クロナッツのクリエーターから学ぶ!ヒット商品の5ステップ企画術

内田 洋子

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NewEdge PR LLC 代表(兼:ロイヤルアドバータイジング・ニューヨーク支部代表)、Teezler創設者、JinJour編集長。海外市場向けマーケター&新サービス企画・プロデューサー。 神奈川県藤沢市生まれ。15歳で留学のため単身渡米して以来、長い間現地で培ったアメリカ人の考え方やものの見方を活かし、ニューヨークで数々のマーケティングプロジェクトに携る。 2014年に日本の良いモノを海外に広めるためニューエッジPR社を設立。 現在はニューヨークで主に海外市場向けのEC・デジタル戦略やメディアプロジェクト、新サービスのプロデュース事業を展開中。(写真:ブロードウェイにて)


Vol.3
「ニューヨーク発!マーケ最新事情」

 

 

 多くのヒット商品を生み続けるフレンチパティシエ、ドミニク・アンセルさん

 

ニューヨークのハイブリッドスイーツの火付け役となったクロナッツ。ニューヨークでは発売開始とともに次々にクロナッツ「もどき」が市場に出回り、$5のクロナッツがセカンドマーケットでは$40で売買されるなど、クロナッツ現象が大変話題となりました。

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(写真:フェイスブックより)

 

 

クロナッツ発祥のお店、ドミニク・アンセル・ベイカリーではクロナッツ以外にも日々、次々と新ハイブリッドスイーツやアイディア商品がショーケースにずらりと並んでいます。最近ではバレンタインデーにクロナッツネックレスを売り出すなど、斬新なアイディア商品がメディアに連日のように取り上げられ人々の注目を集めています。

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(写真:フェイスブックより)

 

そして今年の春、ドミニク・アンセル・ベイカリーが表参道にて日本初上陸を果たします。今回はこのオープンを機にクロナッツのクリエーターであり、お店のオーナーでもあるパティシエのドミニク・アンセルさんにヒット商品を企画する際の心構えや過程に関して伺い、商品企画術をレシピ風にまとめました。新商品やサービスの企画やブレインストーミング、そして何か新しい物をクリエイトする際に是非お役立てください!

 

材料(心構え):

・クリエイターのDNA

・常に研ぎ澄まされたアンテナ

・オープンマインド

・忍耐の美徳

・失敗を恐れない心

 

 

ステップ1.「もの」よりも「感動」をクリエイトする

 

「クリエイトする事に特に理由などは必要ない」と話すシェフ。ただ、何かをクリエイトしようとするとき「ブームを巻き起こすため」や「ヒット商品を作るため」にクリエイトするのではなく、「消費者が喜ぶもの・楽しめるものを作る事」が重要なポイントとなるとシェフは話します。ミシュラン3つ星のフレンチ界の巨匠、ダニエルでヘッド・ペストリー・シェフとして務めた際に学んだ事、それはクリエイター自身のために何かを作るのではなく、オーディエンスを喜ばせるために作るという事。それを成すためには顧客は何を求め、何故それを好むのかを徹底的に理解する努力をし、顧客が求めるあっと驚くようなものや、昔を思い出させてくれたりして楽しめるもの、そして何等かの感情を生み出すものを作ることを念頭に商品をクリエイトしていると話します。

 

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(写真はフェイスブックより:左-アフォガード/右-缶入りサンデー)

 

 

ステップ2.「クリエイティビティはライフスタイル」を理解する

 

「Creativity is a lifestyle. (クリエイティビティ―はライフスタイルだ)」

と語るシェフ。「インスピレーションはありとあらゆる場所に眠っている」というシェフの意外なインスピレーションの源、それはなんとソーシャルメディアサイトのインスタグラムを通してのぞくネイルアートの世界。このネイルアートとスイーツの意外且つなんだか納得がいく関係は、最近多くのメディアでも取り上げられました。

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(スクリーンショットはYoutubeより:日本人ネイルアーティストとネイルを体験)

 

 

シェフ・ドミニクのインスタグラムをのぞいてみると、今年ニューヨークに到来した雪嵐「ジュノ」が「まるでケーキを作れといってるみたい」とコメントした写真を発見。まさに日常のいろんなことが、シェフのペイストリーやスイーツのインスピレーションとなっている事がうかがえます。

 

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(スクリーンショット:Instagramより)

 

 

ステップ3. なんでもアリを受入れる

 

ドミニク・アンセル・ベイカリーでは毎週5-6人のシェフが新商品をブレインストーミングするとのことですが、テストキッチンでは「クレイジーなアイディアなんて無い」というモットーの下、少し変わった事をいろいろ試すとのこと。まったく新しい物を生み出すのではなく、既存のモノを組み合わせて「ハイブリッド化」する事で真新しいモノに生まれ変わらせるというアプローチが生み出されたのも、このモットーがあったからでしょうか。そして、大切なのはオープンマインドさと失敗を恐れないマインドセット。新しい物を創るクリエイターに、これらのマインドセットは欠かせないとシェフは話します。

 

(写真はフェイスブックより:クッキーショットはショットグラスにかたどったクッキーに牛乳を入れて楽しむ一品。)
(写真はフェイスブックより:クッキーショットはショットグラスにかたどったクッキーに牛乳を入れて楽しむ一品。)

 

 

ステップ4.良い物を創り出すには、近道あらず

 

ドミニク・シェフが出したクッキング本「ドミニク・アンセル・ザ・シークレットレシピ」では、あえてプロ級のとてもハイレベルなレシピ本ではなく「プロセスのひとつづつを最終プロダクトがどうあってほしいかをイメージしながら作るような本にした」とシェフは話ます。「ペイストリーの世界では、良い物を創り出すためには近道が無いのです。熱を冷ますにもじっくり時間をかけたり、ムースにゼラチンを入れたら時間をかけてなじませたりと、良い物を創り出すにはじっくりと待つことが強いられるため、忍耐の美徳こそが良い物を創り出す土台となるのです。」とシェフは話します。

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(写真はフェイスブックより:「ザ・シークレットレシピ」)

 

 

ステップ5.まずは実践

 

「良いアイディアが出たら寝かせるよりも、まずはそのアイディアを実践・探究すること。失敗を恐れず、いろいろ試しながら新たな方法やアイディアを探っていく事が大切です。」と話すシェフ。実際、新しい事を企画するうえで頭の中でアイディアが浮かんだとしても実践してみると想像外な結末だったりした経験はみなさんもあるかと思います。でもそこから試行錯誤し1つの発想からより良い物が誕生するきっかけとなる事も事実です。ポイントは「いろんなアイディアが出たら、まず1つのアイディアを試してみる事。疑問や不安があっても、とりあえずやってみる事がとても大切なのです。」とシェフはアドバイスしてくれました。

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(写真:フェイスブック)

 

 

 

シェフ・ドミニク氏から表参道店オープン前のメッセージ:

 

「日本ではアメリカで作っているペイストリーを“コピペ”したものを提供するのではなく、より一層良質でクリエイティビティ―の富んだ特別なペイストリーを日本の皆さんにお届けしたいと思います。東京店では次世代型のベーカリーを目指し、多くの人に感動や想い出を残せるようなベーカリーを目指していきます。スタッフ一同東京でのオープンを心から待ち遠しくしています。」

 

いかがでしたでしょうか?次世代型ベーカリーで作られる日本でしか食べられないユニークなスイーツに乞うご期待!

 

さて、次回のVol.4ではモバイル・コマースのスタートアップ「ボックスド・ドットコム(Boxed.com)」のCEOに聞く、「Mコマース&スタートアップ最新事情」をお届けします。

 

お楽しみに!

 

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