ニューヨークヤンキース・ステーキハウスに聞く! 成功する「おもてなしマーケティング」5か条

内田 洋子

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NewEdge PR LLC 代表(兼:ロイヤルアドバータイジング・ニューヨーク支部代表)、Teezler創設者、JinJour編集長。海外市場向けマーケター&新サービス企画・プロデューサー。
神奈川県藤沢市生まれ。15歳で留学のため単身渡米して以来、長い間現地で培ったアメリカ人の考え方やものの見方を活かし、ニューヨークで数々のマーケティングプロジェクトに携る。
2014年に日本の良いモノを海外に広めるためニューエッジPR社を設立。
現在はニューヨークで主に海外市場向けのEC・デジタル戦略やメディアプロジェクト、新サービスのプロデュース事業を展開中。(写真:ブロードウェイにて)


 Vol.6
「ニューヨーク発!マーケ最新事情」

 

ミッドタウンにあるニューヨークヤンキース・ステーキハウス。
多くのステーキハウスで賑わうミッドタウンに去年2月オープンしましたが、ステーキ激戦区にも関わらず当初から客足が絶えず、多くの野球ファンや家族、ミッドタウン付近のビジネスマンなどで賑わっています。

 

(フェイスブックページより:NYYSH店内)
(フェイスブックページより:NYYSH店内)

今回はニューヨーク現地のレストランがどのようなマーケティングをし、客足を惹きつけているかを探るため、同レストランのマーケティング担当エイミー・ダニエルズさんにお話を伺いました。

エイミーさんは、ザ・エンパイヤホテル・ルーフトップ等をプロデュースし、経営するレストラングループの大手で知られるチャイナグリル・マネジメントにてマーケティングを率いってきた経歴の持ち主。長年ニューヨークのレストランビジネスのマーケティングを経験しきたプロのニューヨーカー・マーケターでもあります。

今回は、そんなエイミーさんにニューヨークヤンキース・ステーキハウス(以下略:NYYSH)のような「おもてなしビジネス」が実践するマーケティングについて成功する秘訣を聞きました。

 

1. ポジションを知るからすべてが始まる

「成功するマーケティングは、まず自社のビジネスやサービスが他とはどう違うか、どのようにユニークなのかを知るという事から始まると思います。自社のサービスがどのような人にとって価値があるのかを知ることにより、お客様像を知り、お客様がどのような物を食べているのか等、おもてなしビジネスには欠かせない消費者の立場や目線をよりよく知ることに繋がります。NYYSHではヤンキースが最大の特徴となりますが、ヤンキースの選手やメジャーリーグの大物と合えたりする他、ワールドシリーズのトロフィーの実物が見れたりと、野球ファンにはたまらなくうれしい経験がNYYSHは提供できるという部分を強味に、これらの特徴を活かしたマーケティング施策を実施しています。」

 

(フェイスブックページより:ワールドシリーズのトロフィー)
(フェイスブックページより:ワールドシリーズのトロフィー)

2. 観客を知る

「NYYSHではお客さんと積極的に対話するなどして、より深くターゲットである顧客層について知るという努力をしています。これをする事により、お客様と距離が縮まるほか、どのような潜在ニーズがあるか等も顧客の目線で分かるようになります。

 

また、ただ単にポジティブな意見や感想を聞き入れるのではなく、ネガティブな感想や意見も情報として収集し、そこから見える問題点等を洗い出し、改善に繋げていく努力をしています。

特にレストランのようなおもてなし事業にとっては、『カスタマーエクスペリエンス』が成功のカギとなります。これは食事自体のクオリティーもそうですが、サービスや雰囲気だったり、総合的なエクスペリエンスに関わることになります。

そのため、顧客の目線から全体的なサービスの質を向上させるよう、常にチームと一丸になり顧客分析から改善策を模索しては実施してを繰り返して行っています。」

 

3. 試合に適した球場を確保せよ

「野球の試合は観客がいる場所で試合をしたほうが、よりいいプレーができるのと同じ様に、レストラン事業も観客がいる場所を見つけ、彼らにしっかりとアプローチ(露出)し、お客様を確保する事が重要になります。

観客へのアプローチ方法は様々ですが、NYYSHの場合ターゲット層が35歳以上なので、彼らが使っているメディアやツール(この場合はフェイスブック)で面白いコンテンツを共有したりして理想の顧客層へアプローチをしています。

 

また、ソーシャルメディアではただ単に自分自身を発信するのではなく、潜在顧客との対話を大切にし、意見や感想も聞いたりして、ヒアリングツールとしても使っています。NYYSHでは、まずどのような顧客が対象もしくは理想であるか、その人たちはどのような媒体やツールを使っているのか、それらを知ったうえで、顧客層へのリーチを図っています。」

 

4. 常に「スコアボード」に注目せよ

「ありとあらゆる事を、とりあえずやってみるというマーケティングよりも、効果の測定や追跡をしっかりする事をNYYSHでは徹底しています。各キャンペーンの費用対効果をしっかりと分析し、効果が薄い部分の予算はより効果が高いところにもっていくなどして、施策後の微調整をします。

また、レストランビジネスの最終目標といえば、レストランを満席にすることですが、その目標を達するためにNYYSHではソーシャルメディアを使ってキャンペーンをしたり、メルマガを送ったり、オンライン予約等ができるようにしたりと、理想の顧客層が良く使う様々なオンラインメディアでマーケティング施策を行っています。

もちろん、オンラインやソーシャルメディアでのマーケティングのキャンペーン後には、各クリックスルー率やライク数、フォロア―数、シェア数などといったKPIに注目しながら、効果測定をし、マーケティングの費用対効果を管理しています。」

 

5. チームワークと個々の選手の強味を生かす

「野球選手がそれぞれ個性や得意とする技を持っているのと同様に、レストランのマーケティングチームでも、チーム内のだれがどのような事に一番強いかを知る必要があります。

例えば、お母さんの層をよく知り、得意とする人にソーシャルメディアでのキャンペーンを担当してもらった結果、「母の日」プロモーションで7万にリーチ、ソーシャルメディア上でのアクション数は440件があったほか、最終的に70件のレストラン予約がフェイスブックページから入るなどして、大成功を収めました。

成功するマーケティングはそれぞれ得意とする分野を活かした良いチームワークで出来上がるのです。」

 

(フェイスブックページより:父の日プロモーション)
(フェイスブックページより:父の日プロモーション)

 

 

エイミーさん、ご協力ありがとうございました!
いかがでしたでしょうか?レストランのような「おもてなしビジネス」のためのお客様の視点を大切にした「おもてなしマーケティング」

今回はヤンキース風に成功するマーケティングの5か条をお届けしました。
次回はアメリカで更に加速する今アツイ最新オンラインマーケティング手法の「インバウンド(コンテンツ)マーケティング」に関してお届けします。
こうご期待!

 

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