熱心なファンが考えたタコベルとドリトスのコラボ商品が売上10億ドル突破!その誕生背景が面白く、感動的とアメリカで話題に。

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熱心なファンが考えたタコベルとドリトスのコラボ商品が売上10億ドル突破!
その誕生背景が面白く、感動的とアメリカで話題に。

 

読者の皆様、こんにちは。

今回は、いつもとはちょっと違った内容ですが、面白く、そして感動的なストーリーがアメリカで話題になっていたので、ご紹介したいと思います。

今回の一件が、メディアで報じられ、瞬く間にネットや口コミで広がっていったのは、その主人公である人の「死」がきっかけでした。

Todd Mills/トッド・ミルズさん(享年41歳)

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※Picture:Screenshot of Taco Shells made from doritos movement Facebook

この写真に写っているのが、今年のサンクスギビングデー2013年11月28日の朝に脳と肺のガンのために、41歳という若さでこの世を去った、トッド・ミルズさんと、その娘さんです。

こちらのお名前を聞いただけで、彼が何をしたかがわかるという読者の方がいらっしゃったら脱帽です・・・。

一件、普通の優しいパパのようですが、彼はある地域の商工会議所のメディアと情報技術を担当する部門のVice Presidentが本職でした。が、もちろん、それで、アメリカ中で有名になっていたのではありません。

彼が有名になった理由は、Taco Bell/タコベルの人気商品で、Frito Lay/フリトレーの定番のスナック菓子「Doritos」とタッグを組んだ、

Doritos Locs Tacos/ドリトス・ロコス・タコス

の産みの親として、その商品実現に向けてFacebookなどを中心に熱心なロビイ活動を展開していたからなのです。

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※Picture:Screenshot of Today.com

写真でわかるとおり、本来タコスは、トルティーヤと呼ばれる小麦粉やコーンでできたシェル(生地)に包まれたものなのですが、このシェルが違うのです。トッドさんはある日、普通のタコスを食べながらテレビを見ていて、その時に「フリトレー」の「ナチョチーズドリトス」のコマーシャルを見て、

「いっそのことタコスのシェルを「ドリトスのナチョスチーズ」にしてしまえば、もっと美味しいんじゃないか!!??」

と、思いついたのだそうです。

しかし、そこから先、実際に今ある商品としての形になるまでには、長い道のりがあったようです。

遡ること2009年、トッドさんはまず、この「ドリトス」の販売元である、食品大手の「フリトレー」社に手紙でアタックしてみました。

しかし、「フリトレー」からの回答は・・・

「Thanks,but no thanks,」

という、まあ、にべもない回答だったようです。
そこで時を同じくして、トッドさんが立ち上げたのが、Facebookのファンページ。

Taco Shells Made From Doritos Movement

草の根の力を信じたトッドさん。このFacebookのページで、自身のアイディアをシェア。ユーモアに富んだ投稿をかれこれ3年にわたって続けました。

その代表となったのが、ドリトスナチョチーズで作られたタコス用シェル(オレンジ色)を、映画やアニメの名作とパロディってみたり、また数多の著名人が、それぞれにユーモラスコメントとともに手にしている合成写真たちだったのです。

以下、いくつかの彼の作品を紹介します。

まずは、世紀の名画もなんのその!レオナルド・ヴィンチも真っ青???

●モナリザのほほえみwナチョチーズドリトス

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※Picture:Screenshot of Taco Shells made from doritos movement Facebook

 

そして、トッドさんは、ハリウッドも席巻!

●「Back To The Future」ならぬ「Back To The Taco」

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※Picture:Screenshot of Taco Shells made from doritos movement Facebook

 

●ハリウッドスター(キアヌ・リーブス)も大好き!

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※Picture:Screenshot of Taco Shells made from doritos movement Facebook

 

●アメリカで一番人気のアニメ(South Park)にも登場!

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※Picture:Screenshot of Taco Shells made from doritos movement Facebook

 

そして、あらゆる著名人も、「ドリトスのナチョチーズタコスシェル」が大好き!
というイメージを、ユーモアたっぷりにトッドさんは投稿し続けました。

●イギリスのセレブシェフ、ゴードン・ラムジーもラブ・ドリトスナチョチーズ

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※Picture:Screenshot of Taco Shells made from doritos movement Facebook

 

●NBAのスター選手「リン」だって、ドリトスナチョチーズシェルが手放せない!

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※Picture:Screenshot of Taco Shells made from doritos movement Facebook

 

●あのAppleのスティーブ・ジョブズも、ドリトスシェルの前には食欲を隠せない!

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※Picture:Screenshot of Taco Shells made from doritos movement Facebook

 

●相対性理論!?Fu*k it!!!!ナチョチーズシェル、それこそそが方程式だ!

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※Picture:Screenshot of Taco Shells made from doritos movement Facebook

 

・・・と、例を挙げればきりがないほどの「名作」がFacebookに投稿されたのです。

※トッド氏のナチョチーズドリトスの名作画像はこちらから。
https://www.facebook.com/cheesyshells

こうした地道な活動は、いつしか(およそ3年の月日を経て)、「タコス」を主力商品として販売するファーストフードチェーン「タコベル」の目に留まることになったのです。

2012年、タコベルから、トッドさんは電話を受けます。そこで、彼は、タコベルが検討しているいくつかの試作品(新商品予定)のテイスティングに来てくれないかと言われたのだそうです。
(それ以前に、タコベルは、トッドさんの投稿にコメントも残していたそう)

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※Picture:Screenshot of Taco Shells made from doritos movement Facebook

 

そして、2012年、ついにトッドさんは、長らくの念願かなって、「Doritos Locs Tacos/ドリトス・ロコス・タコス」を、初めてテイスティングすることができたのだそうです。

同商品が正式にアメリカのタコベル店舗、およそ5600店舗で販売が開始されたのは
2012年3月7日のこと。

そして、同商品は、同社にとって最大のヒットとも言える新商品投入となったのです。

販売個数、6億個を突破。売上も1ビリオン=10億ドルを超えたのだそうです。

タコベル社は、トッド氏について、以下のようなコメントを発表しています。

"We are honored to have had his support through the Doritos for
Taco Shells Movement on Facebook, and we admire his strength and
optimism during his recent battle. Our thoughts and sympathies
are with Todd's family during this time,"

「彼の立ち上げたFacebookページを通じたサポートを本当に光栄に思います。
そして、彼自身の昨今の苦しい状況下でも見せてくれている強さと前向きさに感銘を受けています。
私たちは、この大変な時期を、彼の家族と共にありたいと思います。」

そう、冒頭に述べた通り、このミリオンヒットを生んだトッド氏は、残念ながら若くして、ガンと闘うこととなりました。

そして、その闘病生活が始まってからほどなくして、彼の友人が、その治療費などをカバーするための寄付を募るウェブサイト・団体を立ち上げました。

トッドさんを支援する慈善ウェブサイト
http://www.youcaring.com/medical-fundraiser/team-todd/78861

こうした故人の、その当時の状況を知っての、タコベルのコメントだったのですね。

さらには、最近の報道で、タコベルは同チャリティに、1000ドルを寄付したということも明らかになりました。

・・・あれ、フリトレー社は???

トッドさんが最初に話を持ちかけたのは、ドリトスを生産・販売しているフリトレ-の側だったようです。

しかし、結果、彼の活動に注目したのは、タコベル。

そして、今回の一連の報道でも、トッド氏の商品への愛とともに、評価が高まったのはタコベル。

考えさせられたニュースでした。

※ニュースソース

USA TODAY

NPR ORG

TODAY FOOD

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