2014年12月13日 14:00-
【特別企画】みんなで考える「次の伊江島」Part.3|にっぽんのマーケター meets ローカル!
2014年12月13日 14:00-
【特別企画】みんなで考える「次の伊江島」Part.3|にっぽんのマーケター meets ローカル!
文=前田成彦(Office221) 写真=三輪憲亮
そんな考えからスタートした新企画「にっぽんのマーケター meets ローカル!」。
沖縄県の北西に浮かぶ小さな島・伊江島の活性化をテーマとして12月13日(土)に行われるアイデアソンに向け、現状と課題を3回に分けてお伝えするこの企画。最終回となる今回はいよいよ、伊江島が現在抱える活性化のための課題についてお伝えします。
アイデアソンには伊江島の方をゲストとしてお招きし、皆さんには、当日編成したチームで練り上げたアイデアを実際にプレゼンしていただきます。プレゼンの結果、優秀なアイデアに関しては、ゲストからの表彰あり。場合によっては、実際のプロジェクトとして始動する可能性も…。
ふるって参加ください!(アイデアソンの詳細は本記事、最下段をご確認ください)
伊江村役場 商工観光課長の東江(あがりえ)民雄さん、課長補佐の島袋裕次さんによると、伊江島の面積は22.75平方㎞。人口はおよそ4500人と、石垣島、宮古島、久米島、伊良部島に次ぐ規模である。
そんな伊江島が抱えている大きな問題が、過疎化。その大きな理由の一つが、島内に高校、大学が存在しないことだ。
「中学を卒業すると必ず島を出て、本島などの高校に進学します。そのため、早い段階で自立心を養うことができるのですが、高校を卒業後すぐに就職で戻ってくるのは、島を出たうちの1割に満たないのが現状。そしてその後に、転職などタイミングで戻ってくるのが、あと1割ぐらいでしょうか。
理由は明白です。他の離島とも共通する問題ですが、仕事が少ないことです。伊江島で就職するといっても、ホテルや村役場、団体職員などに限られてしまいます。例え帰りたくても、仕事がなければ帰れませんから」(東江さん)
島内で最も少ない年代は、18~24歳。そのため島全体がやや活気に欠けているのが現状だ。そして女性が戻ってくるケースが少ないため、男性が結婚相手を探すのもひと苦労だという。今の伊江島にとっての急務は、若い世代が帰りたくなるような基幹産業作りといえるだろう。
また、過疎化の解決策としてもう一つ考えられるのが、移住。しかし現在、沖縄以外から移住してきた人は、まだ約20名。多数の移住者を迎え入れるまでには、まだ至っていないのが現状だ。
沖縄県 伊江村役場 商工観光課 課長 東江(あがりえ)民雄さん
沖縄県 伊江村役場 商工観光課 課長補佐 島袋裕次さん
豊富な観光資源をもつ伊江島だけに、より多くの若い世代に帰村してもらうには、観光産業へのテコ入れが必要なのは間違いない。島袋さんはこう語る。
「根本的な問題として、沖縄以外の人の認知度が低い。伊江島と聞いて『どこ?』と答える人がほとんどです。仮に知っていても、沖縄本島からはフェリーで30分と近いので、離島というイメージがわきにくい人も多いようです。伊江島という島について、まずは知ってもらう必要がありますね」
沖縄の美ら海水族館近くの本部(もとぶ)港からフェリーで約30分(フェリーは1日4便)
今、伊江島にやって来る観光客の数は、平成23年度で約13万人。「民泊」で多くの修学旅行生を迎え入れていることもあり、離島の中では決して少ない方ではない。だがその一方で、宿泊する一般の観光客はあまりいないようだ。
民泊パンフレット
「多くの場合が、本島への観光ついでの日帰り滞在ですね。それも2時間から、長くても6時間ぐらい。滞在型の観光客をどう呼び込むか。これは非常に大きなテーマです。伊江島には豊かな自然や名所、文化など、素材はある。でも、それを生かし切れていない。本島行きのフェリーの最終が16時ですから、この時間以降のアクティビティやイベントを、考えていかねばなりません。
もちろん私達の間でも、いろいろな案は出るんです。例えば村踊の見学や、星空ツアーを組むとか、名産の『伊江ソーダ』を使った告白イベントとか。でも、なかなか実現には至っていませんね」
「IESODA XXX」全部で4種類。島で作られた黒糖を使った黒糖コーラ、真っ白なテッポウユリをイメージした乳酸入りのホワイトソーダ、
ドラゴンフルーツを使ったピンクドラゴン、沖縄県産シークヮーサーと湧出の塩「荒波」入りのグリーンマース
Part.2でお話を聞かせていただいた、伊江島蒸留所の知念寿人さんは「イベントを開催するのが一番早いのでは?」と語るが…。
「例えば5~6月にでも、レゲエフェスをやってみるなんていいと思います。『日本で一番早いレゲエフェス』と称して全国からさまざまな人に来てもらい、レゲエを楽しんでもらう。そうすれば、レゲエと相性のいいラム酒もたくさん売れる。島にとってもメリットは大きいと思います。
ただし大きな問題が、そういったイベントに来た数百人、数千人の人が休んだり、宿泊したりする場所がないこと。大人数を受け入れるための体制ができていないと言わざるを得ません。天気のいい夏場はある程度どうにかなりますが、冬場や雨の多い時期はやはり難しい。施設面の課題は大きいですね」
左:知念さん、右:東江さん
滞在型の観光客とともに、リピーターが少ないことも課題。日帰りではなく滞在してもらい、一度だけでなく、繰り返しこの島に来てもらう。そのためには、どうするか。最後に、東江さんがこう語ってくれた。
「実は、私達の職場の体制も問題でして…。産業振興や活性化をうながすには、現状では人数が足りない。毎日の職務に追われて、今後のための有効な施策を考え切れていないのが現状です。小さなもので構いませんので、活性化のヒントになるようなアイデアを何かいただけたら、非常にうれしく思います」
さまざまな問題こそあれ、この島の豊富な観光資源は大きな魅力。間違いなく、ポテンシャルは高い。活発な議論が交わされ、オリジナリティあふれるアイデアがたくさん生まれることを期待したい。
12月13日のアイデアソンには伊江島代表として、伊江島物産センターの知念さん等が来訪予定。参加いただいた皆さんには、練り上げたアイデアを実際にプレゼンしていただく。そして優秀なアイデアにはゲストからの表彰があり、場合によっては、実際のプロジェクトとして始動する可能性も…。そしてこの経験は、皆さんのマーケターとしてのスキルアップにも、確実につながることだろう。
ぜひ、ふるって参加ください!
(終わり)
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《にっぽんのマーケター meets ローカル!アイデアソン Vol.1概要》
イベント? ツアー? それとも…。
沖縄・伊江島のPR&集客プランをみんなで考えよう!
~地域ブランディング・アイデアソン~
ご紹介した伊江島のPR&集客企画を一緒に考えませんか?
にっぽんのマーケター」では今回、伊江島の地域活性アイデアソンイベントを開催いたします。参加者の皆さんには上記特集内容(計3回)にて、基本情報を押さえていただいた上でお集まりいただき、伊江島の地域ブランディング・活性化アイデアを一緒に考えプレゼンいただきます。
イベントは二部構成。当日は伊江村商工観光課の方をゲストにお迎えして開催します。
第一部(アイデアソン)では、ファシリテーターの進行のもと、共通のテーマに興味を持った方同士でチームを構成し、そのチーム毎にテーマにそった企画をまとめていただき、プレゼンしていただきます。
第二部(表彰&懇親会)では、軽食とお飲物をご用意させていただきます。第一部で発表されたアイデアの中から伊江村商工観光課の方に優勝アイデア(チー ムを)発表していただきます。その後は優勝チームの企画のブラッシュアップを肴に(?)ご参加いただいた皆さんと交流を図って盛り上がりましょう。
■日時 2014年12月13日(土)
第一部 14時~17時
第二部 17時30分~19時30分(予定)
■場所 渋谷周辺の施設 ※追って参加者にメールにてご連絡いたします。
■会費 2,000円
※お一人様、3名分までお申込み可能です。
※事前支払い。
※参加賞としてお土産あり(予定)
■募集人数 25名(最少催行人数10人)
※先着順
※エントリー〆切12月3日(水)中まで。
↓↓↓お申し込みはコチラから。
以上です。皆様のご参加心よりお待ちしております!!
※最少催行人数に達しない場合、中止となる場合がございます。(中止の場合、会費は全額ご返金致します。)
※最少催行人数に達しない場合、事前にお申込者様に中止のご連絡をメールにて差し上げます。
この企画に関するご質問等ございましたら【お問合せフォーム】からお問い合わせください。
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