独・英国発。健康でハッピーな100歳が多く活躍する世界に。医薬・化学品メーカーが新時代への準備を提唱

ヒューレット秦泉寺 明佳 [記事一覧]

愛媛県出身。大学卒業後、広島〜東京〜アメリカと移り住んだフリーランスライター。 通訳、英会話講師など英語スキルを生かした活動も行っています。趣味は料理、ホームパーティー、水泳、ハイキング。各国のユニークな広告やTVコマーシャルのウォッチで一日を費やしてしまうことも。

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今回は、ドイツのダルムシュタットに本拠地を置く、1668年に創業した世界的医薬品・化学品メーカーである「Merck/メルク」がイギリスをはじめグローバルに展開しているキャンペーンをご紹介します。

 

 

メルク社は、17世紀にフリードリッヒ・ヤコブ・メルク氏がダルムシュタットにあったEngel-Apotheke (天使薬局)を取得したことを起源としています。その後1827年には、ハインリッヒ・エマニュエル・メルク氏がアルカロイド類、植物抽出物、化学薬品の工業規模の生産を開始するなどし事業を拡大。

 

現在では世界で最も歴史ある医薬・化学品企業として、世界60か国以上、従業員数5万人超のグローバルカンパニーとなっています。

 

 


Picture:Screenshot from Merck Group Official Website

 

 

業界のリーディングカンパニーである同社が、世界レベルでの長寿・高齢化社会の到来に対しても時代を先取りしていく企業姿勢をみせてくれているのが、メルクのコンシューマーヘルス部門が主体となって展開しているキャンペーンです。

 

" WE100 "

 

と名付けられたキャンペーン。この言葉は「100歳まで健康でハッピーに生きる」という意味を含んでいます。

 

人間の寿命が長くなっている中で、近い将来には多くの人が100歳まで、いや100歳を超えて生きる時代がやってくる。そんな時代の到来に、将来を担う子どもたちも含めた私たち皆が準備しておく必要があるという思いからキャンペーンはスタートしています。

 

 


Picture:Screenshot from Merck Official Facebook Website

 

 

キャンペーンをスタートするにあたり、同社は2344人の消費者を対象に年齢を重ねることに対しての意識調査を実施しました。アンケートでは以下のような声が返ってきたようです。

 

・社会は加齢に対しての認識と対応を劇的に変えるべきだ・・・80%
・リタイア後の人々の社会参画に対し、政府は積極的な取り組みを行っていない・・・95%
・50歳を超えての就職はかなり厳しい・・・80%
・100年間健康的に生きることについて、子どもたちは十分な知識や教育の機会を得られていない・・・93%

 

これらの他にも、およそ7割近くの回答者が「年齢はただの数字でしかない」と答える一方で、8割の回答者が「加齢に対するネガティブな姿勢を変えるべき」と回答した調査結果も報告されています。

 

 

こうした状況を受けて、現在の社会と人々にまずはインパクトのあるメッセージで目を覚ましてもらおうと制作されたのがこちらのプロモーション動画です。

 

 

" Merck - WE100 - Global Campaign. "

 

 
動画の中で、10メートルの高さの飛び込み台から華麗な飛び込みを披露してくれたのは、イタリア北東部の都市トリエステに住む御年79歳のPino Auberさんです。

 

実は彼が飛び込みを始めたのは、彼が57歳の時だったそうです。

 

 

"Today we're living longer. There's always time for a first time."

 

動画の最後に流れる「今日のわたしたちはより長生きだ。初めての機会はいつでもそこにある。」という言葉の通り、何かを始めるのに遅すぎるということはない、年齢を重ねてからでも新しいことに挑戦することができるというメッセージを発信しています。

 

 


Picture:Screenshot from Merck Official Video On YouTube

 

 

キャンペーン動画の中にはメイキング過程も盛り込まれており、自身の子どもたちに飛び込みのレッスンを受講させている親たちに、「飛び込みを習ってみないか?」と尋ねるシーンがあります。

 

親たちは口々に、「年を取りすぎているわ」、「子供のころから習い始めるべきものよ」など年齢を理由にしたネガティブな回答を口にします。

こうした年齢を重ねた人々自身の加齢に対する意識や態度にも、政府やコミュニティ同様に変革をもたらしたい。そんなメルクの強い思いが伝わる内容になっています。

 

 

同社はキャンペーンのFacebookページも開設。そこでは、歳を重ねてなお輝き続ける、アクティブでハッピーな生活を送っている人々を紹介しています。

 

 


Picture:Screenshot from Merck Official Facebook Page

 

 

例えばこちらの女性はイギリスのニュースでも紹介された104歳のエイリーンさん(取材当時。2016年10月には105歳になられました)。若々しく顔がとってもかわいらしい彼女は、ヨガを楽しんで健康を保っているそうです。

 

また、ページを訪れた人に今回のテーマについて気軽に率直に意見交換をしたいと、月曜日から金曜日までの午前9時から午後6時まではコメントへの返信などになるべく早く対応すると明言しています。

 

 

これらの他にも、若い世代と年齢を重ねた人々がお互いにもっと積極的にコミュニケーションをとってもらうために、ロンドンのウォータールー駅を皮切りに、WE100特製ベンチを設置したり、今年度中には子どもたちに向けて、高齢の人々にももっとアクティブに健康的に過ごしてもらえる社会であるために、若年層がサポートをすることの重要性や長く健康に生きるための知恵などの情報を提供する機会も設けていくのだそうです。

 

 

※WE100 Official Facebook Page
https://www.facebook.com/WE100/

 

※Merck Official Website
http://www.orientelectric.com/

 

 

※ニュースソース

※CREATIVITY
http://creativity-online.com/work/merck-consumer-health-first-time-anytime/51346

※SWNS digital
http://www.swnsdigital.com/2017/03/older-brits-missing-out-due-to-negative-perceptions-of-ageing/

※MERCK
http://www.merckgroup.com/en/media/extNewsDetail.html?newsId=4F04AA2F3FB62EADC125802D00256FB0&newsType=1

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