能と、スペックにこだわる男性の心理も突いている。

 

「THE TRAVEL SET&MOBILE BATTERY SET(トラベルセット&モバイルバッテリーセット)」
【価格】¥6,000(税別)送料無料、ラッピング料込。楽天・Yahoo!で先行予約受付。

 

そのほか、老舗外資ブランドのクラランスでもスキンケア製品とトライアル品、ポーチをセットにした男性用コフレを展開しているほか、オーガニックコスメブランド「クワトロボタニコ」でも、ファッショナブルな男子ウケを狙ったのブラックの迷彩柄ポーチ付きスキンケアコフレを展開するなど、男性をターゲットにしたクリスマスコフレのバラエティも拡がっている。

 

クラランスMEN ホリデーキット
【価格】¥ 3,300~8,500(税込み)
好みの現品1つに、トライアル製品が2つ付いてくる。

 

クワトロボタニコ「ボタニカル スキンケア セレクション」
【価格】¥ 7,480(税込み)
男性ウケを狙った迷彩柄のオリジナルポーチが特徴的。

 

2020年以降は「男子向けクリスマスコフレ」も女性向けバリに“百花繚乱”の様相を呈するかもしれない。

 

若年層男性をターゲットにしたメイク体験イベントも

 

電通テックはインフルエンサーマーケティング企業LIDDELL株式会社と共同で、男性コスメをインスタグラムを介してPRするメンズ美容情報インスタグラムアカウント「Boys Beauty」を展開。

2019年10月には原宿のLIDDELL本社を会場に、一般の男性やインフルエンサーたちが、男性一人でもカップルでも来場できる、様々なコスメを試用できるイベント「Boys Beauty企画!コスメお試し会」を開催した。

 


「Boys Beauty企画!コスメお試し会」の様子

 

”Boys Beauty”プロジェクトとは

 

近年のメンズコスメ市場の拡大を受け、Z世代の消費行動把握、およびメンズスキンケア・コスメ市場の活性化への貢献を目的として、LIDDELLと電通テックが共同で運営する、Z世代男性向けに厳選したメンズ美容情報を発信するインスタグラムアカウント。

メンズスキンケア市場の拡大とインスタグラムのマス化に伴う検索媒体としての使われ方に着目し、アグリゲーションを主とした一大メンズ美容コミュニティの構築を目指すという。

 

Boys Beauty(@boysbeauty_jp)https://www.instagram.com/boysbeauty_jp/?hl=ja

 

同イベントでは、一般男性たちに「カッコよく魅せる」ための男性向けナチュラルメイクを指導するメイクアップアーティスト高橋弘樹氏が実際に「男性が活用しやすい」コスメを数百種類キュレートし、自由に手に取って試用できる当イベントには多くの一般男性が来場した。年齢層は20代から30代。男性大学生や社会人男性が興味深くファンデーション、コンシーラー、アイブロウ、チーク、日焼け止め、スキンケア製品と多岐にわたるアイテムを、夢中になって物色し、鏡の前でトライアルする姿は女性のそれとまったく変わらない光景だ。

 

特に男性は合理的に化粧のメカニズムを咀嚼してトライする人が多いという高橋氏。
パッケージのスタイリッシュさなどのみならず、機能やスキンケア・メイクの「テクニック」にも非常に興味深く耳を傾けるという。

 


メンズメイクの講習会等を数多く行うメンズメイクの権威 高橋弘樹氏

 

イベントにカップルで訪れた参加者にヒアリングをすると、男性も普段からメイクをしているという声も多く、また、そのパートナーである女性たちも「肌がキレイになったり、カッコよく見えるし、彼氏がメイクをするのは賛成」というコメントが大半を占めた。カップルでアイテムの情報を交換したり、彼女が彼氏にメイクテクニックを伝授するというコミュニケーションも活発に行われているようだ。

 

歴史上、実は男子がノーメイクなのは最近のコト

 

ツタンカーメンの黄金マスクを見てもわかるように、男性のメイクは人類の歴史上は常識だった。平安貴族や戦国武将のみならず、江戸時代の男性も白粉をしていたという記録がある。化粧心理学のパイオニアでもある東北大学 阿部恒之教授によると、男性がメイクをしていない現代の方が、人類史の中では珍しい時代だという。

 

また、世界で活躍するエグゼクティブのセルフプロデュースのコンサルティングを行う国際ボディランゲージ協会の安積陽子氏によると、海外のエグゼクティブはBBクリーム等をすでに常用しており、スキンケアやアイブロウ(眉ケア)への意識は日本人よりも進んでおり、ビジネスで活躍する人ほどセルフプロデュースの一環として「メイク」のテクニックを取り入れているという。

 

「メイクをするのは女性」という常識はもはや捨てるべきであることは明らか。「普通に男性としてカッコよく魅せる」ための“男性メイク”が、化粧品業界の新市場となることは必然といえるだろう。

 

 

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