冷凍食品のマイナスイメージを払拭せよ!ベルトーリの新キャンペーンがイタリアン月間にキックオフ

ヒューレット秦泉寺 明佳 [記事一覧]

愛媛県出身。大学卒業後、広島〜東京〜アメリカと移り住んだフリーランスライター。 通訳、英会話講師など英語スキルを生かした活動も行っています。趣味は料理、ホームパーティー、水泳、ハイキング。各国のユニークな広告やTVコマーシャルのウォッチで一日を費やしてしまうことも。

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冷凍食品のマイナスイメージを払拭せよ!ベルトーリの新キャンペーンがイタリアン月間にキックオフ

 

 

 

読者の皆様、こんにちは。

 

 

10月は、世界的に"Breast Cancer Awareness Month/乳がん月間"として
知られており、多くの企業、ブランド、自治体などがピンクリボン運動に
参加したり、独自にキャンペーンやイベント、慈善活動などを精力的に
行っていますが、もう一つ、とある月間であることをご存知でしょうか?

 

 

それが、

 

 

"Italian Heritage Month"

 

 

です。

 

 

そしてこのイタリアの伝統や文化を称える月間に合わせて、新たな
マーケティングキャンペーンの展開をスタートしたのが、ブランドが
今年150年目の節目を迎えている
イタリアン食材で知られる、

 

 

"Bertolli/ベルトーリ"

 

 

です。

 

 

 

bertolli写真01
Picture:Screen shot from Surebzz.com

 

 

bertolli写真02
Picture:Screen shot from Bertolli Official Website

 

 

※Bertolli Official Website
http://www.villabertolli.com/

 

 

 

ベルトーリブランドの歴史は古く、もともとの起源は1865年、
イタリアのトスカーナ地方の田舎町ルッカというところで、
Francesco Bertolliさんとその奥さんが小さな食料品店を
始めたことに遡ります。

 

 

そもそもは、エキストラバージンオリーブオイルで知られた
同ブランドは、その後パスタソースやレディ・イン・ミール(レディ・
ミールとも言われる冷凍・冷蔵食品もしくはレンジアップ食材)
の販売もスタートしました。

 

 

bertolli写真03
Picture:Screen shot from Whats your deal

 

 

bertolli写真04
Picture:Screen shot from ConAgra Foods Official Website

 

 

 

ベルトーリはユニリーバ社に買収されましたが、そのオリーブオイル部門は
同社がスペインの会社に売却、またベルトーリブランドの冷凍食品は2012年
8月にアメリカのコンアグラ・フーズに売却、また北米の"RAGU""Bertolli"の
2ブランドのパスタソース事業については、2014年5月22に日本のミツカン
ホールディングスと事業の譲渡契約を締結しました。

 

 

イタリアの片田舎からスタートしたベルトーリブランドは、現在では世界
各国の企業に所有され、そのブランド・商品共に世界的な知名度を誇るように
なっていますが、今回ご紹介する取り組みは、その中でもアメリカの
コンアグラ・フーズが所有している、ベルトーリの冷凍食品ブランド
行っているものです。

 

 

 

 

実は、コンアグラ・フーズが所有するベルトーリブランドの冷凍食品も
含め、アメリカでの冷凍食品の売り上げは近年減少傾向にあります。

 

この背景には、消費者の食習慣の改善や、冷凍食品に対する認識の変化、
スーパーなどのデリ商品との競合などがありますが、同社が2013年に
行った消費者意識調査でも、回答者の80%が、「冷凍食品はかなり加工
された食品だ」と認識していて、そのうちの3分の2の回答者は、「冷凍
食品は太る」と思っているとの結果が出たのだそうです。

 

 

そんな業界にとっては逆風が吹く中、いくつかのメーカーやブランドは、
より「ヘルシー志向」の商品の導入や、消費者に対して冷凍食品が
持つ栄養価などを説明する企業努力を進めていて、コンアグラ・フーズも
そのうちの一社と言われています。

 

 

そして今回、同社がフォーカスしたのは、売り上げ減少幅の大きい一人用の
冷凍食品"Single-serve line"ではなく、売り上げ不振の冷凍食品の中でも
ポジティブな傾向が見られる、"Skilette line"呼ばれる数人の食事を
フライパンなどを使って準備できる商品ライン
でした。

 

 

 

bertolli写真05
Picture:Screen shot from ConAgra Foods Official Video

 

 

 

"MEAL for 2"という商品ラインにフォーカスした新マーケティング
キャンペーンをスタート。自宅での食事の調理過程、そして食事を
誰かとともにシェアすることの楽しさ、喜びをテーマにした2つの
TVコマーシャルをリリース
しました。

 

 

1つ目のコマーシャルでは中年の夫婦が、キッチンでパスタを準備
しますが、ただ袋の中身を温めるだけでなく、「Stir things up」
とテロップで出る通り、ワインを加えるなど商品をアレンジして
調理している場面を見せています。

 

 

※冷凍食品の夕飯だってロマンチックムードに!ベルトーリの
新CMはこちら

 
" Bertolli Patio :30 "
 

https://youtu.be/9ykj-5Dg7X4

 

 

 

そして2つ目のコマーシャルでは、ミレニアル世代のカップルが登場。
2人で味見をしたり、ダンスを楽しんだりしながら料理の準備過程を
楽しんでいますが、こちらでも、冷凍食品に対するネガティブな
イメージの払拭を狙い、トマトや削りたてのチーズを加えるなどの
アレンジをしている場面が映し出されています。

 
 
 

※映画の1シーンのように楽しげなカップルのイタリアンディナー
準備をテーマにしたベルトーリの新CMはこちら

 
" Bertolli Dance :30 "
 

https://youtu.be/jE6sIksdNrI

 
 
 

両コマーシャルとも、

 

 

「Don't Just Eat. Mangia!」

 

 

というフレーズで締めくくられます。

 

 

 

あえて"食べる"というイタリア語を使った背景には、イタリアの伝統である
充実した食事の準備や食卓をシェアする時間と経験を通じて、人と人とが
コミュニケーションを深める機会を提供できるのがベルトーリブランド
であるというブランドポジショニングを狙ってのこと
なのだそうです。

 

 

bertolli写真06
Picture:Screen shot from ConAgra Foods Official Video

 

 

 

 

11月には、"Mangia"のマイクロウェブサイトがオープンする予定に
なっていて、そこでは消費者の"Mangia"な時間がどんなものなのか、
その共有を奨励していくのだそう。

 

そこでは、フォロワーにはカリフォルニア州ナパへの旅行が当たる
企画も実施予定になっています。

 

 

このほかにも、現在同ブランドでは、 #MyTuscanTableとタグ付された
トスカーナスタイルの食卓に関する投稿がされる毎に1ドルを、子どもたちの
貧困・飢餓撲滅支援をしている"No Kid Hungry"に寄付するキャンペーンを
展開しています。

 

またニューヨークでは、10月12日までの間、温かいパスタボウルを配る
ベルトーリのフードトラックも出動。

 

 

 

冷凍食品のネガティブなイメージを払拭し、ベルトーリブランドに新たな
ポジショニングを与える攻めのマーケティングキャンペーンが
今後もどんどん実施されるようです。

 

 

 

 

※ニュースソース

※PR Newswire
http://www.prnewswire.com/news-releases/bertolli-brand-celebrates-150-years-of-italian-heritage-with-mytuscantable-campaign-benefitting-no-kid-hungry-300156434.html

※iSpot.tv
http://www.ispot.tv/ad/AYpn/bertolli-chicken-florentine-and-farfalle-set-the-mood

※AD Hugger
http://www.adhugger.net/2015/10/07/ddb-california-says-mangia-for-conagras-bertolli/

※Brand Channel
http://brandchannel.com/2015/10/08/bertolli-150-years-100815/

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